こんな殺し屋見たことない! 意外な武器を使う冷酷非道なヒットマンから逃げ延びろ!
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2007年製作の『ノーカントリー』をご紹介します!
『ノーカントリー』 (2007年・アメリカ)
(配信:U-NEXT /Hulu )
Blu-ray: 2,075 円/DVD: 1,572 円 (税込)
発売元: NBCユニバーサル・エンターテイメント
『ファーゴ』『ビッグ・リボウスキ』『オー・ブラザー!』などで知られるコーエン兄弟が、ピュリッツァー賞作家コーマック・マッカーシー原作の小説を映画化し、 第80回アカデミー賞にて作品賞・監督賞・助演男優賞・脚色賞を受賞したサスペンス・スリラー。荒野で狩りをしていたベトナム帰還兵のモス(ジョシュ・ブローリン)は、銃撃戦が行われた麻薬取引の現場で大量の死体と現金200万ドルを発見する。金を持ち逃げしたモスであったが、ギャングに雇われた冷酷非道な殺し屋シガー(ハビエル・バルデム)につけ狙われることに。モスに起きた異変を察知した老保安官エド・トム・ベル(トミー・リー・ジョーンズ)もまた、2人の行方を追うことになるのだが……。
かつてこんな殺し屋がいただろうか。本作にてアカデミー賞助演男優賞を受賞したハビエル・バルデム演じるシガー。その特徴的なヘアスタイルや独自のこだわりも然ることながら、特筆すべきは彼が手にする武器!それは、拳銃やマシンガンでもなく、ナイフや刀でもなく、毒薬や爆弾でもなく、牛を安楽死させるための「家畜銃ピストル」と呼ばれるもの。酸素ボンベのようなものを片手に持ち、もう一方の手で圧縮した空気を撃ち放つコンプレッサーのようなものを手にするシガーの出立ちは、典型的な殺し屋のそれとは異なり、恐ろしさよりも不気味さが勝る。
「家畜銃ピストル」を弾のない銃として用いるほか、ドアの鍵穴を吹っ飛ばして開錠したりと、最早何でもあり!そんな男から果たしてモスは逃げ切ることができるのか。そして、そんな2人を追う老保安官が目にするものとは……。色々な意味で衝撃的なラストを、是非ご自分の目と心で見届けてください。
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| ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。 |
