[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第64回】「秋のヘッドフォン祭2013」を高橋敦の“超個人的ベスト5”で振り返る

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高橋敦

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2013年10月29日
今年も無事に開催されましたフジヤエービック主催「秋のヘッドフォン祭2013」。いやさらりと無事にと言ったが、今年は台風直撃の恐れもあったので「幸運にも無事に」開催されたと言った方がよいかもしれない。

そんなわけで(今回も)天気的には微妙だったのだが、参加者の熱気は(今回も)盛大。「参加者」とは「聴かせる側も聴く側も」だが、例えば聴く側では、USB-DACの試聴用にノートパソコンを持ち込んできているという「一般的にはアウトな気もするがこの会場だったらギリセーフ。むしろ勇者」な感じの人までいた。どこまでエスカレートするんだこのお祭りは。

さて、ともあれ今回も編集部による膨大なレポートがすでに掲載されているが(秋のヘッドフォン祭2013レポート一覧はこちら)、今回も僕の個人的な印象に残ったベスト5を紹介させていただこう。

早速5位からスタートだ!

【第5位】今年も熱いぜ!(←物理的に)真空管

僕が真空管好きなので特別に目に付くということもあるだろうが、それにしても今回も真空管を採用したヘッドホンアンプを多く見られたように思える。中でも特に気になった2製品を紹介しよう。

まずはオーディオテクニカの最新製品「AT-HA22TUBE」(関連ニュース)。デスクトップに無理なく置けるサイズに、5万円ほどという価格にも無理のないモデル。オーテク製品ならばという安心感もある。

まあぶっちゃけ筐体はありきたりなオーテク感バリバリなのだが、天板の真空管&真空管ガードで逆転勝利!

外観上の特徴としては、「絶対に火傷はさせない!絶対にだ!」と言わんばかりの真空管ガードがかっこいい。最近の他の製品だとこの部分は透明アクリル樹脂を採用するパターンが多い。それはそれで真空管が見えやすく、ルックスを楽しみやすいのだが、このガードパーツは金属製で、デザイン的にも頑強そうで実に力強い印象だ。

回路構成的には、真空管はプリアンプ段に搭載してその後の増幅には半導体を用いている。真空管ならではの音色と半導体アンプの駆動力や優れた特性を組み合わせる狙いだろう。試聴機ではジャズの女性ボーカルが流されており、その歌声は心地よい優しさに満ち溢れていた。ギターやシンバルの高音のほぐれてウォームな感じも含めて、真空管の「らしさ」を生かすという狙いは見事達成されている。

オーテクのモデルが現実的というか、ちょっとがんばった予算さえあれば導入できるものであるのに対して、Venetor Soundの「VT-HPAMP」はでかいし、予価はおおよそ20万円。本格据え置き型ヘッドホンアンプだ。

ルックスもオールドスタイルだが実は、バランス駆動対応、インピーダンス調整機能搭載と、現代的な機能も備えている

左右合わせて4本の真空管を搭載し、全段真空管増幅。そして出力段には出力トランスを採用。筐体後方に設置されたトランスのでかさも頼もしい。

「真空管アンプの音」の鍵は、まずはもちろん真空管だ。しかしそれに加えて、往年の真空管アンプの回路構成において必須だった出力トランスというパーツも、その鍵のひとつとされている。このモデルはその要素も備えているのだ。

実際、音を聴かせていただくと、歌声の自然な伸びや全体の素直ななじみ具合、弾力のある中低域によるドライブ感など、真空管アンプに期待される要素を堪能できる充実の音調。これはよい!

なお他には、ベンチャークラフトのブースにて「GO-DAP TT」と並べて参考出品されていた新モデル「GO-DAP TMT」が目に留まった。iPhone等とのデジタル接続に対応した真空管採用ポータブルアンプなのだが…もはやポータブル性を犠牲にしている!

小型のサブミニチュア管を採用してサイズを抑えていたGO-DAP に対して「GO-DAP TMT」の「真空管…でかくしちゃおうぜ!」感な…

続いて第4位! Lightningでミニマムなヘッドホンアンプ

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