−− 「LBシリーズ」が商品企画大賞となりました。UV2A技術の発表を発端に、次々と魅力ある商品が発表されています。
宗俊 AQUOSクアトロンは、UV2A技術をブレイクスルーし、さらにUV2Aをベースにした4原色技術を活用して理想の商品像をイメージしながら商品企画を進めました。むしろ理想を実現することが商品企画としてのミッションだと考えました。さらに、これらの技術は、これからさらに進化していきます。お客様のニーズと技術の進化を先取りできる商品企画を心掛けています。AQUOSはこれまでにも数々の賞をいただいてきましたが、今回は商品企画という観点から高い評価をいただき、非常にうれしく思います。
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液晶の弱点を克服した、UV2A技術。ピコスケール(1ピコメートル=1兆分の1メートル)の光配向技術によって、従来方式では不可能だった「深く沈み込んだ漆黒」、「輝く白」を再現。同時に高速応答も実現し、これまでの液晶パネルの課題を一気に解決。光の利用効率の向上は、環境性能にも貢献する。 |
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−− AQUOSクアトロンで、次代のテレビへと大きく足を踏み入れたわけですね。
宗俊 本来ならもっと早く商品化したかったというのが本音です。UV2Aや4原色技術は、要素技術としては確立していたものの、そこから製品化に至るまでが一苦労でした。しかし、絶好のタイミングで商品化できたと思います。シャープのものづくりの基本コンセプトは「半歩先」です。お客様に提案するためのシーズと技術を常に視野に収めながら、お客様の要望に対してタイミングよくお応えしていくことが大切です。1歩先を行ってしまうと早すぎて受け入れていただけませんし、遅すぎれば他社に先を越されてしまいます。
今回賞を頂いたAQUOSクアトロン3D LB3シリーズでは、4原色技術をはじめとする高画質技術で3D画質をいかに作り込んでいくかに注力しました。パネルの応答スピードを高め、クロストークも大幅に低減させるなど、何度も視聴を繰り返し、あるべき3D画質を追求し、大画面で3Dを楽しんでいただける最適な商品に仕上がりました。お客様にも「テレビはこれからこうなっていくのか」と共感いただけると確信しています。
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従来の3原色(赤・緑・青)に、黄色のサブピクセルを新たに加えて表示する4原色技術。
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さらに、3D対応のBDを内蔵し、しかもBDXLにも対応するなど最先端の技術や機能を満載し、最高峰の商品に仕上げました。技術的には大変な苦労がありましたが、厳格な「THX3D認定ディスプレイ規格」も取得でき、ハイレベルな画質が再現できることを証明することができました。
−− 商品企画のむずかしさはどのような点にありますか。
宗俊 タイミングが重要ですね。AQUOSクアトロンに関しては、私は試作機もない段階からかかわってきました。まず、製品化に向けて要素技術をどう方向付けするか、また、黄色を加えた4原色技術で何をどう表現していくのかについて、議論を重ねました。一方では省エネというテーマも同時に実現していく必要があります。垂直統合はシャープの強みですから、技術陣とは何度もキャッチボールします。商品企画としては、マーケットインで見えてくることとシャープの持つ高度な技術の両面から柔軟に発想していくことが求められました。つまり、オンリーワン技術を商品にどう活かしていくかがポイントです。 |