PR 公開日 2024/11/29 06:30

評論家も「大満足」。 マランツ「MODEL 60n」、その音質と使い勝手を徹底レビュー!

「透明感のある音が印象的」

続いて、(2) 入出力および対応ソースについて。MODEL 60nはスタンダードな横幅442mmのサイズを生かした豊富な入出力を持つ。

アナログ入力はRCAアンバランス3系統、MM対応のフォノ、デジタルは、USB Type-A、光デジタル、同軸デジタルを搭載する。ネットワーク周りはRJ45有線LAN端子に加えて、Wi-Fiは2.4GHzと5GHzかつ通信の安定性が高いMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)も利用できる。

背面端子部

iOSやAndroidデバイスにインストール可能な操作アプリ「HEOS」も用意されている。これにより、Amazon MusicやSpotifyなどのサブスク音楽サービスをアンプ単体で視聴可能になり、さらに、NASやリアパネルのUSBポートに外付けしたUSBメモリーHDDからの/HDDからのデジタルファイル楽曲ファイル再生にも対応する。

今回の取材でもHEOSアプリからネットワーク再生で音質チェックを行った

統合再生ソリューション「Roon」については発売後のアップデートによって「Roon Ready」に対応済み。ついに日本で正式スタートした「Qobuz」(コバズ)へも今後のアップデートで対応してくれるはずだ。

また、AirPlay 2やBluetooth接続も可能なので、パソコン/スマホとの接続性も担保されているのが嬉しい。さらに、重要な点として、MODEL 40n同様にARCとCEC対応のHDMI端子を搭載したことがポイントとなる。また3.5mmシングルエンドのヘッドホン端子と、2.1chプリアウト出力を持つ。

随所に徹底された「MODEL 60n」の音質対策とは?



(3)音質対策については特筆すべき点が多い。シャーシ、電源、プリアンプ部、パワーアンプ部、アナログオーディオ回路やデジタルオーディオ回路に至るまで、上位モデルから惜しみなく投入された技術や、コストスケールメリット(具体的にはマランツのアンプが売り上げ台数の多さによる恩恵)を活かした物量投入により、非常にコストパフォーマンスが高い。

剛性の高いシャーシや、底面を支えるフット部にリブ入り高密度インシュレーターを採用している点は、オーディオマニアの視点からも評価できる。さらに、基板やシャーシを固定するビスやワッシャーの種類を最適化し、S/N比向上に大きく貢献するグラウンドインピーダンスの最適化も実現している。

電源回路も非常に強力だ。磁束漏れを抑える2重シールド付きの大容量トロイダルトランスと、MODEL 60n専用に開発された容量15,000μF/63Vのカスタムブロックコンデンサーを採用している。

クリーンな電流を供給し、かつ瞬間的な大電流にも耐え得るようシールドケース付きの大容量トロイダルトランスを搭載

音量を可変させるプリアンプ部の注目点は、可変ゲイン型を採用していることだ。つまり、一般的な音量の範囲内ではプリアンプでの増幅を行わず、パワーアンプのみで増幅することでノイズレベルを大幅に改善している。さらに、同社のアンプで定評のある高速アンプモジュール「HDAM」と「HDAM-SA2」を組み合わせている。

「HDAM」と「HDAM-SA2」を組み合わせたリニアコントロールボリューム回路

パワーアンプ部には「HDAM-SA3」というフルディスクリート構成の電流帰還型増幅回路を採用しており、安定した駆動力と低歪みを実現している。

「プリアンプ部は音量を可変させるだけではないか」と思う方もいるかもしれない。しかし、実際には音質に大きな影響を与える重要な要素だ。ローレベルの分解能(具体的にはボーカルの繊細な表情や楽器のリアリティ、質感の表現)や音場、音像などの空間表現において大きな違いが出る。

近年のマランツは、高品位なプリアンプ回路で精度と音質に優れたボリューム可変を行い、それを高速かつパワフルなフルディスクリート構成のパワーアンプで駆動するモデルが多い。「MODEL 60n」もそのエッセンスをしっかりと受け継いでいる。

デジタルオーディオ部は、HEOSのネットワーク・モジュール基板とD/A変換回路をそれぞれシールドケースに収め、相互のノイズや外来ノイズの影響を低減。シャーシ内では電源回路とオーディオ回路の位置を分離し、ヒートシンク部をシールドとして活用している。

さらに、最上位モデル「MODEL 10」の音質チューニングを手がけたサウンドマスター尾形好宣氏が、徹底したリスニングテストを実施し、カスタム・フィルムコンデンサー、マイカコンデンサー、精密メルフ抵抗など、厳選された高品位なパーツを採用するという、徹底した音質対策が施されているのだ。

MODEL 60nレビュー(1):「聴感上のSN比の高さからくる透明感のある音が印象的」



まずはステレオの音楽再生から試してみた。実機を自宅1階のメインルームにある試聴環境に設置した。デザインが気に入っているクワドラスパイアのオーディオラック上に「MODEL 60n」を配置すると、その佇まいが美しい。これならリビングでも大丈夫だ。

次ページMODEL 60nレビュー(2):テレビとの接続も試してみた

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