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マランツ「HD-DAC1」レビュー(後編):ヘッドホンアンプとしての実力を野村ケンジが検証

野村ケンジ

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2014年11月07日
全2回にわたるマランツのUSB-DAC/ヘッドホンアンプ「HD-DAC1」集中レビュー後編では、野村ケンジ氏がヘッドホンアンプにフォーカスしたテストを実施。HD-DAC1は、各社の様々なヘッドホンをどう鳴らしたのだろう。

「HD-DAC1」¥100,800(税抜)

「HD-DAC1集中レポート」これまでのコンテンツ
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マランツのアイデンティティをまとめ上げたUSB-DAC/ヘッドホンアンプ

マランツ初の据置型ヘッドホンアンプであり、単体USB-DACである「HD-DAC1」。上質感漂うアルミ製フロントパネルのセンターに、お馴染みとなっている丸型ディスプレイをレイアウトするなど、マランツならではのアイデンティティをしっかりと盛り込みながら、その一方で、デスクトップでの活用にちょうど良い幅25cm×奥行き27cmというコンパクトサイズにまとめ上げるなど、随所に個性あるコンセプトやアイデンティティが垣間見られるのが特徴だ。

今回はHD-DAC1のヘッドホンアンプにフォーカスしてレビューを行う

たとえばライン出力は、ボリュームの有無を切り替えるのではなく、「可変」と「固定」で2つの端子をそれぞれに用意。デジタルプリアンプとしてだけでなく、単体USB-DACとしても最良のサウンドが追求されている。また、電源部にはシールドケース付コアトランスを装備。コンデンサーにもニチコンのカスタム製品を採用するなど、音質的な妥協は一切せず、それでいて扱いやすいサイズ感との両立を実現している。

背面端子部。ライン出力は固定と可変で別系統の端子を用意

一方、デジタルパートには上級ネットワークプレーヤーと同グレードのシステムを搭載。さらに、44.1kHz系/48kHz系2つのクリスタルクロックを搭載してジッターを抑制。同時に、マランツ独自技術であるデジタル・アイソレーション・システムを回路構成に合わせて8素子16回路に増強するなど、最新モデルならではのアドバンテージも盛り込まれている。なお、音質の要となるDACは、マランツの高級モデルですっかりお馴染みとなったシーラス・ロジック製「CS4398」を採用。192kHz/24bitまでのリニアPCMに加え、5.6MHzまでのDSDファイルをネイティブ再生できるなど、十分なスペックを持ち合わせている。

デジタルアイソレーションシステムは、HD-DAC1の回路構成に合わせて増強

DACはシーラス・ロジック製「CS4398」を搭載

新開発の独自ヘッドホンアンプを搭載。音質にこだわりシングルエンド出力に特化

さて、「HD-DAC1」最大のアピールポイントであるヘッドホン出力は、6.3mmステレオ端子を用意。シングルエンドと呼ばれる、ごく一般的なものが装備されている。バランス出力が注目を集めている昨今、シングルエンドのみの“新製品”ヘッドホンアンプというのはかえって珍しくもあるが、それにはちゃんとした理由がある。

HD-DAC1のヘッドホンアンプ部

実はこの製品、次世代フラッグシップアンプ用に開発が進められていたアンプ回路の構成を、ヘッドホン出力として採用しているのだ。ヘッドホンアンプは独自の「HDAM-SA2」を使用した電流帰還型の電圧増幅段と、新開発の無帰還型出力バッファーアンプによる二段構成を採用。この後段側が、自身でゲイン(増幅)を持たず、ヘッドホンのドライブのみに集中したバッファーアンプとなっているのが特徴なのである。よって、どんなヘッドホンであってもその実力を十全に発揮させ、歪み感のないピュアなサウンドを楽しむことができる。このようなゴージャスなアンプを用いるとなると、HD-DAC1の筐体サイズ的に2回路しか収まりきらない。そこで、アンプ回路を妥協してバランス出力を搭載するよりは、シングルエンド出力に特化して音質を高めるヘッドホンアンプに仕上げたのだという。

高い駆動力が必要なヘッドホンとあえて組み合わせる

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