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全社を挙げて取り組んだ“リンク”
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| 薄型テレビビエラを中心に、北京オリンピック商戦に向け万全の体勢で挑むパナソニック。レコーダーやシアターラック、さらにSDカードを通じてデジカメやビデオカメラともつながる“ビエラにリンク!”の世界を構築、すべてのお客様の使い勝手向上を目指し、全社挙げての取り組みでこれを実現した同社に特別金賞が授与された。パナソニックマーケティングの西口本部長に、その感想を伺う。 インタビュアー:音元出版社長 和田光征 |
| ■ビエラを核としたハイビジョン商品戦略 ――まずは受賞のご感想をお聞かせください。 西口 それぞれの賞につきまして大変ありがたく、本当によかったという思いです。PZ800は北京オリンピックを意識し、スポーツを見るのに最適な画づくりを意図した「パワーアスリート画質」のフルハイビジョンモデルで、デザインも従来なかったブラックボックスを使ったものにしたいという一枚ガラスを採用したものです。液晶テレビのLZ85はIPSαパネルの高精細な画質をご評価いただけたかと思っております。 レコーダーのディーガでは4倍記録やDVDへのハイビジョン記録が大変評価されておりますし、ルミックスでは「おまかせキレイ」やFX500の「タッチ動体追尾」といった新しい提案を盛り込みました。さらにSDムービーは、SDカードでのハイビジョン記録がこれからの主流と考え取り組んできたものです。 ――PZ800は、画質面での格段の進化が評価されました。 西口 我々は常に改善を続け、その都度満足してはいけないという思いで商品づくりに取り組んでおります。中期的に先を見つつネオPDPの技術を開発しながら、直近の商品にその要素を反映させてきましたが、 “ビエラ”が進んでいる方向が、お客様にも今回の新製品を通じて確認していただけると思っております。 ――今回のビエラは液晶テレビも含めて多岐に渡るサイズ、すべてSDカードを意識した展開ですね。 西口 PZ、LZのシリーズでフルHDのラインナップを大幅に拡大しました。プラズマでは46インチも導入して全体的に大型にシフトしていますし、液晶では従来の37に加え売れ筋サイズにもフルHD化の流れを意識し32インチを導入しました。また20、17インチといった低インチゾーンの2台目、3台目需要も拡大しており、オリンピック需要も相まってこれからますます期待できます。 ラインナップの中にプラズマも液晶もありますが、お客様はビエラというトータル性を重視されるということもあり、液晶、プラズマの両方を手掛けるメーカーとして、インチサイズ別という意味でシームレスなラインナップ展開が実現できたと思っています。 ――次世代DVDはいよいよBDに絞られ、お客様が安心して購入できる下地が整いました。 西口 BDレコーダーは年末以降3月初旬まで供給がかなりタイトでしたが、それ以降は生産体制を増強し、4月にはおかげさまでBDのカテゴリーでもシェアトップとなりました。業界全体を引っ張る形でBDへのシフトを加速させていくとともに、二台目レコーダー需要としてDVDレコーダーもしっかりとやっていきたいと考えています。 ――今回の審査では、ルミックスのFX35がコンパクトカメラ部門で圧倒的な1位を獲得しました。テレビで再現できる色数はますます増えていますが、まだ放送やパッケージのコンテンツはそこに追いついていません。御社はカメラで写した画像をテレビで再生する「テレ写」という考え方をブラウン管の時代から提案されており、いよいよ大画面の高画質テレビで写真を楽しめる時代が到来したということですね。 西口 「テレ写」は地道にやらせていただいておりましたが、ようやく定着したという思いです。機器の技術の進化が後押ししてくれました。またAVメーカーとして写真も「テレ写」で楽しんでいただくということを意識した商品づくりをしてきましたが、こうしたコンセプトを含めて評価していただけたことを本当にありがたいと思っております。 |
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プラズマテレビ VIERA PZ800シリーズ |
液晶テレビ VIERA LZ85シリーズ TH-32LZ85 TH-37LZ85 |
| ■揺るぎないコンセプトでネットワークを構築 ――SDカードも、デジタル家電の中でますます大きな存在となってきました。 西口 SDカードは、当社社長の大坪が業界のコンソーシアムで皆様のサポートをさせていただきましたが、パソコンの範囲内だけで用いるのではなく、AVのさまざまな商品に対するブリッジメディアとして提案することができ、早いうちに業界のデファクトスタンダードにすることができました。 2001年より、当社では「3Dバリューチェーン」と言って、SD、DVD、Digitalテレビでネットワークを構築していこうという取り組みを行ってきましたが、SDは中でも大きな核になるメディアです。当社のテレビはすべてSDカードスロットが搭載されていますが、これをフィーチャーと捉え、ここにコストがかかるからといって搭載するしないを議論するのではないのです。SDでネットワークを構築するということは揺るぎないコンセプトとして、それをテレビの全機種について一貫させるということです。これをグループ一体となって行ってきた成果が示されたと思います。 ――御社はネットワークにおいてテレビをただの受像器ではなく、さまざまな場面で使えるものとして家庭の中心に位置付けておられますが、それがSDカードによるリンク、HDMIによるリンクの重層的な形での“ビエラにリンク!"に進化しました。今後のハイビジョンを中心としたネットワーク化の取り組みについてはいかがでしょうか。 西口 AVがメインのメーカーとして、従来からあるPCセントリックなネットワーク化から、TVセントリックなネットワークを目指しました。それを実現するための手段として、SDというブリッジメディアを使ったものが先にありましたが、その後のHDMIのようなコンソーシアムベースで拡げてきたことが非常に大きいと思います。商品のつながり感も多岐にわたり、IPでドアホンやセキュリティカメラとつながるということも実現できました。 今後はビエラケータイや、カーナビゲーションのストラーダ、その先の白物家電も見据えた連携を強化していきたいと考えています。この秋に社名とブランドをパナソニックに統一し、ビエラを核としたパナソニックとしてのリンク、ネットワークの拡がりをさらに拡大しやすい環境ができてきますから、そこをさらに引っ張っていきたいと思います。 ――御社のネットワークに対する考え方は、デジタルディバイトを解消する、全てのお客様がクオリティや使い勝手のよさにおいて恩恵を受けられる形をつくるということが核になっています。 西口 つなげる、リンクさせるというのは議論の余地のないコンセプトだとして全社で取り組んできたからこそできたのだと思います。ソフト開発ひとつとってもそれぞれつながる商品ですべて検証しなくてはなりませんから、事業部ごとにそれぞれのセクショナリズムが出てしまうと成立しないのです。どうして他とのつながりまで検証しないとならないのだ、と言い出したら始まらない。これはコンセプトであり、トータルでお客様の使い勝手をよくしていくのだということ、その思いが徐々にDNA化されてきたかと思います。 ――いよいよオリンピック商戦が始まりました。 西口 オリンピックは4年に一度の大イベントであり、おそらく世界中でも日本が最も盛り上がる市場だと思います。我々はオフィシャル・スポンサーという立場で十二分にそれを活用し、年初からプロモーションをして参りました。店頭でのオリンピックムードも高まってきましたし、POPなどもオリンピックを全面に出した形で展開しております。商品群もオリンピックを楽しむ「観る」「録る」「聴く」ということにふさわしい内容になっており、ここに“ビエラにリンク"を大きく訴求しています。あとは商品を十分に供給させていただけますよう、万全の体勢でやって参りたいと思います。 この商戦で、テレビ、レコーダー、ラックシアターは台数ベースで前年比2ケタ増を狙って参ります。テレビは大型化、レコーダーはBD化ということで単価アップの要素が大きく、金額ベースでも大いに期待しております。 |
| 西口史郎氏 プロフィール |
| Shiro Nishiguchi。1957年1月6日生まれ。三重県出身。1980年4月一橋大学商学部卒。昭和55年松下電器産業(株)入社。その後アメリカ松下出向、テレビ事業部国際部部長、テレビ事業部商品企画部部長、LCDテレビビジネスユニット長を経て、今年4月より、パナソニックマーケティング本部本部長に就任。趣味はハイキング。 |
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