[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第89回】「リスニングハイエンド」という新語を授けよう! Ultimate Ears「UE900s」レビュー

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高橋敦

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2014年06月19日

■サプライズ第二弾:ユーザーが自分の耳に適したイヤーピースを選べるように工夫

小芝居はさておき、UE900sのサプライズ第二弾がこれだ。パッケージを開けるとまず目に飛び込んでくるのが、シリコンとフォームの6サイズ9組のイヤーピースがこれでもかと並べられている光景。そしてそれに圧倒されつつイヤホン本体を取り出すと、イヤホンにはイヤーピースが装着されていない。どういうことかというと、

1)ユーザーにイヤーピースのバリエーションを認識させる
2)イヤーピースを自分で選んで装着しないと使い始められない

…ということのためなのだ。

イヤホンファンの方ならご存知のように、カナル型イヤホンはイヤーピースのフィット次第で遮音性も音質も大きく変化する。場合によっては「激変」と言えるレベルだ。付属イヤーピースから自分にぴったりフィットするものを選び出して使うことは極めて重要。

しかし中には、そのことを知らないままにハイエンドイヤホンの世界に飛び込んでくる人もいるかもしれない。すると出荷時に装着されているイヤーピースそのままで使い始めて使い続けてしまうわけだ。そのイヤーピースが運よくその人にフィットすればよいが、そうでなければせっかくのイヤホンの実力があまり発揮されない。その人にとってもそのイヤホンにとっても残念だ。

そこでUEがぶちかましてきたのが今回のこの強硬手段!「適切なイヤーピースを選ばない限りは使い始めさせない。絶対にだ!」というこのパッケージだ。やってくれるぜ!

詳しく見ると、イヤーピース周りにはまだ他にもさらなるこだわりが詰め込まれているのだが、まあそれは後ほどとして、まずは他のポイントを見ていこう。

基本的な特徴はUE900から大きな変更はない。外観も、全く変わっていないわけではないようだが、ぱっと見ではだいたい同じだ。基本要素としても変更はなく、低域2基+中域1基+高域1基のBA型×4基のマルチドライバー構成。公表されている特性値にも変化はない。

繰り返しになるがこちらが今回新登場UE900s

こちらはUE900。ちがいはよくわからない

では何が変わったのかというと、音質チューニングだ。ハウジング内でのドライバーの配置を見直し、音が通るバスチューブというパーツも変更。それらの手法によってUE900をベースに、その音の方向性を継承しつつも、より進化した(とUEが考える)サウンドを実現している。彼らが言うには「より力強い低音域とバランスの取れたサウンドを実現」だ。

外側にはUEロゴをシンプルにあしらっている

透明度の高いクリアシェルなので内部が透けて見える。外形はほとんど変わっていないが内部配置等の見直しで音質調整されている

つまり前述の「イヤーピース選択強要パッケージ」の他は、おおよそは「UE900の新チューニング版」なのがUE900s。なのでUE900のその他の特長もそのまま継承している。

MMCX端子によるケーブル脱着機構を採用。MMCX端子は採用例が多いのでリケーブル製品の選択肢も豊富

編み編みタイプのケーブルは2本付属。ブルーの方はハイエンド機では少数派のリモコン&マイク搭載型なので普段使いにも便利


通常ケーブルはブラック。プラグはどちらも共通。例えばいかにも頑強なShureとかと比べるとコンパクトなプラグだ

さらに予備イヤーピースと端子メンテナンスジェル、キャリングケースも付属

パッケージから溢れ出るイヤーピースフィッティングへの執着

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