PR 公開日 2022/12/23 06:30

密閉・平面型が驚きの価格で!HIFIMAN「SUNDARA Closed-Back」は“鬼才”が生んだ傑作だ

音もデザインも魅力的なスタンダードモデルをレビュー

■上位機の技術も惜しみなく音質ファーストで採用



たとえば、音質の要である平面磁界駆動型ドライバーは、最新の両面駆動方式に変更。磁石の形状も最適化して、音波の「回折現象」を低減する「ステルスマグネット」も搭載している。

本機の分解イメージ図。HIFIMANは技術志向の会社であり、日進月歩で進化するドライバーは常に開発し続けている

HIFIMANは技術志向の会社ゆえ、日進月歩で進化するドライバーを常に開発し続けている。本機に搭載したNEO “supernano” 振動板(NsD)もブラッシュアップされているが、そもそもこのNsDはナノケミストリー技術を応用したもので、極薄の振動板にボイスコイルがプリントされたもの。そのため効率よく振幅させることができるので、ヘッドホンの能率も高く設計でき、また質量も軽くできるメリットがある。

NEO“supernano”振動板はナノケミストリー技術を応用したもので、極薄の振動板にボイスコイルをプリントしている。効率のよい振幅が可能なことから、ヘッドホンの能率を高く設計できるだけでなく、質量も軽くできる

また、本機は棒状のマグネットを並行に配置し、振動板の両面を挟み込むようにレイアウトすることで、強力な磁力を均等に振動板へと伝える構造を採用する。そのため、音(空気)が磁石間を通るのだが、その際に起こる回折現象を低減するため、磁石の形状に丸みをもたせた独自形状を採用している。

本機は棒状のマグネットを並行に配置し、振動板の両面を挟み込むようにレイアウトすることで、強力な磁力を均等に振動板へと伝える構造を採用する。そのため音(空気)が磁石間を通るのだが、その際に起こる回折現象を低減するため、磁石は丸みをもたせた独自形状となっている

「上位モデルの技術をこの価格で実現するため、構造こそ同様にしつつも価格面とのバランスがとれた磁石に変更しています。とはいえ、マグネットとハウジングのマッチングにはかなり手間をかけ、600回もの施策を繰り返すことで理想的なユニットをつくり上げることができました。これも最新の振動板『NsD』が合ったからこそ実現できたものです」(ドクター・ファン)

ちなみに、職人が手作業で丁寧に組み立てているというブナ材の木製ハウジングは、見かけの上質さよりも音のよさを第一に選択されたものだという。ドクターいわく、ムクゲや桃の木など数多くの木材で試作機をつくり、ドライバーとの相性を調べたとのこと。その数、600通りというから驚きだ。こういったエピソードもHIFIMANらしい。

その一方で、柔らかく厚みのあるイヤーパッドや、2重構造のヘッドバンドは装着性良好。長時間の使用時にも負担に思うことはない。メンテナンス性も考慮されており、イヤーパッドはフックでひっかけるタイプなので、比較的簡単に取り外しもできる。また、楕円形状の開口部からは、ドライバーとの間には様々なサウンドチューナーが挟み込まれていることがわかる。

イヤーパッドは取り外し可能で、メンテナンス性にも配慮。楕円形状の開口部からは、ドライバーとの間には様々なサウンドチューナーが挟み込まれていることがわかる

■平面型らしく低歪でクリアバランスがよく音も自然



さて、実際のサウンドはというと、平面磁界駆動型らしい歪み感のないクリアさと、密閉型ならではの音の厚みが上手く合わさり、聴き応えのある音となっている。

ボーカルは近い距離で表情豊かに歌う様子を楽しませてくれるし、アコースティック楽器の演奏も現実感がある。淀みなく耳障りのよい、そんな中低域だ。高域はキレがよいのに鋭すぎず、絶妙な表現といっていい。

平面型というと、解像度感を過度に強調するモデルもあるが、SUNDARA-Cはナチュラル傾向で心地よく、これはこれで充分に楽しい。とてもまとまりのよい、音もデザインも魅力的な製品といえる。




SPEC
SUNDARA Closed-Back
●型式 : 平面磁界駆動型(密閉) ●ドライバー口径 : 非公開 ●再生周波数帯域 : 6〜50,000Hz ●インピーダンス : 20Ω ●感度 : 98dB ●質量 : 432g ●付属品 : 標準変換プラグ


(協力:HIFIMAN)

※本記事は「プレミアムヘッドホンガイドマガジンVOL.19」所収記事をウェブ用に転載したものです

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