公開日 2017/02/24 11:56

エラック初のプリメイン「EA101EQ-G」を聴く ー 先進的キャリブレーション機能の効果も検証

コンパクトながら高い駆動力を実現
岩井喬
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エラックのスピーカーのポテンシャルを思う存分に引き出す

EA101EQ-Gの充実したサウンドは、10万円台前半のコンパクトなプリメインアンプからのものとは思えないクオリティの高さを誇る。エラックのスピーカーは低インピーダンスなこともあり、アンプ選びの際悩むケースも少なからず見受けられるものの、そのスピーカーを熟知したブランドが手掛けるプリメインアンプということもあって安心感も高い。

音場補正という言葉に拒否反応を示すピュアオーディオファンも少なくないと思うが、住環境そのものは簡単に変えることもできない上、部屋の持つ癖を少しでも解消してスピーカーの持つ本来のクオリティを引き出す方が、良い音を目指す上で近道となるのではないだろうか。特にセッティングのノウハウが少ない初心者には、この上なく頼もしい機能である。

コンパクトな筐体に抱くイメージ以上の駆動力を備え、先進的な補正機能も内蔵する。エラックのスピーカーを鳴らし切るアンプを探しているユーザーにとっては、この上ない選択肢といえる

特にエントリークラス機では、空間性表現が追い込めずにクラシックなどのオーケストラ再生において本来の良さが伝わらないケースがある。それによって、クラシック音楽の深遠さ、楽しさが十二分に味わえず敬遠されてしまうのは実に惜しい。筆者にも少なからずそうした経験があるが、オーディオ製品のグレードを上げていったある瞬間から急にオーケストレーションの世界が楽しく聴ける時が訪れ、それ以降はクラシック音楽も指揮者、楽団ごと、演奏の違いも理解しやすくなった。

EA101EQ-GのAUTO BLEND機能は、このクラシック本来の楽しさに早い段階で気づくことができるひとつの手段として有効に働くように感じる。無論、ジャズやポップス、ロックでもスピーカー本来のサウンドを取り戻すことで、ジャンルを問わず表情豊かに楽しめるようになることだろう。

ピュアオーディオ初心者にこそ、このAUTO BLENDの効果を味わってほしいが、この機能性以前にEA101EQ-Gの持つサウンドポテンシャルの高さ、置き場所を選ばない洗練されたハードウェアとしての優れた存在性はクラス随一のレベルに達しており、非常に完成度が高い。ぜひ高音質・高機能を実現したEA101EQ-Gのサウンドを多くの方に味わってほしいところだ。

(岩井 喬)

■試聴音源
・レヴァイン指揮/シカゴ交響楽団『惑星』〜木星(CDリッピング:44.1kHz/16bit)
・飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2013『プロコフィエフ:古典交響曲』〜第一楽章(96kHz/24bit)
・イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ『ヴィヴァルディ:四季』〜春(192kHz/24bit)
・オスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』〜ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー(CDリッピング:44.1kHz/16bit)
・デイヴ・メニケッティ『メニケッティ』〜メッシン・ウィズ・ミスター・ビッグ(CDリッピング:44.1kHz/16bit)
・長谷川友二『音展2009・ライブレコーディング』〜レディ・マドンナ(筆者自身によるDSD録音:SonicStageMasteringStudioにて192kHz/24bit変換)
・『Pure2-Ultimate Cool Japan Jazz-』〜夢であるように(192kHz/24bit・WAV)



特別企画 協力:(株)ユキム

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