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VGP 2014 総合金賞受賞

4Kの楽しみを広げる4K VIERA登場 − パナソニック「TH-L65WT600」実力検証

2013/11/20 折原一也
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パナソニックから、満を持して4K VIERA「TH-L65WT600」が登場した。4K/60p/4:4:4映像の入力が行えるなど、4Kテレビの最先端のスペックを備えるだけでなく、ブラウザなども4K化するなど、4Kの様々な楽しみ方を広げるモデルだ。VGP2014で総合金賞を受賞した本機の実力を折原一也が検証した。

PANASONIC「TH-L65WT600」¥OPEN

世界中のプレスから注目を集めたパナソニックの4K VIERA

パナソニックの4KテレビTH-L65WT600は、「4K」という、今後の薄型テレビの最重要トレンドに真っ向から取り組んだ、重要な位置づけのモデルだ。TH-L65WT600が初めて披露されたのは、今年9月にドイツ・ベルリンで行われた「IFA2013」。会場には各社4Kテレビが揃ったが、パナソニックのブース内に置かれた「TH-L65WT600」に映し出された、Jリーグのネイティブ4K映像デモには、世界中のプレスが釘付けになっていた。本機の4K映像には、他社の4Kにはない、次世代の「4K」があると世界に認められた証だった。

ではなぜ、パナソニックのTH-L65WT600は数ある「4K」のなかでも、特別な注目を集めるモデルとなったのか。それは、欧州では特に人気の高いサッカーを4Kの高解像で撮影したというコンテンツの魅力だけではない。4K放送時代の標準フォーマットと言われる、4Kかつ秒間60コマの4K/60pで収録された4Kネイティブ映像の可能性を、いち早く目に見える形で示したからだ。

筆者もIFA 2013の会場で視聴したが、スタジアムのピッチを俯瞰で捉えたショットでは、画面中の選手の動き出しのモーションまでハッキリと観て取れ、ボールを持つ選手のクローズアップ映像では、選手が両足を巧みに使いボールをコントロールする動きの細部まで描き分ける。フルHDとは次元の異なる4Kカメラの解像力、そして動きの速いスポーツを60pというフレームレートで見る事の可能性、その2点を高い次元で実現した本機。筆者はIFA 2013のナンバーワン製品だったと考えている。

世界初の4K/60p/36ビット映像入力に対応

パナソニックがいち早く4K/60pの入力を可能にした背景には、この9月に策定されたHDMI 2.0に対応したことがある。

本機はさらに、HDMI2.0の転送帯域18Gbpsという高速転送に対応して登場した、という事に大いに意義がある。単に4K/60pというだけでなく、階調を36ビットで描き、しかもクロマ信号Y/Cb/Cr4:4:4にも対応しているのは、この冬時点で本機のみだ。DIGA「DMR-BZT9600」でMGVC対応ソフトを再生する際には、4K/24p(30p)4:4:4/36ビットの映像を本機に入力できる。もちろん、将来登場する可能性がある4Kパッケージソフトを高画質に入力する上でも、非常に重要な差別化ポイントだ。


ネイティブ4K放送の高画質化も見据えた「4K高画質化技術」

4Kの領域で高画質化、とくに動きに関する独自技術を盛り込んだ事も、TH-L65WT600を特別な4Kテレビとしている。

4K領域で映像のフレーム補間を行う「4Kフレームクリエーション」は4K/60pや4K/30pなどの映像から4K/120p映像を生成する。動く映像と背景を個別に認識してハローノイズを軽減し、120Hz駆動のパネルで滑らかな映像として出力する。バックライトのエリア駆動にも対応し、これを活用することで画面のコントラストを向上させる効果があるだけでなく、動画解像度を引き上げるバックライトスキャンも可能とし、より動きにキレのある映像表示を可能としている。もちろん高画質化回路の「4Kファインリマスターエンジン」も4Kネイティブ映像に対応。12万通りのデータベースを元にして高画質化処理を行う「リマスター超解像」の技術、質感をアップして高解像度化する「ディテール超解像」もすべてネイティブ4Kソースに対応する。


もちろん、4K画質を見据えて作られた映像回路は、フルHDでも十二分に機能する。今回、TH-L65WT600の画質を改めてじっくりと視聴したが、DIGAのBZT9600で『007/スカイフォール』を再生すると、極めて高精細で、文字通り画面の画素一つひとつに情報が漲るような、極めて精緻な映像表示が印象的だ。しばらくはフルHD映像を最高画質で視聴する4Kテレビとして、そして将来的には4K放送を見据えたテレビとして、本機は長く活躍できるはずだ。


4K VIERAの楽しみ方は映画だけにとどまらない

4K VIERAがすごいのは、4K映像を美しく表示できるだけではない。4Kという超高解像度ディスプレイを活用してネットを閲覧したり、ネット動画を見たり、PCゲームを楽しんだりなど、様々な楽しみ方が可能なのだ。

4Kブラウザや4Kネット動画、24時間番組表にも注目だ

パナソニックのTH-L65WT600を語る上では、映画やテレビ放送など、映像コンテンツ以外を4Kで見る楽しさも、改めて強調しておきたい。4Kネイティブ放送の開始は来年と、まだ時間があるということもあるが、従来の薄型テレビを越えた「4Kビエラならではの楽しみ」を、パナソニックが積極的に提案しており、その完成度が高いからだ。


本機はGUIが4K解像度で作られている。4Kテレビだから当たり前と思うかもしれないが、4KのGUIを表示するとグラフィックの処理が重くなるため、他社はそれほど積極的ではなかった。だが、4KテレビでフルHDのUIを見ると、滲んだように見えてしまい、せっかくの4Kテレビの実力が発揮できない。パナソニックは、こういった細部までしっかりとケアしているわけだ。フォントも滑らかで、その実力をあますところなく体感できる。

4Kの広大な表示領域を有効活用してくれる試みが番組表の「24時間番組表」だ。1画面に27ch×24時間を表示する情報量は圧巻。4K解像度を贅沢に使ったデザインで、地上デジタルやBSデジタル放送が一画面に収まる。24時間表示という表示領域の広さだけでなく、4K解像度を使うことで、各番組の番組情報の文字も読めてしまう。


「4Kブラウザ」「4Kネット動画」も、オマケと言うには贅沢すぎる機能だ。「4Kブラウザ」はその名の通りインターネットブラウザなのだが、4Kの解像度を持つだけに画面内の情報量がケタ違いに多い。そのメリットをすぐに体験できるのが「Googleマップ」で、文字通り高解像度の航空写真が画面全体に広がり、大画面・高精細なモニターの能力が如実に表れるのだ。


操作性についても、テレビに付属の「タッチパッド リモコン」で音声認識操作が使える。スマホで普段から音声入力で検索している方なら、すぐに使いこなすことができるだろう。


「4Kネット動画」では、パナソニックがセレクトしたネット上の4K動画を再生できる。4K動画はYouTubeなどにも公開されているが、従来のテレビの内蔵ブラウザは4K対応しないため低画質再生されていたが、このテレビでは確実に4Kで観れるのでぜひ活用したい機能と言える。


写真好きなら試してほしいSDカードの4K静止画表示

SDカードスロット経由の写真表示もぜひ試してみてもらいたい。筆者は普段からカメラを持ち歩き、プライベートでも大量に写真を撮影しているが、本機でふだん撮影した写真を表示してみたら、その静止画モニターとしての実力に驚かされた。

筆者所有のカメラは有効画素数1600万。静止画の解像度は4912×3264ドットと、4K以上の情報量を持つが、本機で表示すると、写真の細部まで生々しく映し出す。65型画面と4K解像度によって、一般的なPCモニターによる写真表示、あるいはポスター大の紙へのプリントでは到達できない、4Kテレビならではの世界が実現する。

写真の表示レスポンスが非常に高速なことも強調しておきたい。1600万画素の写真はJPEGでも5MB程度のサイズになり、一般的なテレビでは表示が完了するまで時間がかかる。だが本機はほとんど待たされる感覚がなく、ストレスなく閲覧できるのだ。特別な高速化チューニングを施したとのことで、その成果が現れている。

DisplayPortTM 1.2aを搭載、4Kモニターとしても活用できる

4Kテレビをモニターとして有効活用する試みとして、本機はDisplayPortTM 1.2a端子を備え、同端子からの4K映像にも対応している。


PCのトレンドを見渡してみると、Intelが今年6月よりPCベンダーに供給している第4世代Intel Coreプロセッサ(Haswell)が4K映像出力、そして4K解像度のビデオ再生支援機能を搭載している。つまり、今後発売される多くのPCが、4K解像度を扱えるだけの性能を備えることになるのだ。

本機にPCを接続し、4K解像度でプレイできるオンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』の画面を見ると、3DCGでリアルタイムレンダリングが行われたネイティブ4K映像が表示された。


PCゲームは3DCGの表示画質を4K解像度も含めて自由に設定できる作品が多いため、身近なネイティブ4K映像と言えるだろう。もちろん、PCという汎用性の高い機器を接続しているだけに、自分で撮影した4Kムービーカメラ映像をPCに取り込み、DisplayPortTM 1.2aから入力するといった用途も考えられる。本機はPCの映像出力に使われるRGB映像の入力にも対応しているため、PCとの親和性も抜群だ。

4K映像の楽しさと将来性を兼ね備えたモデル

パナソニックのTH-L65WT600を実際に使ってみて、画質のポテンシャルだけでなく、機能面においても4Kテレビにしかない世界があると実感できた。

現在は2K映像の高画質な4Kアップコンバートや、ブラウザをはじめとした各種の4K機能を楽しみ、将来には4K/60pによるネイティブ4K映像を入力する発展性も備える。パナソニックのTH-L65WT600は、いまも、そしてこれからも楽しめる4Kテレビなのだ。

(折原一也)

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