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<山本敦のAV進化論 第46回>MWCで話題の製品に迫る

まるでハロ? それとも現代版Rolly? ソニーの球体スピーカーは踊るだけじゃない

2015/03/10 山本 敦
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“Smart Bluetooth Speaker”「BSP60」は、MWC 2015のソニーモバイルブースで最も異彩を放っていた製品のひとつだった。実はその展示は広いソニーモバイルブースのわずかな一角というコンパクトなものだったが、最も多くのジャーナリストが足を止め、常にまわりを取り囲んでいたようにみえた。まずは最初に、この「BSP60」がブースでどんなふうに踊っていたのか、動画をご覧いただきたい。



本体の底部には4つの車輪も付いているのだが、今回のイベントでは自由に走り回る姿までは見られなかった。耳(?)をパタパタと動かしながら言葉を発する様子に加え、未完の機能を残すミステリアスさがかえって来場者の想像力を刺激したのかもしれない。

ソニーモバイルが展示した“Smart Bluetooth Speaker”「BSP60」

ソニーモバイルが開発を進める「BSP60」がどんな製品になるのか、本機の商品企画を担当するUXプロダクト&ポートフォリオ プランニング コンパニオン企画 統括部長の宮澤秀右氏にインタビューした。

■どんなことができる製品なのか?

まずは本機で何ができるのか、宮澤氏に整理してもらった。「本機はBluetoothによるワイヤレス音楽再生が楽しめるスピーカーです。スピーカーはステレオ設計で、時計やアラームなどの基本機能も搭載しています。ワイヤレス音楽再生だけであれば、プラットフォームに関わらずBluetoothに対応した様々な機器と組み合わせて楽しめます。さらにAndroidスマホと組み合わせると、アプリと連携して音楽再生をボイスコマンドで操作できたり、天気やスケジュールアプリの情報をスピーカーが読み上げてくれます。ボイスコマンドについては、スピーカーがスマホ経由でクラウド上の音声解析データベースにアクセスし、スマホアプリに登録されている情報を読み上げる仕組みです」(宮澤氏)。

「BSP60」の商品企画を担当するソニーモバイルコミュニケーションズ(株)UXプロダクト&ポートフォリオ プランニング コンパニオン企画 統括部長の宮澤秀右氏

つまりはXperiaシリーズなど、Androidスマホとペアで使うことを前提にした、コミュニケーション機能を搭載するワイヤレススピーカーということのようだ。球体の直径はソフトボールよりも少し大きく、片手でギリギリ持ち運べる大きさだが、どちらかといえばポータブルスピーカーとしてアウトドアで使うより、屋内環境で使う方が自然なサイズ感だ。

なおスピーカーに搭載されているOSは、ソニーモバイルの「SmartBand Talk」にも採用されいてる独自開発のプラットフォームになるようだ。

「ボイスコマンドの起動は『OK、スピーカー』と話しかけると、スピーカー側が『I'm listening(聞いてますよ)』と返してくれるので、以降は音声による操作が可能になります。日本語を含む8言語への対応を予定しています」(宮澤氏)。

ボイスコマンドを起動する際の発声を「OK、スピーカー」とした理由を、宮澤氏は次のように説明する。「最初は『Hi、スピーカー』も検討していましたが、英語圏の人たちにとって“Hi”という呼びかけ方はやはり人間に対して使うもので、機械相手だと抵抗があるという声がありました。それで最終的には“OK”に落ち着きました」。なおスピーカーが応答するときの「I'm listening」をはじめ、各応答のフレーズについては日本語化も含めてこれから決めていくそうだ。

ボイスコマンドのほかに、本体のフロントパネルはタッチセンサーになっていて、4つのボタンが音楽再生やアラーム設定などに割り当てられている。ボイスコマンド入力の起動は「OK、スピーカー」と発声しなくてもタッチセンサーで行なうこともできる。

本体上部に設けられた二つのパネルが開くとスピーカーが格納されている。耳が動くとイルミネーションの色も変わる

Bluetoothのオーディオコーデックは先頃ソニーが発表したLDACやaptXなどには残念ながら対応せず、SBCまでとなる。宮澤氏によれば「内蔵バッテリーは、フル充電から5時間連続で音楽を聴ける容量にしたい」という。


■スピーカーにコミュニケーション機能を加えて「次の進化」を見せたかった

動画でもご覧いただいたように、基本動作は本体上部に二つ設けられた「パネル=耳」をパタパタと開閉させたり、「足=ホイール」を使ってくるくると動きまわることができるようになるという。バイブ機能も内蔵しているので、これをユーザーからの呼びかけに対して答えるときに、ブルッと震えたりもする。

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