<山本敦のAV進化論 第38回>
ハイレゾDLにもトライ!格安SIM「b-mobile SIM 高速定額」はAVファン的に“使える”のか!?
ただし、b-mobileではファイル交換(P2P)アプリケーション等に制限を設ける場合があることや、大容量のダウンロード及びストリーミングでの連続通信については、時間帯によって制限をかける場合もあることをサイトのFAQ等で宣言している。ハイレゾのアルバムを立て続けに落とそうとしたら制限がかかる可能性はあるだろう。
ほかにも自宅BDレコーダーに録りためた番組を、「TV SideView」アプリを使って電車での移動中にリモート視聴してみた。360Pの画質だと映像にブロックノイズが表れたり、通信エラーも所々で発生したが180Pではストリーミングが安定した。朝晩の通勤ラッシュ時には通信速度がやや低下するため、動画視聴についても快適に楽しむためには時間と場所の選択もカギになりそうだ。
■今年は同様のサービスがさらに盛り上がって欲しい
今年はMVNO各社のサービス競争がさらに激化してくるものと思われる。定額・無制限のデータ通信サービスは、本稿執筆時点ではNTTぷららによる「ぷららモバイルLTE」と、U-NEXTのU-mobileによる「LTE使い放題プラン」、そして今回紹介した「b-mobile SIM 高速定額」があるのみだが、今後は一つの差別化要素になるはずだし、筆者としてはそうなって欲しいと期待している。「VAIOのスマホ」がどんなものになるのかも興味深いところだが、AVスペックが高い端末で、「b-mobile SIM 高速定額」とセットで使いやすいパッケージなどが用意されたら、筆者自身MNPの行使も含めてグラッと来そうだ。
「b-mobile SIM 高速定額」とU-mobileの「LTE使い放題プラン」はMNP対応のサービスである。AVコンテンツをモバイル端末でも心置きなく楽しみたいけれど、スマホやタブレットを同時に何台も使うのは、ランニングコストや持ち運びの手間からして論外だという方には、もはやMVNOのプランとSIMフリー端末を中心に運用したほうが、月々の通信にかかるランニングコストが低く抑えられるメリットもある。
ただし、先述したテザリングに関わる制約は考慮に入れておきたいし、通話料金については「20円/30秒」が別途かかる。また今回はAV的な使い勝手にフォーカスしてご紹介したので詳しくは取り上げなかったが、海外で使う場合は国際ローミングによる音声通話が利用できるものの、データ通信には使えないなど不便なところもある。キャリアが提供する家族向けの割引サービスなども用意がない。色々とトレードオフになる要素についても入念に調べたうえで、自分の用途にふさわしいと判断ができればMVNOのサービスをメインにしてみるのも悪くないと思う。