<山本敦のAV進化論 第116回>

【レビュー】オーディオテクニカの新ヘッドホン「ATH-SR9」をMSR7ユーザーの筆者が厳しくジャッジ!

山本 敦

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2016年11月22日
■ATH-MSR7ユーザーの筆者が新モデルATH-SR9をチェック

オーディオテクニカは2014年、ヘッドホン製品の販売を開始してから40年の節目にヘッドホン「ATH-MSR7」を発売した。同社は「オーディオテクニカが追求する高音質」の代名詞となるポータブルヘッドホンを、当時の最先端にある音響技術を集結させて作り上げた。

今回はオーディオテクニカのハイレゾ対応ポータブルヘッドホンに新しいフラグシップモデル「ATH-SR9」をレビュー

あれから2年が経ち、いよいよ上位モデルの「ATH-SR9」が発売される。長らくATH-MSR7をリファレンスとして使ってきた筆者は、今回発売前にATH-SR9を借りて音質や使い勝手など色んなポイントをユーザー視点でシビアに比べてみた。

オーディオテクニカのハイレゾ対応ポータブルヘッドホンMSR7(左)とSR9。本体はやや大きくなっているが、20gほど軽くなった。イヤーカップも大きくゆったりとしているので装着感も快適

ATH-MSR7は45mm口径のハイレゾ対応ダイナミック型ドライバーを搭載する密閉型ポータブルヘッドホンだ。軽くてフィット感も安定していることも長所。リケーブルにより音をカスタマイズしながら長く楽しめる。筆者も約2年間使い続けているが、その魅力が色あせる気配を感じない。

筐体に剛性の高いアルミニウムを採用。軽量設計にもこだわった

ATH-SR9の位置付けはATH-MSR7の上位にあたるが、MSR7はSR9の発売後も販売を継続する。今後は音質を徹底追求した「Sound Realityシリーズ」に2つのポータブルヘッドホンが“オーディオテクニカの顔”として並ぶことになる。

アルミはウジングをネジ留めでしっかりと固定。制振性を高めた。オーディオテクニカのロゴマークからシンボルロゴを大きく配置している

AHT-SR9には音楽コンテンツの原音を忠実に再現するために45mm口径の「“トゥルー・モーション”ハイレゾ・オーディオ・ドライバー」が搭載された。ドライバーは本機のため新しく開発段階から起こしたものだ。MSR7のドライバーがカバーする再生周波数帯域は5Hzから40kHzまでだが、SR9では高域側が45kHzに伸びた。

スライダーにも剛性の高いアルミを使用。肉抜きしたパーツとして本体を可能な限り軽くしている

ドライバーの駆動力を限界まで引き出せるよう、純鉄一体型ヨークを採用するパワフルな磁気回路を搭載。純度の高い7N OFCショートボビン巻ボイスコイルが精緻な音声信号の伝達を支える。そして振動板には“SOLID BASS”シリーズの上位イヤホン「ATH-CKS1100」にも採用実績のある「DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)」コーティングをかけて剛性を高めたことが高域特性の向上につながっている。

そのドライバーがハウジングスペースの中で最大限の性能を発揮できるよう、内部の空間構成にも工夫を凝らした。新規開発された「ミッドポイント・マウントテクノロジー」では、ドライバーを中心とした前後の音響空間を均一にして、ドライバーがスムーズに動けるスペースを確保。不要な低域成分を抑えるため、前後の空間を仕切るダンパーもなくしたことがレスポンスの向上を導いた。

この新技術が誕生したことで、ハウジングのサイズもスリム化できたようだ。そのハウジングの素材には硬度の高いアルミニウムを使い、なおかつ筐体のフレームにネジで留めて不要な振動を効果的に抑えている。

■装着感もさらに向上

装着感は悔しいことにMSR7よりもさらに良くなっている。まず本体の質量自体がMSR7の約290gから、SR9では約270gへ20gの軽量化を果たした。

ボーカルの定位がものすごく鮮やかで、ディティールもきめ細かい

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