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PR音もデザインも魅力的なスタンダードモデルをレビュー

密閉・平面型が驚きの価格で!HIFIMAN「SUNDARA Closed-Back」は“鬼才”が生んだ傑作だ

公開日 2022/12/23 06:30 野村ケンジ
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徹底的にこだわり抜く製品開発に定評あるHIFIMANブランドから、スタンダードクラスの密閉型ヘッドホン「SUNDARA Closed-Back(SUNDAR-C)」が登場。本稿では、鬼才ドクター・ファン氏が驚きの価格で平面型の密閉モデルを実現した本機の特徴に迫る。

「SUNDARA Closed-Back」55,880円(税込)

■長年平面型をつくり続ける技術の研鑽が生んだ傑作



平面磁界駆動型ドライバーユニットやR-2R DACモジュール(HYMALAYA DAC)の自社開発など、様々なアイデアを積極的に取り込みつつ、音質に関しても徹底的なこだわりで製品を作り上げるストイックさ。さらにはデザインに関しても大いにこだわるなど、いまやすっかり定評あるブランドとなっているのがHIFIMANだ。

そんなテクノロジー・オリエンテッドなブランドから、スタンダードクラスの密閉型ヘッドホン「SUNDARA Closed-Back(SUNDARA-C)」が誕生した。

HIFIMANの一番人気といえば、やはりヘッドホンだろう。同社ヘッドホンは、そのほとんどが独自設計の平面磁界駆動型ドライバーを搭載。歪みの少ないクリアなサウンドが特徴だが、ドライバーの特性上、開放型モデルが大半である。

名前の通り密閉型ハウジングを採用した、平面磁界駆動型ドライバー搭載ヘッドホン

しかしながら、SUNDARA-Cは、名前の通り密閉型ハウジングを採用。これには、技術の進化が関係しているという。HIFIMAN社長のドクター・ファンは次のように述べている。

「音漏れが少ない密閉型ヘッドホンは、その使い勝手のよさから高い人気を保ち続けています。一方、平面磁界駆動型では、定在波の影響などを密閉でどのように処理するか等少なからずハードルがあり、開発力が必要でした」

「しかしながら、近年は密閉型に関しての技術が成熟した段階に入ってきており、ハイエンドモデルを中心に密閉型の平面磁界駆動型も複数登場してきました。そうした時期に新製品を5万円台の価格帯で発売できたのは、当社の技術力が他社をリードしているからだと自負しています」

たしかに、音漏れを気にしがちな日本では密閉型に人気が偏っている。そういった傾向を意識しつつ、HIFIMANならではの魅力をいつでもどこでも楽しめる製品を、ということで作り上げられたのがこのSUNDARA-Cだという。

ハウジングには音質重視でブナ材を採用。ドクターいわくムクゲや桃の木など数多くの木材で試作機をつくり、ドライバーとの相性を調べたという

そもそも開放型のオリジナル「SUNDARA」は、2014年に登場したモデルで、系譜的には「HE650」を引き継ぐスタンダードクラスに位置する製品。当時、平面磁界駆動型ヘッドホンといえば高級モデルが大半だったため、実売3万円台で入手できることは大いに歓迎された。

当然、SUNDARA-Cにもコストパフォーマンスの高さが求められ、使えるコストにも大きな制約があったことだろう。しかしながらHIFIMANは、フラグシップモデルの技術を巧みにコストダウンして、低価格モデルを開発することに長けているメーカー。実際、名前こそ開放型と同じだが、技術は大きく進化している。

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