コストパフォーマンスの高さにも注目

【レビュー】ラックスマン「E-250」 - レコードに刻まれた音を余さず引き出すフォノイコライザー

大橋伸太郎

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2016年11月07日
今日のアナログ・リバイバルを牽引するラックスマン

今年のオーディオはアナログレコード再生が牽引したといっていいだろう。PCオーディオ、ネットワーク再生、ハイレゾがオーディオの「当たり前」になり、その一方でアナログ再生が地道に進歩を続け、未開拓の可能性を望見している事実が新鮮な発見だったのだ。

1980年代以降生産から遠ざかっていたメーカーがレコードプレーヤーに再参入、多士済々の海外製品を含め活況を呈している。アナログ・リバイバルといっていいのが現在のオーディオ界。そうした中、フォノイコライザーの存在が脚光を浴びている。

「E-250」¥128,000(税抜)

CDからスタートした若い世代は、ピックアップの微弱な出力電流をラインレベルに増幅するフォノイコの存在と役割を知らない。リターナーの場合、かつてのインテグレートアンプにはフォノ入力が必ずあったので、フォノイコを意識しないでプレーヤーを繋いでいた。むしろ前段のMC用昇圧トランス/ヘッドアンプにこだわった。

ところが現代のアンプは、フォノ入力を持たない製品も少なくない。音質のいい単体フォノイコをアドオンしたくとも製品の現状はといえば、アクセサリー的立ち位置のローコスト製品か、あるいは物量を投入したマニア向けハイエンド製品に二極分化していた。フォノイコがなければレコードは聴けないのに関わらず、だ。

そうした中、アベレージなオーディオファンのために音質が良くリーズナブルな価格の単体フォノイコを提供しているメーカーがある。それがラックスマンだ。

フォノイコライザー「E-200」を刷新、「E-250」が登場した

ラックスマンはアンプメーカーのイメージが強いが、1970〜80年代にアナログプレーヤー数々の名機を送り出している。12インチロングアーム搭載に対応の「PD-441」(1977年)や、レコードをターンテーブルに吸着する“ヴァキュアムディスクスタビライザー”方式の「PD-350」(1983年)は筆者憧れのプレーヤーだ。

アナログ・リバイバル本格化前夜の2011年、現代の技術を傾注した一方でPD-441の面影を感じさせるアナログプレーヤー「PD-171」をいち早く送り出す先見の明も、アナログを真に知る同社故であった。

ラックスマンは2015年、増幅回路デバイスを全段真空管としたフォノイコライザーのハイエンドモデル「EQ-500」(関連ニュース)を発売した。そして今年、2008年からラインナップしてきたフォノイコライザー「E-200」を刷新。今回取り上げる「E-250」(関連ニュース)が登場した。

アナログオーディオの手練、ラックスマンがリバイバルの真っ只中に送り出したのだから自信作に違いない。ここではその音色に耳を傾けてみよう。

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