HOME > レビュー > 稀に見る難関ソフト「エイリアン・アンソロジー」にWoooが挑む

話題のソフトをWoooで見る

稀に見る難関ソフト「エイリアン・アンソロジー」にWoooが挑む

公開日 2010/12/08 15:26 大橋伸太郎
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

■一昔前なら盛大に出ていたはずのノイズを制圧

この時期のリドリー・スコットの映像の大きな特徴にスモーク(ドライアイス)の霧を多用することが挙げられる。実はプラズマテレビが最も苦手とするのがこれである。

PDPはRGBのセルがそれぞれ所定の階調の範囲で自発光し加色混合で明暗と色彩を構成するが、モヤモヤ動く白っぽい映像が難しく、RGBのトラッキングズレという現象が置き、白の上に赤や緑の色が浮くことがある。『エイリアン』にもスモークを使ったこの種のシーンがいくつかあるのだが、P50-XP05の場合、このトラッキングズレが絶無とはいわないが、ほぼ制圧出来ている。

やはりPDPの弱点が誤差拡散ノイズで、説明すると長くなるので深入りしないが、画素発光のビット上の辻褄合わせで生まれるノイズで、主に暗部にモヤモヤザラザラした映像の汚れとして感知される。映像の暗い『エイリアン』の場合、一昔前のプラズマテレビはこれが盛大に現れただろうが、P50-XP05はほぼ完璧に抑え込んでいるのに驚かされた。

これは液晶方式でも同じだが、背景などの明るさの変化で出やすいバンディング(階調がなめらかにグラデーションせず階段状になる)もほぼ絶無である。最近、液晶方式の技術の進歩が取沙汰されることが多いが、プラズマテレビも大幅に進化しているのだ。

『エイリアン』第一作は1979年製作でCGは使われず、映画の編集もアナログである。最近の映画の場合、フィルムで撮影してもその後はデジタルプロセスで映像をイコライジングするので、もし本作が2010年の製作だったら色彩を整理して寒色中心の硬質なビジュアルにしただろうが、本作はオーソドックスなフィルムトーンでダークな映像の中に背景美術、小道具や俳優の肌まで、色彩が濃密に自然に存在している。

P50-XP05はそうした暗部の中の色彩をプラズマ方式らしい艶のある濃密な色味で存在感豊かに生き生きと描き出す。暗部に不要な色付きがないのが色彩の純度を引き立てている。黒は力強いが色彩の全てが管弦楽を奏でるように拮抗している。色彩の存在感とナチュラルな質感。これもまた、液晶方式が到達出来ていないバランスである。

次ページシガニー・ウィーバーのばら色の肌

前へ 1 2 3 4 5 6 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE