1万円ちょいで買える驚きの高音質。アップル「HomePod mini」の完成度が衝撃的

■HomePod miniから一番「いい音」を引き出す置き方

HomePod miniのベストな設置スタイルについて考えてみたい。本機には高性能な「Apple S5」チップが搭載されている。コンピュテーショナルオーディオというアップルの最新技術により、高性能なチップのパワーを駆使して、音楽が鳴り始めた瞬間から秒間180回に及ぶ複雑なアルゴリズム解析が走り出す。どんなタイプの楽曲を再生しても、コンピュテーショナルオーディオのリアルタイム解析により「HomePod miniらしいバランスの良い明瞭なサウンド」が一貫して楽しめる。

初代HomePodには、自機の置かれている場所のアコースティック環境をわずか数秒間で測定してサウンドを最適化する「自動室内センシング技術」がある。HomePod miniは上述のコンピュテーショナルオーディオにより、あらゆる音楽をどんな場所で再生しても、一定した「HomePod miniの理想的なサウンド」が楽しめるという。

そして、部屋のどんな場所にスピーカーを置いた場合でも高品位なサウンドを再現できるのが、コンピュテーショナルオーディオテクノロジーの特長だ。アップルでは1,000パターンを超えるあらゆる形状・大きさの部屋で音響環境のシミュレーションを丁寧に行いながら、アルゴリズムのチューニングを練り上げてきたという。

筆者もリビングのテレビサイド、仕事机の手元近く、そして和室や玄関など様々な場所にHomePod miniを移動させ、音を聴き比べてみたが、部屋の音響特性による影響を上手に避けながら、「HomePod miniの音」をブレることなく再現してみせた。

夜間にはボリュームを下げて音楽やインターネットラジオを聞いてみたが、やはりサウンドが不自然に痩せてしまうことなく、しっかりとリスニングにのめり込むことができた。

中が中空のカラーボックスや段ボール箱、柔らかなイスの上など、明らかにスピーカー再生にふさわしくない場所に置かない限り、HomePod miniの低音再生がだぶつくこともなく、張りのあるボーカルをストレートに届けてくれる。

なお、オーディオボードやインシュレーターなどの調音アクセサリーを使う必要はないと思う。強いて言えばHomePod Miniをよりスタイリッシュに設置できる、フロアスタンドや壁掛け金具のようなアップル純正ツールが欲しくなってくる。

複数の部屋にHomePod miniを設置し、同じ楽曲、または別々の楽曲を再生出来るマルチルームオーディオ再生の設定とコントロールは、iOSの「ホーム」アプリから行える。マルチルーム再生はHomePodシリーズ、AirPlay 2対応のオーディオシステムやスピーカー、そしてApple TV 4Kとの組み合わせに対応している。

音楽だけでなくシアターにももちろん使える。2台のHomePod miniがあれば、Apple TV 4Kで映画やドラマを見る時にホームアプリからHomePod miniを音声の出力先として選ぶことで、パワフルなサウンドが楽しめた。

■Siriのレスポンスが速い！音楽コンテンツの検索・再生も快適

音声アシスタントのSiriは、音声認識の精度・スピード感ともに、HomePod miniの操作感がすこぶる快適だった。

内蔵マイクアレイを構成するマイクユニット数は、HomePodの6つに対し、HomePod miniは4つと数は少ないが、Apple S5チップの性能や最新の音声認識アルゴリズムとの合わせ込みによるものか、同等以上にも感じられる良好なレスポンスを引き出している。

聴きたい音楽をSiriに再生してもらう場合、現状は音声操作に対応するサービスがApple Musicに限られるものの、アーティストと楽曲の名前を伝えると小気味よく探し当てて再生してくれる。

AppleがHomePod miniを発表した10月のスペシャルイベントでは、Amazon Musicなどサードパーティーの音楽サービスがHomePodの対応準備を進めていることも明らかにされた。今後、Apple Music以外の音楽サービスをメインで使っているユーザーにも、HomePod miniの魅力を実感できる機会が広がりそうだ。

ちなみにAmazon Music、Spotify、YouTube Musicなどメジャー所の音楽配信サービスは、現状ではiPhoneでアプリを立ち上げ、聴きたい曲を検索後、AirPlayでストリーミングしてHomePodシリーズで再生できることも覚えておきたい。