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DirettaのMac対応も準備中

ラックスマン、ラズパイ搭載オーディオ「AUDIO OSECHI BOX」をLUXKITブランドで展開。Direttaに対応

編集部:小澤貴信
2019年04月27日
ラックスマンは、本日27日より開幕した「春のヘッドフォン祭り 2019」にて、Raspberry Pi搭載オーディオ「AUDIO OSECHI BOX」(関連ニュース)の最新技術発表会を開催。LUXKITブランドを復活させ、AUDIO OSECHI BOXをLUXKITとして展開することを明らかにした。

“AUDIO OSECHI BOX”「MAIN」(上)と「DISC」(下)

AUDIO OSECHI BOXが、LAN-DAC機能を実現する通信プロトコル「Diretta」に対応することも発表された。また、Direttaの送り出し先としてMacを用いたデモも世界初公開された。

1bc規格=AUDIO OSECHI BOXがDirettaに対応することが発表された。(「r」はRoonを示唆しているとのこと)

本発表会は、Raspberry Pi(ラズベリーパイ、通称ラズパイ)などのワンボードコンピュータによる新しいオーディオプラットフォームの規格策定を目指す「ワンボードオーディオコンソーシアム」(1bc)の最新技術発表と合わせて開催された。

ラックスマンは1bcのボードメンバーであり、1bcによる「ワンボードコンピュータのオーディオプラットフォーム規格」(以降、1bc規格と記す)策定に中心メンバーとして関わっている。そして1bc規格に対応したオーディオ製品「AUDIO OSECHI BOX」の開発を進めてきた。2018年3月にはその試作機を披露する説明会を開催(関連ニュース)。以降、イベント等でその進捗を発表してきた。今回、その最新状況が明かにされた。

イベントの冒頭では、1bcの発起人であるオーディオ評論家の海上忍氏が、1bc規格策定の最新状況を説明。1bc規格がLAN-DACを実現する通信プロトコル「Diretta」に正式対応することが発表された。

Direttaのデモ。後述のようにパソコンとMAINをLANケーブルで直結

Direttaをごく簡単に説明すると、パソコン等のプレーヤーで再生された音楽信号を、LANネットワーク経由で伝送するための通信プロトコルである。何よりオーディオ再生品質を重視した通信プロトコルとして開発されたことが特徴。Diretta対応のオーディオ機器は、パソコンなど(トランスポート)で再生された音楽信号をネットワーク経由で受け取り、DACとしてD/A変換を行う。いわば、パソコンとUSB-DACにおけるUSBの役割が、LANに置き換えられたというべきもの。よって対応製品をLAN-DACと呼んでいる。

これまでは、スフォルツァートのネットワークプレーヤーが、このDirettaによるLAN-DAC機能に対応していた(逆木一氏によるレビュー)。

Direttaはメガテク・エレクトロニクス社が開発した通信プロトコル。海上氏はその高音質を担保する特徴として「処理を平均化して消費電力の変動を減らすことで、電気的に取り除けないノイズを低減する」「USBの非同期転送のようなバッファー/フローコントロールを行わない」「イーサネットを利用するため完全な絶縁接続を利用できる」ことなどを挙げた。

また、利便性という面では、DirettaはIPv6を仕様するため、ルーターのない環境でもアドレスが変わらず扱いやすいという利点がある。具体的には、PCとLAN-DACを、ルーターを介さずにLANケーブルで直結して伝送することができる。

これまでDirettaは、Windows環境のみに対応していたが、Macへの対応も準備しているとのこと。発表会では世界初披露という、MacをトランスポートとしたDiretta伝送も披露された。

MacによるDiretta伝送も初公開

MacからDirettaで伝送を行うためのコマンド

また、1bc規格をRoonと互換性を持たせることもアナウンスされた(ただし、正式な対応ではないとのこと)。

そのほか、1bc規格が赤外線リモコンをサポートすることも発表された。

発表会では、AUDIO OSECHI BOXを用いてDirettaによる再生デモも行われた。WindowsパソコンとAUDIO OSECHI BOX「Main」(Raspberry Pi搭載ネットワークプレーヤー/DAC)をLANケーブルで直結。Windows版Audirvanaで再生した音源をDiretta伝送して、LAN-DACとして機能する「Main」から再生した。

Macについては、「コマンドと再生機能を合わせ込んだようなもの」という試作プログラムによる再生でデモを行った。

AUDIO OSECHI BOXの詳細についてはラックスマンの小嶋氏が説明。前述のようにLUXKITブランドとして展開されることを発表した。LUXKITは1970年代から80年代にかけて同社が展開したキット/自作ブランド。今回のAUDIO OSECHI BOXは、キットとしての側面が強く、ユーザー側にも設定等でかなり高度なリテラシーが求められることになる。

そのため同社はキットとして展開するという手法を選択。LUXKITブランドを復活させて、現代オーディオならではのキット/自作製品として展開していく予定だという。

現時点での予定ラインナップも発表された。ラインナップは以下の通り(順番は開発順)

「JU-001 MAIN」(Raspberry Pi搭載ネットワークプレーヤー/LAN-DAC)
「JU-005 POWER SUPPLY」(専用電源)
「JU-003 AMP」(アンプ)
「JU-004 DISC」(CDプレーヤー)
「JU-000 EMPTY CASE」(ケースのみ)
「JU-002 STRAGE」(USBストレージ)
「JU-006 DISPLAY」(表示ディスプレイ)
「JU-007 CHANNEL DIVIDER」(チャンネルデバイダー)

なお、発売時期については現時点で未定。価格は以前の発表会で1コンポーネントあたり「5〜10万円の範囲を想定」としていたが、「現時点での構成であれば、その範囲の下のほうでいけそう」(小嶋氏)とのことだった。またマーケティングリサーチの目的で、クラウドファンディングという販売手段も検討しているとした。

なお、1bcはオープンなプラットフォームであり、現時点では1bcが全てを管理しているが、正式リリース後はオープン故に様々なフォーク(分岐)が想定される。それも踏まえて、1bc規格の正式リリースと、AUDIO OSECHI BOXの発売のタイミングは合わせる予定だという。


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