公開日 2025/09/12 06:30

CAVIN大阪屋、ユーザーの選択肢を広げステップアップをともにする札幌のオーディオ&シアター専門店

連載「遠藤義人の全国のインストーラーを訪ねて」

北海道を代表するオーディオ&ホームシアターショップといえば、ビル一棟まるごと店舗のCAVIN大阪屋(キャビンおおさかや)。創業昭和3年、店舗は札幌時計台近くにあり、4つのフロアはそれぞれ特徴を持っている。今回は2Fのホームシアターフロアで森田悠司氏から話を聞いた。

北海道・札幌のCAVIN大阪屋を訪れた

ジャンルごとにわかれた4フロアを展開

CAVIN大阪屋はシルバー基調のクールなビル一棟まるごと店舗で、1Fはソフトやヘッドホンなど初心者も入りやすいフロア、2Fがホームシアター、3Fがミドルレンジのオーディオ、4Fがハイエンドオーディオフロアと、専門性でわけて構成されている。

近くにある時計台にちなんで、クラーク博士の言葉ではないが「自己の良心のみに従え」‥お客さんが質問するまで基本的にはスタッフから話しかけることはせず、じっくり内覧できるのが特徴だ。とはいえ、エレベーターでどのフロアに降り立っても「いらっしゃいませ」と温かく迎えてくれるので気後れは無用。

専門店ならではの製品チョイスはもちろん、視聴環境も量販店とは一線を画す。スピーカーの比較試聴ではセレクターを使わず、都度ケーブルをつなぎ替えるなど、音に対するコダワリが強いのも特徴だ。

ホームシアター専門フロアは2F

プロジェクターから大型テレビまで、設置に困ったら

専門店にしてはめずらしくソニーの大型テレビがたくさん陳列されており、見比べできる。ホームシアターインストーラーならではの強みは、大型テレビの搬入や設置、壁掛け時の配線といったノウハウがあるところだ。量販店では相談しづらい案件ではライバルなしだ。

ソニーの大型テレビをたくさん展示

「チューナー類が内蔵されていて手軽さを求めるお客さまや、寝室などサブのお部屋には、テレビをお薦めしています。テレビは75型が多いです。マンションなどであればエレベーターに入るのは85型までといったところでしょうか。戸建てであれば100型の納品事例もあります」と森田悠司氏(以下、森田氏)

このようにテレビが大型化した世の中にあって、スクリーンとプロジェクターを使った大画面なら、100型や120型が当たり前。サウンドスクリーンを使った140型までの提案がよくあるといい、北海道ならではだと思い当たった。私がかつて訪問取材したユーザーさんも、150型超のサウンドスクリーンだった。

NetflixやYouTubeといったネット配信主体のユーザーも増えているが、4K UHD BDをプロジェクターで楽しむユーザーには「絵も音もパンチがある」MAGNETARのUHDプレーヤーをお薦め

スクリーンは3枚。150型シネスコ、120型16 : 9、100型16 : 9

プロジェクターはビクター「DLA-V800R」が「100万円出すならもう少し頑張って」価格と性能のバランスから選ばれている

伝統に支えられた老舗だが敷居は高くない

CAVIN大阪屋のサービスエリアは北海道の西半分が中心だが、ユーザーは北海道全域におよぶ。札幌以外にも旭川やニセコなど各地で出張イベントを行い、オーディオ&ホームシアターの普及に努めている。そんなイベントは、即売会というよりも啓蒙活動に近く、お店に足を運ぶ機会のなかった新しいユーザーの発掘を目指している。

「わたしが店頭に立ち始めた15年前と、最近はちょっと様子が違うように感じます。ホームシアター自体が一般的に知られていないのかもと。だから、若いお客さまが来ると嬉しくて。わたし自身もホームシアターが楽しいものだと実感してから、自宅でもスピーカーなどを天吊りして始めた経験があるので、もっとたくさんの方とこの楽しさを共有したいんです」(森田氏)

訪問している最中もリュックを背負った若者が「サラウンドをやってみたいんですが」とふらり訪ねてきた。森田氏は、もし抵抗がなければ中古品を混ぜるなどしてはどうかと予算的に無理のない提案をしていた。最初はスピーカー2本とAVアンプではじめて、徐々にステップアップしていくといい、等々‥。

CAVIN大阪屋は、わたしが過去に取材した例をみても、ハイエンドオーディオとハイエンドシアターが共存した名物ユーザーが多い印象だ。そんなこともあり「20年働いてやっと一人前」といわれる伝統に支えられた老舗であることは間違いないが、2階には気さくに話せる森田氏が、興味はあるけれどどう始めたらいいのか不安だというユーザーを待っている。ぜひ気軽に訪れてみてほしい。

コンパクトな2chからはじめてもいい

CAVIN大阪屋の最新実例

DALIの超弩級スピーカー「KORE」を核にハイエンドオーディオとハイエンドシアターを両立させた実例

リビングの落ち着いた雰囲気に合わせて、彫り込み壁にテレビとKEFのフロア型スピーカー「Q750」を配置し、馴染ませた

JBLのスピーカーシステム “Stage 2シリーズ” を中心にホワイト基調でコーディネートした実例

 

お問い合わせ先

Placeholder Image

CAVIN大阪屋

北海道札幌市中央区北1条西3丁目3-8
TEL:011-221-0181
営業時間:10時30分 – 18時30分
定休日:水曜日

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX