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同社開発陣と野村ケンジ氏のトークセッションも実施

【ポタ研】デノン、USB-DAC内蔵ポタアン「DA-10」発表会を開催 - 設計担当が開発秘話を語る

2014/07/19 ファイル・ウェブ編集部 小澤貴信
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■野村氏はDA-10試作モデルをどう聴いたのか?

トークセッションでは、野村氏は開発途中の試作機の感想と前置きした上で、DA-10の音質のファーストインプレッションを語ってくれた。「一聴して、これまでデノンの雰囲気とちょっと違うと感じました。音が細かく抑揚があって、パワーだけで聴かせるタイプではありません。だからこそ、フロアノイズによって細部表現が埋もれてしまうと感じることがあったので、『オペアンプを変更した方がいいのでは』ともお話しました」と野村氏。

DA-10の音質についてコメントする野村氏

ちなみに、野村氏が指摘したオペアンプは、その後に別のタイプのものに交換された。今回会場で試聴することができたのは、オペアンプが交換された新バージョンとのことだ。記者も野村氏が試聴したものと同じ段階の試作機を聴く機会があったのだが、今回会場に出展された最新の試作モデルは、その際よりもクリアネス、そして微弱な音の立ち上がりのニュアンス再現がさらに向上したと感じた。

Astell&KernのAKシリーズと組み合わせてのデモも行っていた

さらに野村氏は「5.6MHz DSDのチェロ演奏では、広がり感が素晴らしく、非常にストレートなサウンドに感じました。また、アニソンでは、バンド演奏をライブハウスで訊いているような臨場感が得られました。これまでのデノンのサウンドにはパワフルで抜けがいいというイメージがありましたが、DA-10はそこからさらに『原音再生・原音忠実』というデノン本来のコンセプトに近づいているのではと思います」とコメント。また、「気になる点をいくつか開発陣に伝えたが、それも10月の発売までにはクリアされるでしょう」と付け加えていた。

■10月の発売までさらに音質の追い込みは続く

発表会の最後では、出口氏、平山氏が「DA-10」に込めた想いを総括として語ってくれた。

「あと発売までの2ヶ月、最終的な追い込みを徹底的に行いますので、そこにはご期待下さい。デノンのHi-Fiだと感じてもらえる製品になるはずです」(出口氏)。

「今までのデノンの傾向とちがうのではと野村さんからコメントがありましたが、ヘッドホンユーザーが使う製品だからこそ、AL32による空間再現を意識して音作りを行っています。開発までにその点もさらにブラッシュアップされていくはずでしょう」(平山氏)。

10月の発売まで、DA-10の音質はさらに追い込まれていくという

旗艦機「DCD-SX1」においても、発表時の試作モデルから製品版の登場までの徹底的な追い込みが行われたことを考えると、DA-10もさらなる音質アップが期待できるはずだ。ファイル・ウェブでも音質最終版のDA-10が完成し次第、詳細な音質レポートを行う予定だ。

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