<山本敦のAV進化論 第119回>

アナログレコードのUSB録音、カートリッジ変更はどれだけ音に “効く” のか?

山本 敦

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2016年12月28日

音の違いを比べるためのカートリッジは3つ用意した。オーディオテクニカが今秋に発売したVM型カートリッジは、本体の素材が金属で作られている「VM700 Body」と、ABS樹脂製「VM500 Body」の2種類に分かれ、さらに7種類の素材や形状の違うレコード針を揃えている。それぞれを組み合わせた既製品は、モノラル専用モデルを含めて9種類のラインナップになる。

今回は「接合丸針+VM500 Body」の『VM510CB』、「無垢マイクロリニア針+VM700 Body」の『VM740ML』、および「無垢シバタ針+VM 700 Body」の『VM750SH』を準備した。ヘッドシェルにはオーディオテクニカから発売されている、アルミボディの表面処理にNASAの技術から生まれたという高音速超硬質素材“テクニハード”を使い、リード線をPCOCCとした「AT-LH13/OCC」をリファレンスにして、3モデルの交換カートリッジを装着した。

VM510CBは端子もリード線に合わせて色分けされている

左が単品販売のヘッドシェル「AT-LH13/OCC」、右はレコードプレーヤーに付属する「AT-HS10」

なお、レコード針については先端の形が丸針/楕円針/ラインコンタクト針と大きく3つの系統に分かれており、それぞれに引き出される音のキャラクターが大きく変わる。針の材料には工業用ダイヤモンドが使われているが、全体を無垢のダイヤモンドから削り出したものと、チタン製の土台の先端にダイヤモンドの針先を接合したものの2種類を、オーディオテクニカはラインナップしている。価格的にもバラエティに豊むラインナップだが、値段の上下よりも、音の傾向を聴き比べながら選ぶと楽しみが広がりそうだ。

今回はPerfumeのアルバム「JPN」からのヒットチューン、『レーザービーム』をUSB録音してみよう。オーディオテクニカの「AT-LP5」にはPC用の録音アプリケーション「MusiCut Plus」のダウンロード版がバンドルされているが、このアプリケーションがWindows PCにしか対応していなかったので、今回はMacでも使えるフリーソフト「Audacity」を使って取り込むことにした。

パフュームのレコードを取り込んでみよう

MacBook ProをUSBケーブルでつないで録音

3つのカートリッジを使ってUSB録音

まず本体に付属する「AT95EX」を使ってスピーカーで音を鳴らしてみた。聴感上のバランスがよく、ボーカルの柔らかな質感を上手に引き出してくれる。

付属のカートリッジ「AT95EX」

カートリッジが装着されているヘッドシェルをロックナットから取り外す

続いて、カートリッジを交換しながらUSB録音を進めていく。マイナスドライバーと、リード線の着脱用としてピンセットがあれば簡単にカートリッジが交換できる。それぞれの音をスピーカーでもチェックしてみる。

ヘッドシェルからカートリッジのボディを外すときにはマイナスドライバーを使用。リード線は慎重にピンセットなどを使って外した

「VM510CB」は中低域のエネルギーに特徴が感じられる。ボーカルの声が最も力強く鮮度が高い。金属ボディの「VM740ML」に換えてみると、声の輪郭に繊細さが加わり、楽器の音も定位が引きしまる。打ち込みのリズムにもしなやかさが乗ってきた。「VM750SH」ではさらにS/Nが良くなって、空気の見晴らしが上がった。ボーカルの艶っぽさが引き立ち、中高域の余韻がとても豊かになった。音像定位も特に前後の奥行き感に余裕が生まれる。

カートリッジの違いはデジタル音源でも分かる?

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