レコードシートは薄いアルミ板に特殊な表面処理を施す

スペック、砲金製アナログ・ターンテーブルとアルミ製レコードシート

公開日 2014/10/16 18:38 ファイル・ウェブ編集部
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スペック(株)は、砲金製アナログ・ターンテーブル「GMP-70」、および同製品に使用しているアナログレコード・シートの単品販売モデル「AP-UD1」を11月1日より発売する。「GMP-70」は受注生産で価格は160万円(税抜)、「AP-UD1」の価格は24,800円(税抜)。

GMP-70

AP-UD1

「GMP-70」は、銅と錫の合金である砲金を使用。3,260kg/cm2という巨大な慣性モーメントを持つ砲金製40cm径、14kgの重量級ターンテーブルを採用し、「かつてなかったスムースで静粛な回転を実現した」という。

スラスト荷重を半減させる磁気フロート機構、またターンテーブルの重心付近にスラスト軸受を設けた固定回転軸機構を持つ新開発の高信頼性軸受を採用。また、原理的にトルク変動のない精密な機構を誇るというスイス製DCコアレス・モーターを採用している。

ターンテーブルのベースには90mm厚のフィンランド・バーチの積層板を採用。この素材の剛性と内部損失とによって、14kgのターンテーブルの不要な微小振動を減衰させ、静かな回転を実現するよう図っている。

加えて、モーターとトーンアームのベースは砲金と肉厚のアルミの切削品の2層構造を採用。剛性面と内部損失のバランスを図り、モーター振動とトーンアーム部の振動極小化を図っている。

ネジ込みタイプのインシュレーターが4個付属。本体下部に設置された8か所のネジ穴の位置を選んで取付けすることができる。

本機に同梱されるディスク・シート「AP-UD1」は、薄いアルミ板に特殊な表面処理を施したというもの。

一般的にアナログディスクシートは、振動を吸収する役割を担うためにゴムや革などの柔らかい素材使われることが多いが、同社では「オーバーダンプになりすぎて音楽が死んでしまう危険性があった」と指摘。また、一方で硬い金属やガラスを使用すると、素材特有の振動が癖のある音を作ってしまうという。

そこで同社では、レコードを製作する最初の工程であるカッティングに注目。「レコードの溝をトレースするよりも強い力を要するカッティングにおいて、固有の癖を持たないで正確に信号を記録できるのは何故なのか?ラッカー盤を構成する薄いアルミ板とラッカーとの組み合わせが音源を忠実にトレースする最適の振動バランスなのではないか?」と考え、この仮説に基づいて薄いアルミ板に特殊な表面処理を施した本品を開発したという。これにより、「レコードのカッティングの際に近い状態のベストバランスを再現した」としている。

なお、「GMP-70」は前述のように受注生産品。トーンアームベースはユーザーのトーンアームにフィットするカスタム品をオーダーメイドで製作する。製作期間は申し込みから約2ケ月。

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  • ジャンルターンテーブル/フォノモーター
  • ブランドSPEC
  • 型番GMP-70
  • 発売日2014年11月1日
  • 価格¥1,600,000(税抜)