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【第163回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

誰もが知る“ダース・ベイダー”誕生の瞬間。兄弟同然の師弟が分かたれる、最も悲しい「スター・ウォーズ」

公開日 2025/04/18 06:30 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2005年公開の『スター・ウォーズ/シスの復讐(エピソード3)』をご紹介します!

『スター・ウォーズ/シスの復讐(エピソード3)』(2005年・アメリカ)
(配信:Disney+)
『スター・ウォーズ/シスの復讐(エピソード3)』ディズニープラスにて見放題独占配信中

ジョージ・ルーカス監督が手がけ、社会現象を巻き起こしてきた「スター・ウォーズ」シリーズの第3章(劇場公開作品としては6作目)。共和国と分離主義者との間で勃発した戦争を終わらせるべく奔走するジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー)と、その弟子であるアナキン・スカイウォーカー(ヘイデン・クリステンセン)。戦争の最中、愛するパドメ(ナタリー・ポートマン)の妊娠が発覚するも、子供の出産と同時に死が訪れるという予知夢を見てしまうアナキン。愛するパドメを救うための手立てを求めるアナキンは、次第にフォースの暗黒面に堕ちていき……。

(C)2025 Lucasfilm Ltd.

全世界を興奮と歓喜の渦に巻き込んできた「スター・ウォーズ」シリーズには、壮大なスケールで描く9つの映画のほか、正史と繋がる映画・ドラマ・アニメなどが多数製作されている。基本的には全9エピソードで描く映画を観れば大丈夫なのだが、公開順はEP4〜6、1〜3、7〜9という変則的な形を取っている。70〜80年代に公開され、アナキンの息子であるルークが主人公であった4〜6。90〜00年代に公開され、4〜6に登場したダース・ベイダーというキャラクターを掘り下げるための過去を描く1〜3。そして、2015〜2019年には『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(エピソード6)』の30年後を舞台に、新たな主人公レイの活躍を描く7〜9が公開された。

本稿で紹介する『スター・ウォーズ/シスの復讐(エピソード3)』では、シリーズのシンボル的キャラクターでもあるダース・ベイダー誕生の瞬間を描いており、 EP4〜6にて先んじて開示されていた通り、アナキンがダークサイドに堕ちダース・ベイダーになるのは避けることのできない確定事項。アナキンが抱く希望が決して報われないこと、彼を説得しようとするオビ=ワンやパドメの声も届かないことなど、行き着く先が分かっているからこそ、そのもどかしさ、変えることのできない運命を前に、目にする者の心はきっとキツく締め付けられてしまうことだろう。

(C)2025 Lucasfilm Ltd.

公開順通りに観るも良し、ナンバリング通りに観るも良し、さまざまな楽しみ方ができるのも「スター・ウォーズ」シリーズの醍醐味のひとつです。スター・ウォーズ最大のファンイベント、「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン 2025」が17年ぶりに日本で開催される2025年。久々にシリーズを見返してみるのは如何でしょう。また、シリーズ未見の方は、この機会に「スター・ウォーズ」デビューしてみるのは如何でしょう。あなたの映画ライフが、フォースと共にあらんことを。

(C)2025 Lucasfilm Ltd.
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
 
ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。

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