公開日 2025/01/22 06:30
前世代機「Sonos Arc」と比較試聴
「サウンドバーだぞ、これは」。ピュアなサウンド、背中に回る “包まれ感” ……。「Sonos Arc Ultra」に評論家も衝撃
土方久明
テレビの音を手軽に良くする事ができると巷で人気のサウンドバーだが、アメリカのオーディオメーカーSonos(ソノス)が約4年ぶりのフラグシップモデル「Sonos Arc Ultra」を登場させた。
筆者はこの数年間、家電メーカーからガジェットメーカー、ハイエンドオーディオブランドまでかなりの数のモデルをクオリティチェックしてきたのだが、Sonos Arc Ultraは、デザイン、機能性、ステレオからサラウンド、そして空間オーディオの再現性まで、この価格帯のサウンドバーの新たなベンチマークとなりそうな素晴らしい音質で、大変感銘を受けた次第だ。その顛末をお聞かせしたい。
Sonosは、2002年に設立されたアメリカのオーディオメーカーだ。「家全体で音楽を楽しむ」というビジョンを掲げ、2005年には当時ほとんど前例がない、家庭内のWi-Fiネットワークを活用して音楽をストリーミングする「Sonos Digital Music System」を発表。現ラインナップの全ての製品がWi-Fiでのワイヤレス接続を可能としている。
Sonos Arc Ultraは同社最上位のサウンドバーであった「Sonos Arc」の後継機だ。Sonosの製品はインテリアに馴染む、という以上に部屋の風景を強化してくれるような美しいデザインが大きな魅力で、Arc Ultraも例外ではない。
試聴した個体はマットホワイト仕上げで、ブラックモデルも選択できるが、どちらも視覚的な質感が高く、物欲を刺激する。円筒形のキャビネットの前面と側面は穴あきプラスチック製のグリルで覆われ、上部奥には再生/一時停止、早送り/巻き戻し、音量調整が可能な凸凹のないタッチ式ボタンとスライダーが配置されている。この造形美も、Sonosのサウンドバーを選ぶ理由の一端となり得るだろう。
筐体寸法は約7.5H×118W×11Dcmで、全高が旧モデルのArc(8.7cm)から1.2cmほど低くなり、テレビの下部に被りにくくなった。また、質量も旧モデルより350g軽く、壁設置を考えているユーザーには嬉しいポイントとなる。
アンプ構成は最上位モデルらしくクラスD級アンプを15基搭載し、チャンネルの処理数も、旧モデルの5.0.2チャンネルに対して、9.1.4チャンネルへと進化した。イマーシブサラウンドフォーマットはDolby Atmosに対応しているが、前モデル同様、DTS:Xには未対応となっている。
目玉となるのが、革新的なトランスデューサー技術「Sound MotionTM」を採用したウーファーユニットだ。振動板を1つの磁気回路で駆動する一般的なスピーカーユニットに対し、Sound MotionTMドライバーは小型の磁気回路を4つ搭載し、それを連携して駆動する。
小型化を実現しながら、エンクロージャー内の空気を大きく動かすことに成功し、Sonosによると低音域の再生能力が2倍高まったとのこと。このドライバーユニットには、反対方向に動くデュアルコーン振動板を搭載することで、2つのユニットが振動を打ち消し合い、音のディテールを濁す機械的な振動を大きく低減したという。
その他のスピーカーユニットも新設計されており、トゥイーターが7基、ミッドレンジ/ウーファーが6基搭載されているが、特にセンターチャンネルの再生能力が大きく向上したことで、セリフの明瞭度が高まったという。さらに、左、中央、右に配置されたスピーカーユニットには「カスタムコリニアウェーブガイド」が組み合わされており、壁や天井に音を効果的に放出することで、Dolby Atmosによるイマーシブ効果が大幅に向上しているとのこと。
入出力インターフェイスについてはeARC対応のHDMI出力1系統を備え、Wi-Fi、Bluetooth 5.3、AirPlay 2でのワイヤレス接続に対応。音声コントロールについては、Sonos Voice Control(英語、フランス語に対応)、Amazon Alexaに対応する。個人的にはHDMI入力を2系統以上搭載してほしいとも思うが、要所は抑えられている。
操作関連で見逃せないポイントとして、スマホやタブレットにインストールするSonosアプリがアップデートされたことがある。元々、Sonos製品の魅力を支えていた要素の1つに、操作性の良いアプリが利用できることがあった。
しかし近年実施されたアップデートで、ライブラリとして登録された音源をすべてシャッフルする機能、ボリューム数値の表示、タイマーとアラーム、EQコントロールなどなどが省かれてしまい、長年Sonosを愛用していたユーザーから多くの批判を受ける結果となった。それに対応すべく、今回のアップデートでは、これらの機能の多くを復活させた。以前はiOSのみへの対応だったが、現在はAndroid OSにも対応したことも記したい。
Sonosの人気を高めてきた別の理由として、サウンドバーを核に、サラウンドスピーカーやサブウーファーを追加することで、本格的なシステムアップもできる。Arc Ultraの発売に合わせ、デザインを刷新したサブウーファー「Sonos Sub 4」も同時に発表されているので利用しても良いだろう。
「Sonos Arc Ultra」「Sonos Sub 4」1月24日販売開始!
対象の販売店でただいま予約受付中
筆者はこの数年間、家電メーカーからガジェットメーカー、ハイエンドオーディオブランドまでかなりの数のモデルをクオリティチェックしてきたのだが、Sonos Arc Ultraは、デザイン、機能性、ステレオからサラウンド、そして空間オーディオの再現性まで、この価格帯のサウンドバーの新たなベンチマークとなりそうな素晴らしい音質で、大変感銘を受けた次第だ。その顛末をお聞かせしたい。
■新技術で2倍の低音再生能力を獲得。Dolby Atmosの包まれ感も大幅アップ
Sonosは、2002年に設立されたアメリカのオーディオメーカーだ。「家全体で音楽を楽しむ」というビジョンを掲げ、2005年には当時ほとんど前例がない、家庭内のWi-Fiネットワークを活用して音楽をストリーミングする「Sonos Digital Music System」を発表。現ラインナップの全ての製品がWi-Fiでのワイヤレス接続を可能としている。
Sonos Arc Ultraは同社最上位のサウンドバーであった「Sonos Arc」の後継機だ。Sonosの製品はインテリアに馴染む、という以上に部屋の風景を強化してくれるような美しいデザインが大きな魅力で、Arc Ultraも例外ではない。
試聴した個体はマットホワイト仕上げで、ブラックモデルも選択できるが、どちらも視覚的な質感が高く、物欲を刺激する。円筒形のキャビネットの前面と側面は穴あきプラスチック製のグリルで覆われ、上部奥には再生/一時停止、早送り/巻き戻し、音量調整が可能な凸凹のないタッチ式ボタンとスライダーが配置されている。この造形美も、Sonosのサウンドバーを選ぶ理由の一端となり得るだろう。
筐体寸法は約7.5H×118W×11Dcmで、全高が旧モデルのArc(8.7cm)から1.2cmほど低くなり、テレビの下部に被りにくくなった。また、質量も旧モデルより350g軽く、壁設置を考えているユーザーには嬉しいポイントとなる。
アンプ構成は最上位モデルらしくクラスD級アンプを15基搭載し、チャンネルの処理数も、旧モデルの5.0.2チャンネルに対して、9.1.4チャンネルへと進化した。イマーシブサラウンドフォーマットはDolby Atmosに対応しているが、前モデル同様、DTS:Xには未対応となっている。
目玉となるのが、革新的なトランスデューサー技術「Sound MotionTM」を採用したウーファーユニットだ。振動板を1つの磁気回路で駆動する一般的なスピーカーユニットに対し、Sound MotionTMドライバーは小型の磁気回路を4つ搭載し、それを連携して駆動する。
小型化を実現しながら、エンクロージャー内の空気を大きく動かすことに成功し、Sonosによると低音域の再生能力が2倍高まったとのこと。このドライバーユニットには、反対方向に動くデュアルコーン振動板を搭載することで、2つのユニットが振動を打ち消し合い、音のディテールを濁す機械的な振動を大きく低減したという。
その他のスピーカーユニットも新設計されており、トゥイーターが7基、ミッドレンジ/ウーファーが6基搭載されているが、特にセンターチャンネルの再生能力が大きく向上したことで、セリフの明瞭度が高まったという。さらに、左、中央、右に配置されたスピーカーユニットには「カスタムコリニアウェーブガイド」が組み合わされており、壁や天井に音を効果的に放出することで、Dolby Atmosによるイマーシブ効果が大幅に向上しているとのこと。
入出力インターフェイスについてはeARC対応のHDMI出力1系統を備え、Wi-Fi、Bluetooth 5.3、AirPlay 2でのワイヤレス接続に対応。音声コントロールについては、Sonos Voice Control(英語、フランス語に対応)、Amazon Alexaに対応する。個人的にはHDMI入力を2系統以上搭載してほしいとも思うが、要所は抑えられている。
操作関連で見逃せないポイントとして、スマホやタブレットにインストールするSonosアプリがアップデートされたことがある。元々、Sonos製品の魅力を支えていた要素の1つに、操作性の良いアプリが利用できることがあった。
しかし近年実施されたアップデートで、ライブラリとして登録された音源をすべてシャッフルする機能、ボリューム数値の表示、タイマーとアラーム、EQコントロールなどなどが省かれてしまい、長年Sonosを愛用していたユーザーから多くの批判を受ける結果となった。それに対応すべく、今回のアップデートでは、これらの機能の多くを復活させた。以前はiOSのみへの対応だったが、現在はAndroid OSにも対応したことも記したい。
Sonosの人気を高めてきた別の理由として、サウンドバーを核に、サラウンドスピーカーやサブウーファーを追加することで、本格的なシステムアップもできる。Arc Ultraの発売に合わせ、デザインを刷新したサブウーファー「Sonos Sub 4」も同時に発表されているので利用しても良いだろう。
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