【特別企画】

テレビに更なる“美しさ”と“楽しさ”を。豊かな色彩美を実現した4Kビエラ「AX800」

折原一也
2014年06月17日

最新のHDMI規格を引っさげ、大きな話題を集めた4Kビエラが今夏、更なる進化を遂げた。高精度なカラーマネジメント技術「ヘキサクロマドライブ」を搭載しクオリティの底上げに加え、音声操作を始めとしたビエラならではの“使いやすさ"を徹底。VGP2014 SUMMERにおいて、総合金賞を獲得したAX800シリーズの魅力をレポートしよう。


HDMIの最高スペックを実現してきた「4Kビエラ」

昨年秋、HDMIの新規格と共にパナソニックの4Kビエラは鮮烈なデビューを飾った。私は独ベルリンのIFA会場で4Kビエラを初見したのだが、その驚きは未だ鮮明な記憶として残っている。3840×2160ドットの4Kパネルに描かれる滑らかで高精細な映像は、それまで目にした映像品質を一蹴してしまうポテンシャルを感じさせた。

パナソニックの4Kビエラは、初代モデルWT600シリーズから4K/60pのHDMI 2.0に準拠するだけでなく、色信号を圧縮しない4:4:4入力にも対応するなど、HDMI 2.0の規格上における最高スペックを先取りしていた。また同時に、世界初のDisplayPortポート(1.2a)を搭載することで、PCからの4K/60p入力にも対応。4K映像時代に求められるディスプレイのあるべき姿を、どこよりも先に具現化してみせた。

そんな4Kビエラが“第二世代"を発表したとなれば、否が応にも我々AVファンの期待が高まるのは当然のことだ。今期ビエラのコンセプトは「ライフプラススクリーン」。生活に新たな体験をプラスし、より豊かなライフスタイルを提案する、という意味が込められているのだという。では、その気になる最新モデルAX800シリーズを見ていこう。


ヘキサクロマドライブがもたらす原画忠実の映像美

今、4Kテレビを選ぶ絶対的条件に「画質」は欠かせない。AX800では、その「画質」についても大きな進化を果たした。その1つが「ヘキサクロマドライブ」である。


“ヘキサ"はギリシャ語で6を指す単語だが、ヘキサクロマドライブでは「R(レッド)」、「G(グリーン)」、「B(ブルー)」に加え、補色である「エメラルドグリーン(C=シアン)」、「パープル(M=マゼンダ)」、「イエロー(Y)」の6色を意味している。今回パナソニックは、DCI比98%にも及ぶ広色域パネルを採用(前モデル比20%拡大)するだけでなく、RGBCMYの6軸色座標補正の3次元カラーマネジメント技術を投入。むやみな広色域化ではなく、色補正技術の精度を重視することでよりナチュラルな色彩と輝度レベルの変化にも色のバラツキが起きないアルゴリズムを開発した。もはや4Kテレビにとって、広色域は当たり前のものになりつつあり、如何にその広色域なパネルに適した信号に変換・補正できるかが高画質化のキーなのである。

もう1つの画質の進化が「暗部階調制御技術」だ。AX800のバックライトは左右エッジ方式だが、ローカルディミングを行うことでエリアごとの明暗をコントロールしてくれる。加えて、映像信号における明暗のレベルを解析して輝度を制御。一見してエッジ方式とは思えない最暗部の表現と滑らかなグラデーションを描く暗部描写の再現には、正直驚いた。




米国仕込みのチューニング。新しくなったシネマモード

AX800に搭載された「シネマ」モードについても注目したい。今回、ビエラの技術陣は米国ハリウッドにある「パナソニックハリウッド研究所」(PHL)に本機を持ち込み、映画製作のエンジニアが実際に使用しているレファレンスのプロジェクターをターゲットに繊細な創り込みを行った。映画向けのモードは「シネマ」と「シネマプロ」が用意されており、「シネマ」は映画館での視聴時と同じ輝度に合わせて調整を行ったレファレンス仕様で、長時間視聴しても疲れない上、映画館で見た風合いを醸し出す。「シネマプロ」は、より映像のダイナミックレンジを拡げた画作りとしている。

いずれの設定も、ガンマはプロの現場に合わせて2.4を採用。色域設定も出荷時設定ではDCIへの拡大はせずにBT.709をデフォルトとし、ユーザーの設定により「カラーリマスター」による色域拡大も可能としている。なお、本機は米THX社による「THX 4Kディスプレイ規格」の認定も獲得。2種類の「THX」モードを備え、映画向けのモードを合わせた計4種のプロ認定モードが楽しめるのだ。


ビエラの頂点に相応しい豊潤で華のある美しい画

AX800の画質がいかに圧倒的か、筆者がレファレンスとしているBDコンテンツを視聴すると、一目で理解できる。

まずは、BD『007 スカイフォール』を「シネマ」モードで視聴する。ダニエル・クレイグの肌の質感や霧がかった背景のキメ細かな描写は情報量が豊富で、奥に見える山々の距離感が掴めるようで実に立体的だ。BD『ゼロ・グラビティ』の宇宙空間の再現性についても、AX800の持つ階調再現力が活きてくる。主演のサンドラ・ブロックが宇宙空間に投げ出された際の絶望的な闇の世界とその周辺に輝く星の瞬きや、彼女の表情や質感は、暗部を描くエネルギーに満ちたAX800だからこそ再現できる映像世界がそこにある。

なお、視聴にあたっては「シネマ」とより明るい「シネマプロ」の両方で視聴したが、宇宙空間とスペースシャトルや宇宙服とがコントラストを織り成す本作は「シネマプロ」のレンジの広さが効果的に働く。

ドキュメンタリー映画のBD『SAMSARA』は65mmフィルム撮影の8Kスキャニング作品だが、その情報量を余すことなく再現するAX800の描写には息を飲む。中でも砂曼荼羅を完成させてゆくシークエンスで「カラーリマスター」を行うと、紋様の色に一層深みが生まれ、観る者を魅了する。BD『かぐや姫の物語 プロローグ - 序章 - 』のディスクは、12bitの色階調を持つMGVCで収録されている。赤と緑の鮮やかさ、そして墨のようなタッチで描かれる微妙な黒の描写は、思わずハッとするほどに美しい。

ビエラの歴代最上位モデルはプラズマ方式がその座を占めていたが、AX800のもたらした映像美は、液晶パネルを採用しながらも、プラズマらしさを彷彿とさせる、豊潤で華のある美しさを描き出す。その映像は、長年ビエラを検証してきた筆者から見ても、1つの答えであると断言できよう。


好みのコンテンツを表示。「マイチャンネル」を搭載

ビエラが目指すテレビは、画質だけに止まらない。それは簡単と快適さを与える「操作性」に現れている。

AX800で初めて搭載された「マイチャンネル」は、視聴中のユーザーに合わせ、放送中のテレビ番組や録画番組、YouTubeやアクトビラなどのネット動画を同一画面内に表示する新インターフェースだ。これまでは放送中の番組や録画番組、ネット動画など、それぞれのコンテンツを再生するには、アクセスのルートもデザインも別々だった。

この「マイチャンネル」は、テレビ上面に搭載されたカメラや声紋認証からユーザーを判別し、好みのコンテンツをサムネイルと共にタイル上に表示してくれる。家族皆をユーザー登録すれば、家族それぞれのマイチャンネルを設定できるし、ユーザーそれぞれの嗜好を学習してくれるので、使い込むほどに自分仕様の“タイル"が出来上がるわけだ。YouTubeなどのネット動画を放送番組や録画番組と分け隔て無く組み込む仕様は、動画視聴のスタイルが変化しつつある現状を敏感に捉えたインテリジェントな機能だと思う。


そして「音声操作」の採用もテレビにおける新しい操作を実現している。付属のマイク内蔵リモコンで“サッカー"と声にするだけで、関連するコンテンツを検索してくれる。リモコンボタンを使ったキーワード検索の手間が省けることはもちろん、そもそもにして検索画面を呼び出すまでの操作を忘れてしまった場合でも、声だけで操作できることのシンプルさは、実用性に長けている。

キレイを実現する「高画質」とカンタンで優れた「操作性」。AX800シリーズは、現在の4Kテレビに求められる要素を高次元で融合させた。近未来の4Kテレビが如何に在るべきか。AX800はそんな問いに対する1つの答えを示したモデルなのである。


【製品情報】
TH-65AX800  ¥OPEN
●画素数:3840×2160 ●チューナー:地上・BS・CS110度デジタル×3 ●光源:エッジ型LED ●スピーカー:スコーカー×2、ウーファー×1 ●音声実用最大出力:18W ●主な端子:HDMI入力×4(3840×2160 24/30/60p、4096×2160 24/30/60p) 他 ●消費電力:290W ●外形寸法:1466W×887H×368Dmm ●質量:約59.0kg

【AX800F/AX800シリーズ LINEUP】

上段左から「TH-58AX800F」「TH-50AX800F」 
下段左から「TH-65AX800」「TH-58AX800」「TH-50AX800」

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