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PR前世代機「Sonos Arc」と比較試聴

「サウンドバーだぞ、これは」。ピュアなサウンド、背中に回る “包まれ感” ……。「Sonos Arc Ultra」に評論家も衝撃

公開日 2025/01/22 06:30 土方久明
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■前世代機を凌駕するサウンド、1本バーとは思えないほどの包まれ感に驚愕



音響的な性能もさることながら、美しいデザインもSonosの魅力。Arc Ultraは前モデルと比べて全高が1.2cmほど低くなっているため、よりテレビ画面を邪魔しなくなっている

Sonos Arc Ultraのスペックを見る限り、機能と音質ともに大きく進化しているが、実際のサウンドはどのようなものだろうか。ここからは試聴に入りたい。音楽再生、動画、空間オーディオソースを使い、Sonos Arcと比較しながらテストした。

まずはテレビとサウンドバーをHDMIケーブルで接続して、初期設定を行う。今回はiPhone用アプリで操作を行ったが、対話式のメニューにより、スムースに設定できた。

次に、Sonos独自の音場補正機能「Trueplay」を使ってみよう。スマホ/タブレットのマイクで部屋の音響特性を測定、スピーカーが設置された部屋のレイアウトや家具の配置、壁の材質などの影響を考慮し、サウンドを補正する。こちらもアプリの指示に従い、スピーカーから再生される音を拾いながら部屋を歩き回り、数分で設定が完了した。

補正後の音質については、ArcとArc Ultraの両機種とも、部屋の影響による低音域のボワッとした感じが抑えられ、セリフから環境音に至るまでのディテールが明瞭になる。同種の機能は他社製品にも搭載している場合が多いが、Trueplayの効果はかなり高い印象を持った。

独自の音響補正「Trueplay」は、スマホを動かしながら部屋中を歩き回ることで実施。ガイドに沿って簡単、かつ数分で完了する上、効果がてきめんなのでぜひ活用してほしい

準備ができたところで試聴に入ろう。まずは基本となる音質を見極めるべくステレオの音楽再生でテストする。Spotifyから、レディー・ガガ & ブルーノ・マーズのコラボ楽曲「Die With A Smile」を再生して、ArcとArc Ultraを比較した。

結果から言えば、2機種の間にはかなりの音質差がある。Arcを使っている人には、これを書くのが少々申し訳ないとも思うのだが、率直に言って、Arc Ultraは前モデルを大きく凌駕している。

まず感じたのが、「Sound MotionTM」を搭載したことによる低音域の表現力の向上だ。Arcでは若干飽和していたバスドラムやベースのキレが大きく増し、低音域の迫力と力感が大きく向上している。

驚いたのはそれだけではない。Arc Ultraは、高音域から低音域までの全帯域の音色がピュア&ストレートなモニター調サウンドなのだ。ソースの持つ音がダイレクトに表現される、ハイファイオーディオメーカーの足元を掬うようなモニターライクな音で、正直驚いた。少しオーバーな表現だと2本のステレオスピーカーで聴いているかのような、立体的でコンパクトなボーカルが眼前に現れる。「サウンドバーだぞ、これは」と、試聴時のメモに書いてあった。

この音の良さは、映像ソースでも活きる。Amazonの「Fire TV stick 4K MAX」を接続し、『クワイエット・プレイス DAY1(4K/Dolby Atmos)』を再生した。チャプター1、冒頭のチャイナタウンの雑踏の音数がArcとArc Ultraで大きく違う。Arc Ultraは伝わってくる情報量が多いし、生々しい。比べてしまうとArcはあくまでも機械を通したような音がする。

セリフの明瞭度と立体感もレベルアップしているうえ、低音域の迫力とリアリティが高いため、クリーチャーの襲来シーンでの迫力と緊張感が増す。Arc Ultraは、細かい音がスポイルされず聴き取りやすく、静寂感とのメリハリが付き、「音を立てると襲われてしまう」本映画の意図がより表現される。

特筆すべきは、Dolby Atmosによるイマーシブ効果の高さだ。試聴室の環境が良いこともあると思うが、フロントにはArc Ultraが1本設置されているだけなのに、「後ろ方向にスピーカーが置いてあるのか?」と錯覚するほど、環境音が背面、後方に回り込む。サウンドバーが最も苦手な、頭上を飛ぶヘリコプターやジェット戦闘機などの上方向からの音も、それなりに感じ取ることができる。サウンドバーで、ここまでのイマーシブ効果を感じたのは初めての事だった。

そして、Dolby Atmosの表現力が発揮されるのが、急速に存在感を高めている、Apple Musicによる空間オーディオである。筆者のリファレンス曲であるLE SSERAFIM「CRAZY」を聞いたが、楽曲冒頭の視聴者を中心に前後左右へのグルグルと周るサンプリングされたコーラスの声が後ろ方向からも、かなり認識できる。繰り返すが、フロントにArc Ultraが1本設置されているだけ。思わず編集者に「後ろにあるスピーカー鳴ってないですよね?」と確認したのも初めてのことだった。



筆者は昨年6月に、13本のスピーカーと2本のサブウーファーを使った7.2.6チャンネルの本格的なイマーシブオーディオシステムを自宅に導入し、大手レーベルで数百曲ものDolby Atmos AudioをMIXしてきたエンジニアと調整を繰り返しつつ運用している。なのでリアや天井方向からどれだけの包まれ感が出ればいいのか、ある程度把握しているのだが、Arc Ultraのバーチャルのサラウンドの能力の高さは予想を超えていた。この製品があれば、1本だけで、空間オーディオをかなり楽しむことができる。ステレオを探求している身からすると、少しショックなくらいのインパクトだった。

結論を話そう。Sonos Arc Ultraは、音の質感表現、セリフのディテールの高さ、低音域の再現力など基本的な再生能力が大きく上がり、Dolby Atmosは、今まで聴いたことがないほどの空間再現能力がある。

音楽再生から、映画などの映像ソース、そして空間オーディオに至るまで、全方位的な音の完成度が高い。デザインの良さやユーザビリティの高さも含め、この価格帯のサウンドバーのベンチマークとなるだろう。

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(協力:Sonos)

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