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河野 弘

本物志向のニーズを確実に汲み取った
持つ喜びをくすぐる商品提案に手応え
ソニーマーケティング株式会社
代表取締役社長
河野 弘
Hiroshi Kawano

ブラビア、α、さらにはヘッドホンなど、付加価値提案をさらに加速するソニー。ワクワクする商品にお客様の購買意欲もくすぐられ、市場活性化へ向けた大きな存在感を見せつける。AI×ロボティクスによる新ジャンルの創造にも目を光らせる。今年一年の手応えをソニーマーケティング・河野弘社長に聞く。
インタビュアー/永井光晴 音元出版常務取締役 写真/君嶋寛慶

付加価値提案を
加速するブラビア

KJ-77A1が特別大賞を受賞しました。テレビの新たな付加価値提案をブラビアが力強く牽引しています。

河野800万台とも言われたテレビ市場の低迷が続いています。台数ベースから見れば、今後、あまり大きな期待はかけられないのではないでしょうか。その時に、価値訴求がきちんとできなければ、テレビのビジネスが魅力的なものではなくなってしまいます。お客様目線から「テレビがあると毎日がもっと面白くなる」「うちにこんなテレビがあることを思わず人に見せたくなる」、そんな心理をくすぐる展開を行いたい、市場を活性化する年にしたいと今年は取り組んできましたが、そこへ大きな手応えを得ることができました。

4Kに加えてアピールしてきたのが4K有機ELテレビ「A1シリーズ」です。有機ELパネルの特性を最大限に活かした映像美、映像だけが浮かび上がるようなたたずまい。そうした特長がどのような展示をすればお客様に伝わり、納得して購入いただけるのか。「壁掛け展示」と「島展示」の2つのパターンで実際に比較検証を行った結果、島展示が圧倒的に有効でした。やはり、後ろにも回り込んで見られるなどデザイン訴求の点から優れているのだと思います。

画面そのものから音が出てくることも非常に受けています。ユーザーアンケートでは「実際に家で使ってみたら、音が凄く気に入りました」など、音に対して高い評価をする回答が大変目につきました。量販店での音の訴求は容易ではありませんが、積極的に取り組んでいます。

テレビはもはや単なる受像機ではなく、いろいろな価値を伝える工夫が大切になります。

河野ブラビア・ユーザーの視聴スタイルにも変化が見受けられ、ネット動画を視聴する人が急増しています。日本には録画文化がありますが、受動型ではなく、選んで見に行く能動型です。4Kブラビア購入者にNetflixのプレミアムプランを6ヵ月プレゼントするキャンペーンを1月31日まで開催していますが、これも、Android TVを採用したブラビアがネット動画と大変高い親和性を誇る実績を背景に実現したものです。販売の現場からもお客様に対する大きな訴求効果があると期待が高まっています。

河野 弘

カメラ市場を活性化
新しい力になる「α」

デジタル一眼カメラの「α」も新しいステージに突入した感があります。

河野プロのユーザーが増えており、10月25日に発表したα7RVも予約がすこぶる好調です。報道写真やスポーツ写真、スタジオなど幅広いシーンでのプロフェッショナルの要望に応えられるカメラとして、大変大きな期待を集めています。

そこで、機能・性能の進化はもちろん、サポート体制の充実に力を入れました。全国5ヵ所のソニーストアに「αプラザ」を開設してアドバイザーが常駐。プロの現場でのメンテナンスを手掛けるなど、信頼関係は一段と深まっています。まだまだ始まったばかりですが、代替機の提供や修理もエクスプレスで対応するなどプロの仕事に穴を開けないだけでなく、新進のカメラマンの方にとっては、αプラザにはサロンが併設されているため写真展の開催もできますし、αアカデミーの講師としてもご活躍いただいています。距離がぐんと縮まってきました。

デジタルカメラ市場は大きな転換期を迎えています。

河野販売店では、ソニーのカメラを販売すると、新しいマウントビジネスがスタートし、レンズの拡販にも直結します。フルサイズからAPS-Cサイズまで、さらにプレミアムコンパクトのRXシリーズを擁し、ソニーのデジタルカメラは業界の中でも群を抜いた存在へと成長してきました。今年はその大きな転換の年として、さらに一段踏み込み、攻めに転じた、その手応えを実感しています。事業部も本気で世界一になるつもりで取り組んでおり、さらに挑戦が続きます。カメラもレンズもこれからどんどん新製品を投入していく。業界を活性化できる新しい力になるべく、さらに力を入れて参ります。

一方、オーディオではヘッドホン市場に活気がありますが、ノイズキャンセリング&完全ワイヤレスのWF-1000Xがライフスタイル大賞を受賞しました。

河野ノイズキャンセリングはグローバルで好調に推移しています。さらに、ワイヤレスがブレイクし、年末商戦もノイズキャンセリングとワイヤレスで勝負をかけます。ワイヤレス化の進展により用途がさらに広がり、ライフスタイルに寄り添った使用シーンが広がっています。モメンタムをもっと広げる提案を行っていきます。

話題を集めるAIスピーカーですが、12月9日に「LF-S50G」が発売となります。

河野ブラビアでも音声検索の便利さが浸透し、使用頻度が高まっており、AIスピーカーとテレビの連動も当然、ひとつのテーマになると考えています。もう、単品で使われる時代ではありませんから、どうオペレーションがつながっていくかがキーになりますね。

AI系の製品では、ソニーモバイルからもコミュニケーションロボット「Xperia Hello!(エクスペリアハロー)」が11月に発売されました。本質的な価値がどこにあり、さらにどのような付帯する価値を提供するのか。何れもお客様に伝えていくことがむずかしい商品ですが、全国5ヵ所のソニーストアを有効に活用して、デモによる提案を進めていきます。

aiboも話題を集めていますね。

河野大きな期待と責任をずっしりと感じています。大事なのは買っていただいた後。キーワードとなるのが「AI」と「クラウド」です。AI×ロボティクスのジャンルにはこれからどんどん商品が出てきますし、BtoBを含めた大変大きな可能性があります。この業界が伸びていないのは新しいカテゴリーが出てきていないからにほかなりません。新しいジャンルとして確立し、新たな柱に育てていきます。

「SONY」のリーダーシップに市場からの大きな期待が集まっています。

河野収益が上がってきましたが、昨年までは残念ながら、成長に伴った利益ではなく、調整型・縮小型でのものでした。しかし、今年は成長型の利益拡大が実現できています。その役割を担うのが、販売店でも一番期待している、お客様が店頭まで見に行きたくなるようなワクワクする商品です。人が動くことでいろいろなところが活性化していきます。

所有する時代から利用する時代へとシフトし、シェアリングには新しいビジネスチャンスが生まれていますが、メーカーとして欠かせないのはやはり、持つ喜びをくすぐる提案です。本物志向のニーズをどこまできちんと取り込めるか。ブランドを立てていくことがますます大切になると確信しています。

◆PROFILE◆

河野 弘 Hiroshi Kawano
1962年6月11日生まれ。1985年4月 ソニー(株)入社。03年4月 ソニー・エレクトロニクス・インク(米国)Consumer Sales Company担当SVP、05年5月 Sony Style 担当SVP、09年4月 Home Division 担当SVP、10年4月 ソニー・コンピュータエンタテインメント ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)プレジデント、12年4月 ソニーマーケティング(株)代表取締役 執行役社長(現職)、12年6月 ソニー(株)グループ役員(現職)、12年6月 (株)ソニー・コンピュータエンタテインメント取締役

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