連日猛暑が続き、各地で暑さの記録が更新される2023年の夏休み。ご家族・ご友人・パートナーとお出かけする人もいれば、エアコンが利いた部屋でまったりと過ごす人もおり、それぞれの時間を存分に満喫していることでしょう。

そんな今回は、ご自宅・ご実家・移動中の車内や機内・宿泊先など、あらゆる場所でご覧いただける“サブスクで配信”されている映画且つ、夏バテ気味の心と身体に爽快感をもたらしてくれる“スカッとする” アクション映画をご紹介します♪

◇

『ミッドナイト・ラン』（1988年・アメリカ）
(配信：U-NEXT)

■あらすじ
賞金をかけられた逃亡犯を捕らえる「バウンティ・ハンター」として生計を立てている元刑事のジャック（ロバート・デ・ニーロ）。そんな彼の元に新たに舞い込んだ依頼は、マフィアの金を横領し、慈善事業に寄付してしまった会計士マデューカス（チャールズ・グローディン）を見つけ出し、ロサンゼルスまで連れ帰るというもの。ニューヨークへ飛び、早々にマデューカスを見つけ出すジャックであったが、飛行機が苦手だというマデューカスのせいで陸路を移動することになり、やがてマフィアやFBIを巻き込んだ大逃走劇へと発展していく…。

〜名優ロバート・デ・ニーロ、40代の頃の名作〜
2023年の8月17日にいよいよ80歳を迎える俳優ロバート・デ・ニーロ。『ゴッドファーザー PART II』『タクシードライバー』『ディア・ハンター』『レイジング・ブル』『マイ・インターン』『ジョーカー』『アイリッシュマン』など、挙げたらキリがないほどの名作に多数出演しており、今なお第一線で活躍するハリウッドを代表する名優の一人。

そんな彼の徹底した役作りは「デ・ニーロ・アプローチ」という言葉を生み出すほどで、『タクシードライバー』においては実際にタクシードライバーとして働き、『レイジング・ブル』ではボクサー役を演じるために身体を鍛え抜き、引退後の肥満体型を再現すべく、そこから25キロも太るなど、あらゆる出演作品においてさまざまな逸話を残している。

『ミッドナイト・ラン』においては度肝を抜く裏話などは存在しないものの、デ・ニーロにとって自作の中でも大のお気に入りだという本作は、良い意味で軽い。あらすじだけ読むとハードなアクションものだと思うかもしれないが、正しくはコメディとロードムービーの要素を併せ持ったアクションもの。流れるBGMは終始コミカルで、見ず知らずの他人であったジャックとマデューカスの間に築かれていく絆が見ていて非常に心地良い。

もちろん、肝心のアクション描写も充実しており、走行中の車のドアを開けて相手にぶつける技など、中々お目にかかれないタイプのアクションシーンも要チェック！二人の男の逃走劇が行き着く果ては如何なるものか。スカッとする瞬間があなたを待っています。

『ウォーリアー』（2011年・アメリカ）
(配信：U-NEXT)

■あらすじ
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『ヴェノム』などで知られるトム・ハーディが、ジョエル・エドガートンと兄弟役を演じるアクションドラマ。アル中の父親から逃げ出すため、母親とともに家を出たトミー（トム・ハーディ）が14年ぶりに帰ってきた。学生時代にレスリング選手として名を馳せたトミーは、総合格闘技の大イベント「スパルタ」に出場すべく、かつて自分を鍛え上げた父にトレーナーを依頼する。

一方、トミーが出て行ったことで離ればなれとなっていた兄・ブレンダン（ジョエル・エドガートン）もかつて格闘家であったが、現在は教師として働いていた。しかし、娘の病気の医療費で家計はひっ迫。金を捻出するために地下格闘技で金を稼いでいたが、学校にバレて停職になってしまう。その矢先、高額な賞金を得られる「スパルタ」の開催を知ったブレンダンは出場を決意。奇しくも、兄弟はリングの上で再会を果たすことに…。

〜隠れた名作！格闘技を通して描く家族の絆〜
K-1、RIZIN、ブレイキングダウンなど、格闘技の類いに興味がある人。また、兄弟ものに弱いという方にこそおすすめしたいのがこの作品。兄弟それぞれの戦う理由、家族の確執とその雪解け、実際に格闘技の試合を目にしているのと遜色ない臨場感溢れる対戦シーンなど、シンプルなストーリー展開でありながらも非常に胸アツな本作は、ドラマもアクションも見応え抜群！

日本では2015年に東京のミニシアターの特集上映で上映されただけなので、本作を劇場のスクリーンで目にしているという方はかなりレア！ 作品の存在を認識していたという方は相当な映画好きなのでは…？ちなみに、アメリカの映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では、批評家の評価が84%、一般の評価が92%と高評価を叩き出しており、その人気っぷりが窺える。トミーとブレンダン、そして、彼らの父親が辿る道を見届けた時、きっとあなたの心はスカッとしているはず。

『初恋』（2019年・日本）
(配信：U-NEXT)

■あらすじ
余命いくばくもないと知らされたプロボクサーの葛城レオ（窪田正孝）は、悪徳刑事から逃げる少女モニカ（小西桜子）を助け出すが、ヤクザとチャイニーズマフィアの“ブツ"を巡る抗争に巻き込まれ追われる身に。「死んだ気になりゃ、やれるはず」と、自身に残された僅かな命を、モニカを守るために使うと決意を固めるレオであったが…。

〜三池崇史ワールド全開！バイオレンスの果てに訪れる爽快感〜
カタギVSヤクザVS中国マフィアVS警察の構図で繰り広げられていく一癖も二癖もある“ブツ”を巡る争奪戦は、大いに笑えることだろう。ただ、その笑いはコメディ作品だからというわけではない。それぞれがそれぞれの目的を果たすために本気で生きていて、各々の目的が衝突し合うことで生じていくズレが笑いを生んでいるだけのこと。

あくまでもタイトルが示す通りの作品であり、余命僅かと知らされたボクサー・レオと、借金のカタに売られた少女・モニカが歩んでいく道を目の当たりにすれば、きっと胸に響くものがあると思う。

そして、それらのドラマを彩るのが壮絶な殺し合い。『殺し屋1』『クローズZERO』『十三人の刺客』などを手がけ、容赦のないバイオレンスシーンに定評のある三池崇史監督の手腕が光るアクションシーンがふんだんに盛り込まれており、それらがドラマとかけ合わさることで、ブッ飛び級の面白さが生まれている！染谷将太演じるヤクザが主演の二人を食う存在感を発揮している点も要チェック！