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【特別企画】話題のUSB-DAC/ネットワークプレーヤー

もはや価格破壊? 9万円台でES9038PRO搭載、OPPO「Sonica DAC」のサウンドを聴く

公開日 2017/02/06 10:00 土方久明
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プリアンプ機能を活用してパワーアンプやアクティブSPへの直結も可能

Sonica DACは、ES9038PROのHyperstream IIテクノロジーによる高品質なデジタルボリュームを活かした、プリアンプ機能も備える。そこで本機をパワーアンプと直接接続して、プリアンプとしての音質を確認した。

本体設定でプリアンプ機能をONにしてから、先ほど聴いた曲をもう一度再生する。結論から記すと、聴感上の情報量が上がり、ストレートでエネルギー感に満ちたSonica DACの個性がより強くなる。

アンドレア・バッティストーニのような楽器数が多く、合唱も入るような楽曲は、特にその良さが生きる。楽器1つ1つの明瞭度が上がり、サウンドステージの見通しもさらに明瞭になる。井筒香奈江のようなボーカル曲は声のリアリティが増し、リバーブ成分など微小レベルの再現性も向上したことが感じ取れる。

Sonica DACの試聴を終えた土方氏

もちろん外部プリアンプを利用した時の独特の色艶も捨てがたいが、高品質なデジタルボリュームを利用できることは本機のメリットでもあるので、導入された方は一度試すといいだろう。

スペックとサウンドの両面で“価格帯を超えた”モデル

この価格帯のデジタル機器で、ESS Technologyの最高級DACチップが乗ったインパクトは大きい。これは価格破壊といって良い。それに加えて、再生可能なオーディオスペックの高さは、進化の早いデジタルオーディオにおいても、長いライフサイクルの約束を意味する。そして何より、こうしたOPPOだからこそ可能なハイスペックが、高いサウンドクオリティへと直結している。

初めてUSB-DACを使用するユーザーにもメリットは大きい。手持ちのスマホと接続して手軽に使えるBluetooth再生機能や、USBメモリー内の音源再生などにも幅広く対応している。デジタルファイル再生を行いたいと思いつつ、立ち止まっているCD愛好家なら、本機を使って段階的にチャレンジしていき、最終的に高品位なネットワーク再生やUSB-DAC再生を行うのもいいだろう。しかも初期投資は最低限で済む。

OPPOはSonica DACにおいて、10万円以下という価格帯をそもそも意識していなかったのではないか。ユーザーが満足するハイスペックとサウンドをなるべく低価格で実現することを目指した結果として、9.8万円という価格で、誰もが驚く驚異的なスペックとサウンドが具現化したのだろう。ここにOPPOのコンシューマーオーディオへの取り組みにおける、強烈なまでの決意を感じるのだ。

(土方久明)


<試聴音源>
■CDリッピング
・井筒香奈江『リンデンバウムより』(44.1kHz/16bit FLAC)
(Track 1「氷の世界」)

■ハイレゾ
・Ryu Miho『Call me』(DSD 11.2MHz DSF)」
(Track 1「Call me」)
・アンドレア・バッティストーニ『イタリア・オペラ管弦楽・合唱名曲集』(96kHz/24bit FLAC)
(Track 10「歌劇《アイーダ》より凱旋の合唱」)


左から『リンデンバウムより』『Call me』『イタリア・オペラ管弦楽・合唱名曲集』



特別企画 協力:OPPO Digital Japan

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