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Advanced AL32を搭載

ヨドバシ横浜の売り場担当者に聞く、デノンのポタアン「DA-10」が人気の理由

ファイル・ウェブ編集部 小澤貴信
2014年10月23日
10月初旬に発売となったデノンのポータブルUSB-DAC/ヘッドホンアンプ「DA-10」(ファイル・ウェブ「DA-10」特設ページ)。ヨドバシカメラ マルチメディア横浜は、10月11日にDA-10の発売記念イベントを開催した。

ヨドバシカメラ マルチメディア横浜の店頭に展示されたデノン「DA-10」

イベント当日、ヨドバシカメラ マルチメディア横浜のヘッドホン売り場にはDA-10の特設ブースが設けられ、試聴可能な環境が常時用意された。編集部が会場となった売り場に向かうと、視聴ブースでは来店者が途切れることなく足を止め、手持ちのヘッドホンや用意されたデノンの旗艦ヘッドホン「AH-D7100」を組み合わせて、DA-10の音質を熱心に確認していた。

ヨドバシカメラ横浜の大谷さんに聞く“DA-10が支持を集める理由”

今回は(株)ヨドバシカメラのマイホーム商品・AVチームの大谷優太さんに、今回のイベントや発売前後におけるDA-10へのお客様からの反応、またそのサウンドがどう評価されているのかお話を伺った。ちなみに今回、大谷さんを取材したのは「ヨドバシ横浜にポータブルオーディオに非常に詳しい方がいる」という情報を聞きつけたから。入社する以前からポータブルオーディオファンで、10年ほど前の学生時代から海外からポタアンを購入し楽しんでいたという。

ヨドバシカメラ マルチメディア横浜 マイホーム商品・AVチーム ソリューションプロフェッショナル 大谷優太さん

DA-10は発表から発売まで、2ヶ月半近い期間があった。その間に音質や仕様のさらなる追い込みが行われたわけだが、発表後、そしてDA-10が店頭に並んだ際の来訪者の反応はどうだったのだろう。

「以前からDA-10に興味を持っているとお話されていたお客様には発売日を事前にご案内したのですが、当日には多くの方にご来店いただき、ご試聴してすぐに購入された方もいらっしゃいました。ある方は“どうでしょうか?”とこちらが伺う前に“これがいいです”と購入を即決されていましたね」と大谷さん。DA-10発売後のポータブルオーディオファンのリアクションは、かなり大きなものだったようだ。

バランスドアーマチュア型イヤホンとの相性は格別

実際にDA-10のサウンドを気に入って購入を決めた方は、どのようなポイントを評価したのだろうか。大谷さんは「イヤホンを組み合わされる方においては、バランスドアーマチュア(BA)型のユーザーが、よりDA-10の音を気に入る傾向にあります」と分析する。

「まず前提として、ポータブルヘッドホンアンプをお求めになるお客様は、ヘッドホンユーザーより、イヤホンを使っている方の場合が多いです。DA-10については、シュアのSE846やSE535、WESTONEのW60を使われている方々に高評価を得ているという印象です」。

10月11日のイベント時には、ヘッドホン売り場に特設ブースが設置された

大谷さん自身も、DA-10の音質傾向はBA型のイヤホンとの相性が特に良いと感じたという。「私個人の音質的な印象を申しますと、ダイナミック型であるゼンハイザーIE800と、BA型であるシュアSE846を組み合わせてみたのですが、SE846のほうが相性が良いと感じました。ダイナミック型イヤホンとの組み合わせでも素晴らしいサウンドが聴けるのですが、どちらかというと、DA-10の良い意味で柔らかい音質がより強調されるイメージです。それはそれで良いのですが、そもそも高い解像感を持っているイヤホンに対しては、この柔らかさがさらに上手く働くと感じます」。

大谷さんはDA-10に搭載されたデノンのアナログ波形再現技術「Advanced AL32」についても言及。「DA-10の聴き疲れのしない自然なサウンドは、このAdvanced AL32に寄るところが大きいと思います。デノンのハイエンドオーディオにも搭載される技術をポータブル機器で実現したことにも注目して欲しいです」とコメントしていた。

モニター系ヘッドホンのユーザーにも人気。駆動力にも注目

ヘッドホンをメインに使っているユーザーについては、DA-10のサウンドをどのように感じたのだろうか。大谷さんにれば、モニター系ヘッドホンとDA-10とのマッチングの良さは特筆できるとのこと。

「シュアのSRH1540やソニーのMDR-CD900STのようなモニター系のヘッドホンを使われている方がDA-10のサウンドを気に入っていますね。もともとフラットな傾向のモニターヘッドホンをDA-10がどう味付けしてくれるか、というところが聴きどころになるでしょう。先ほどの高解像度イヤホンとAdvanced AL32が効いたサウンドの相性の良さというお話をしましたが、この点はヘッドホンでも共通しています」。

デノンのフラグシップヘッドホン「AH-D7100」と「DA-10」

大谷さんはDA-10の駆動力について「ゼンハイザーのHD800やベイヤーダイナミックのT1のようなハイインピーダンス・ヘッドホンも十分に鳴らせるだけのドライブ力を持っています」と太鼓判を押す。「こうしたハイインピーダンスモデルを使われている方は、やはり据え置き型ヘッドホンアンプを使われることが多いですが、ぜひDA-10と組み合わせてその駆動力を確認してもらいたいですね」。

充電中のリスニングも可能など使い勝手にもこだわっている

DA-10がユーザーに高い評価を得ている背景には、その価格設定もあるようだ。「192kHz/24bitや5.6MHz DSDに対応し、iOSデバイスからのデジタル入力にも対応したポータブルヘッドホンアンプとして、DA-10の価格(実売想定価格4.5万円)は非常にお得感があります。これだけの機能を備えてこの価格というのは、他のメーカーではなかなか難しいでしょう」と大谷さんは説明してくれた。

また、DA-10がユーザーから支持を集める理由として、音質だけではなく、機能面でもユーザーに対して細かい配慮が為されていることがある、と大谷さんは分析してくれた。

充電しながらリスニングできる点など、使い勝手の面でもユーザーの要望に応えている

「DA-10は充電を行いながら使うことができます。他社製品では充電しながらの試聴ができないものがあり、“充電しながら使いたい”というニーズは店頭でもお客様からよく伺うものでした。こうしたニーズにしっかりと応えている点には好感が持てますよね。ちなみに、私自身もDA-10をUSB-DACとして使ってみて、充電のオン/オフで音の変化があるのか確認してみましたが、サウンドは変わりませんでした。こうした点にも配慮して精密に作られていることに感心しました」。


歴史あるHi-Fiオーディオブランドが本気で取り組んだポタアン

大谷さんのコメントの中で印象に残ったのは「お客様がオーディオ製品を購入するとき、まず気にするのは“音質”以上に“品質”なのです」という言葉だ。充電中に試聴ができるかを重視するという点も、製品としての完成度を求める「お客様視点」の考えの現れなのだろう。「バッテリーの持ちや、視聴時のノイズというのは、音質以上にお客様が気にする点です。DA-10はこうしたポイントについてもしっかりとクリアしています。デノンというブランドに対する信頼感に応える製品です」と大谷さんは語る。

デノンのHi-Fi技術が結集されたポタアン「DA-10」は、サウンドと機能性の両面でユーザーの支持を得ているようだ

DA-10は、USB-DACとしてオーディオシステムに接続して使うこともできるが、その点については据え置き専用のUSB-DACに一日の長があると大谷さん。「何よりデノンには、DA-300USBという非常に優れたUSB-DACを持っているのですから。一方で、ヘッドホンアンプとしては据え置きモデルにも負けないサウンドを持っています」。

大谷さんはインタビューの最後にこう語ってくれた。「私も学生時代からポータブルオーディオに親しんできましたが、デノンという歴史あるオーディオブランドが本気でポータブルオーディオに取り組んでDA-10という製品を世に送り出したことを嬉しく思います。例えばAdvanced AL32をポータブル機に搭載したという1点だけを見ても、その本気度が窺えます。実際にDA-10とお手持ちのヘッドホンやイヤホンを組み合わせて聴いていただければ、“ここまで音が変わるのか”という驚きを実感していただけるでしょう」。



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