公開日 2019/12/23 11:30

イタリアの芸術性と工業技術が産んだ唯一の音空間。Spirit Torinoのパッシブラジエーター搭載ヘッドホン「RADIANTE」を聴く

【特別企画】フィルター調節で低域量を調整可能
佐々木 喜洋
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
イタリアから上陸したハイエンドヘッドホンブランドSpirit Torino。同ブランドの最新モデルとなる密閉型ヘッドホン「RADIANTE」は、パッシブラジエーターを搭載することで密閉型のデメリットを解消するというユニークな構造を採用。「春のヘッドフォン祭2019」で世界初披露され、話題となった。今回は、佐々木 喜洋氏による本機の技術紹介や、サウンドのインプレッションをお届けしよう。

Spirit Torino「RADIANTE」

芸術と工業の国イタリアが産んだヘッドホンブランド「Spirit Torino」

Spirit TorinoはイタリアのSpirit Sound Design社のハイエンドヘッドホンブランド。フジヤエービック主催の「春のヘッドフォン祭2019」にて世界初披露され話題となったので、すでにご存じの方も多いだろう。


同ブランドは前作の開放型ヘッドホン「Twin Pulse」において、直列型のデュアルドライバーというユニークなデザインを採用したことで注目を集めた。濃密な独特の音楽表現が特徴的なTwin Pulseシステムだったが、もともと芸術の国イタリアのエンジニアらしくまず音楽表現ありきというデザインポリシーがうかがえる。

なおTwin Pulseは現時点では日本未発売だが、ヘッドフォン祭やミュンヘンHI-ENDでのフィードバックをもとに本国でブラッシュアップが進められており、2020年、それが完了次第、日本でも販売する予定とのことだ。

Twin Pulseも2020年にはブラッシュアップされて日本で発売される予定とのこと

イタリアは、日本ではドイツとは異なり技術中心の印象は薄いかもしれない。しかし、フェラーリなどの高性能スーパーカーは偶発的に生まれたものではなく、イタリア北部の歴史的にさかんな航空機・自動車産業を背景としている。イタリアは芸術の国であるとともに工業の国でもある。

Spirit Torinoの代表であるアンドレア・リッチ氏は、劇場のサウンドエンジニアという経験から芸術と技術の両方を背景としており、ヘッドホンに興味を持ちながら音楽の表現を踏まえたヘッドホン設計を目指しているという。

パッシブラジエーター採用の密閉型ヘッドホン「RADIANTE」

今回紹介するRADIANTE(ラディアンテ)は、その最新作となる密閉型ヘッドホンだ。

密閉型のヘッドホンは遮音性が高い反面、ドライバーの振動板が自由に動くことができる開放型に比べると、密閉空間で振動板の動きが空気圧で阻害されてしまうという問題がある。つまり開放型に比べると、密閉型でよい音質を出すための設計には一段と高いレベルが要求されるわけだ。

その課題にパッシブラジエーターという新技術を解決策として取り組んだのが本作だ。ドライバー自体はTwin Plusと同じものだが、Twin Plusはドライバーユニット2個が直列に動作するのに対して、RADIANTEでは1個のドライバーに加えて1個のパッシブラジエーターを採用している。

ハウジング中央がパッシブラジエーターとなっている

アンドレア氏は開発の目標として、ヘッドホンでもライブのように聴きたいプロユーザーをターゲットに据えたという。そのために密閉型でも開放型のような明朗な空間表現が求められた。

開発は2つの道を歩んだという。ひとつは聴覚的なアプローチで、ライブ音源(バイノーラル録音)とヘッドホンの音を聴き比べるという手法が用いられた。もうひとつは、もっと理論的で音響工学にもとづく方法で、人の音の感じ方を表す「等ラウドネス曲線」を用いて周波数特性の調整が行われたという。

ヘッドホンではさまざまなジャンルの音楽について、それぞれにあったさまざまな音量でのリスニングがなされるが、RADIANTEにおいては音量の大小に関わらず、バランスが崩れない高い忠実性を有しているとのことだ。

次ページドライバーの動きをパッシブラジエーターで最適化

1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 Amazon、広告なし新プラン「Prime Video Ultra」。値上げの代わり特典強化
2 オーディオの未来を見据えるオンリーワンなブランド、LINN。CEOに聞くネットワーク再生のこれまでとこれから
3 デノン、カートリッジ/フォノイコ搭載レコードプレーヤー「DP-500BT」。BluetoothはaptX Adaptive対応
4 ティアックストア、マクセルのBluetooth対応CDラジカセ「MXCR-200」を取り扱い開始
5 等身大の大画面とかんたんオンオフで家族の一日に寄り添う110型スクリーン・シアター
6 大事な記録を集めて共有!UGREEN「NASync DH2300」は複数人で使っても便利
7 JBL、小型Bluetoothスピーカー「Grip」に春らしい2色「ピンク」「ターコイズブルー」を追加
8 BeatsとNikeが初コラボ。完全ワイヤレスイヤホン「Powerbeats Pro 2 - Nike Special Edition」
9 光城精工「仮想アース」「電源コンディショナー」「電源タップ」比較試聴会。秋葉原のテレオンで3/28開催
10 オーディオスペースコア、JORMA DESIGNの最上位ケーブル「PARAGON」試聴会を4/4、5に開催
3/19 11:00 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー200号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.200
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX