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Reference 501シリーズ 徹底解剖

ついに登場、「501」のバランス対応プリメイン − ティアック「AX-501」を聴く

公開日 2013/12/27 10:54 高橋敦
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「Reference 501」シリーズはA4サイズの中に機能性と音質を凝縮させたコンポーネントだ。第一弾ラインナップとしてまずUSB-DAC「UD-501」、プリメインアンプ「AI-501DA」、ヘッドホンアンプ「HA-501」、ディスクプレーヤー「PD-501HR」が登場し、組み合わせで様々なソースやスタイルに対応することでも歓迎された。

一方で、USB-DACのUD-501にバランス出力が用意されているのに、プリメインアンプのAI-501DAにバランス入力が用意されていないことが気になっていた方も多いだろう。そこで新たに登場したのが「AX-501」だ。かんたんに言うと「AI-501DAからDAC機能をなくし、代わりにバランス対応とした純アンプ」だ。今後は、シリーズでシステムを組む際にUD-501も導入予定の方は、DAC機能がダブらないAX-501を選ぶのが合理的と言える。

ティアック「AX-501」¥115,500(税込)

フルバランス構成を採用、高音質パーツも多数装備

ここで「そもそもバランス伝送の利点は?」ということを確認しておこう。アナログ音声信号の最も一般的な伝送方式は、アンバランスのライン入出力だ。+の音声信号とーのグランド(基準電位)の2つの導線で機器を接続して音声信号を伝送する。対してハイエンド機ではバランス入出力の搭載例も増える。こちらは音声信号をホットとコールドの2つの導線で伝送(合わせてホット・コールド・グランドの3線)。ホットとコールドの信号は逆相になっており、信号は合わさって強化される一方で伝送過程で混入したノイズは逆相同士で打ち消し合う。より安定してクリーンな信号伝送を実現できるのだ。

バランス入力を備え、バランス伝送に対応することがAX-501の最大の特長だ。しかもAX-501は、バランス入力された信号をフルバランス構成アナログプリアンプ回路で受け取り、パワーアンプに入力するまでバランス信号のままで処理する。このフルバランス構成によって、前述のバランス伝送の利点を余さず生かすことができるのだ。

背面の入出力端子部。バランス入力を装備する

パワーアンプ部分では、ABLETEC社のClass-Dアンプを採用する点はAI-501DAと共通。低消費電力で低発熱、それでいて十分な出力を確保する。細かく見ると、AI-501DAではALC0180というセットを使っていたところを本機ではALC0240というセットに変更し、出力は左右各68Wから各88Wへと向上。スピーカーに対する駆動力をより高めている。


アナログメーターを装備。オーディオ機器らしさがグッと高まる
ヘッドホンアンプ部分も強化した。一般的な回路構成では出力直前にカップリングコンデンサーというパーツを通すことが必須だが、これが良くも悪くも音質への影響が大きい。そこで本機はそれを廃した回路「CCLC」を採用。その要素をなくし、よりリニアリティの高い再生を実現している。

電源部の概要はAI-501Dと共通だ。オーディオ用として定評のあるトロイダルコアトランスを搭載し、整流回路のダイオードには整流ノイズを低減できるショットキーバリアダイオードを採用した。

そしてもちろん、アナログメーターも搭載している。しかもデザインがリファインされている。これがあるとないとでは醸し出す雰囲気が相当に違ってくる。

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