【特別企画】山之内 正がクオリティをレポート

ついに登場!60型4K AQUOS「LC-60UD1」の画質・音質をチェック

山之内 正

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2013年08月09日

■LC-60UD1の画質をじっくりチェック!


4Kネイティブ映像を視聴する山之内氏。70型「LC-70UD1」と60型「LC-60UD1」の視聴を同時に行った
LC-70UD1の画質はすでに何度か確認しているが、LC-60UD1の映像をじっくり検証するのは今回が初めてである。4Kならではの臨場感やリアリティをひとまわり小さな60型の画面でどこまで引き出すことができるのか、興味は尽きない。

まずは4Kカメラで撮影した映像をパソコンから入力し、本機の基本性能を確認する。十分な明るさの自然光のなかで撮影した人物や植物のクローズアップ映像は立体感と質感に富み、手で触れることができそうな現実感が伝わってきた。色彩は濃密だが、こってりとしたアクの強い描写とは対極の素直な質感をたたえており、柔らかさや温度感をありのままに伝えてくる良さがある。

4Kネイティブ映像の特徴は、ひと目見たときの解像感の高さや細部の粒立ちよりも、微妙な階調の差で描き出したなめらかな立体感や柔らかい質感に現れるものだが、本機の4K映像からはまさにそうしたタッチの繊細さが感じられる。第一印象の強さよりも、感性に深く訴える浸透力の強さを実感することができた。

引き続きブルーレイディスクの映画を再生し、4Kアップスケーリングの実力を含めた本機の画質をじっくり検証していこう。《サウンド・オブ・ミュージック》の前半、マリアがトラップ邸を初めて訪れる場面を見る。このシーンは実際にザルツブルク市内で撮影された映像がたくさんあり、ザルツァッハ川の手前から旧市街を望むショットなど、遠近感の描写力がものを言う場面が続く。

THX映画モードは、フィルムグレインと24コマ特有の動きをそのまま残していることもあり、映画館で見る雰囲気にかなり近い。マリアのクローズアップなど、フォーカスが合っている部分の精緻なテクスチャーと、柔らかいボケ味が美しい背景の描写。その両者の対比が引き出す自然な遠近感は映画の醍醐味そのもので、スクリーンに迫る奥行きの深さを実感することができた。フルHDのテレビ画面では背景が手前に引き寄せられて全体に奥行きが浅く感じられてしまうのだが、本機で見るとその違和感がない。トラップ邸の大広間の広さや天井の高さなど、いろいろな情報が映像から伝わってくる。

本機は映画視聴向けの画質モードとして、「映画」「映画THX」の2種類を用意している

24コマの映像を表示する際のコマ補間も調整が行える

映画THXモード時でも様々な画質調整を行うことが可能だ

映画モードで同じ場面を見ると、THX映画モードとのチューニングの違いが鮮明に浮かび上がってくる。THXよりも一歩踏み込んだ精細感の高さを実現しつつ、ノイズを効果的に抑えることによって、見通しの良さや透明感の高さを確保。レストア処理をさらに徹底したようなクリアな見え方が時間の経過を忘れさせてくれる。また、補間技術の完成度が従来よりも向上しているため、出荷状態の「強」の設定のままでも不自然な副作用がほとんど気にならず、カメラが動いたときに背景がなめらかに変化し、抜群の安定感を見せる。4Kテレビは画素が目立たないので視聴距離が短くなる傾向があるのだが、映画モードでは近い位置から見てもブレが目立たず、鮮明さがいっそう際立つ。作品によって使い分けるのが正解だが、《サウンド・オブ・ミュージック》のような旧作でも補間を入れると新鮮な魅力が生まれることがあり、試してみる価値はあると感じた。

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