独身は罪!45日以内にパートナーを見つけられなければ動物に変えられてしまう不条理コメディ
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2015年製作の『ロブスター』をご紹介します!
『ロブスター』(2015年・イギリス/アイルランド/ギリシャ/フランス/オランダ)
(配信:Prime Video/U-NEXT)
発売元:株式会社ファインフィルムズ
販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
『女王陛下のお気に入り』『哀れなるものたち』などの作品で知られ、第68回カンヌ国際映画祭において審査員賞を受賞したヨルゴス・ランティモス監督作。独身であることが罪な時代。ホテルに集められた独身者たちは、そこで45日以内にパートナーを見つけられないと動物の姿に変えられてしまう。離婚し独り身となったデヴィッド(コリン・ファレル)は、犬の姿になった兄と共にホテルに収容されパートナーを探すことになるのだが……。
あらすじの時点で奇想天外な物語であると捉える方が一定数いると思うのだが、果たして本当にそうだろうか。2026年4月から少子化対策のための「独身税」がスタートする。劇中の時代設定は明示されていないものの、独身であることを良しとしない流れの果てに行き着くかもしれない一つの未来。実際に作品を目にしたのなら、そんな風に捉えることがきっと容易にできてしまう。
タイトルの「ロブスター」とは、主人公・デヴィッドがなりたい動物を問われた際に答えたもの。人間を動物に変える技術に関してリアリティを抱くことは難しいかもしれないが、そのファンタジーを補って余りあるホテルでの徹底したルールや慣習、奔走し焦燥していく登場人物たちの葛藤が作品世界へと没入させる。果たしてデヴィッドはパートナーを見つけることができるのか、それともロブスターの姿になってしまうのか。是非ご自身の目と心でお確かめください。
(C)2015 Element Pictures, Scarlet Films, Faliro House Productions SA, Haut et Court, Lemming Film, The British Film Institute, Channel Four Television Corporation.
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
| ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。 |































