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コンパクトながら高い駆動力を実現

エラック初のプリメイン「EA101EQ-G」を聴く ー 先進的キャリブレーション機能の効果も検証

2017/02/24 岩井喬
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2016年に創業90周年を迎えたELAC(エラック)社は、スピーカーでその名を広く知られているが、これまでの歴史の中で様々なコンポーネントを展開してきた。そんな同社から、ハーフラックサイズのプリメインアンプ「EA101EQ-G」が登場。コンパクトな筐体にハイパワーの出力段を有し、先進的な音場補正機能も搭載した本機の実力をチェックする。

エラック初のプリメインアンプ「EA101EQ-G」をチェック。先進的な機能性とコンパクトサイズに見合わない駆動力をチェックした

エラック初のプリメインアンプ「EA101EQ-G」

JETトゥイーターを核としたスピーカーラインナップを展開し、高い人気を獲得してきたエラック。売れ筋である「260LINE」やその上位モデル「400LINE」の完成度は、JETトゥイーター搭載モデルの極致とも言えるレベルに達している。

さらには、世界的スピーカーエンジニアであるアンドリュー・ジョーンズの電撃的な移籍によって誕生した「Debut」シリーズ、そして新フラッグシップである「CONCENTRO」の登場など、経営陣の刷新も一つの契機となっていると思われるが、近年のエラックを取り巻く情勢は非常にスピーディーかつ大胆に動いているようだ。

そしてさらなる大きなチャレンジとしてこの度登場するのが、ハーフラックサイズのスタイリッシュなプリメインアンプ「EA101EQ-G」である。エラックとして国内では初のプリメインアンプということもあり、注目されている方も多いだろう。

ELAC「EA101EQ-G」 ¥130,000(税抜)

エラックのスピーカー以外のコンポーネントに関しては、日本ではあまり多くは紹介されていない。しかしアナログ全盛期は、MM型カートリッジのパテントホルダーとして世界に名を馳せていた。また、1950年代には、本機と同じタイミングで登場するアナログレコードプレーヤー「Miracord 90」の源流となる「Miracord」が大ヒットした。このように創業90年を迎えた2016年に至るまでの長い道のりの中で、実に様々なオーディオ製品開発を続けてきたのである。

コンパクトな筺体に強力なパワーを内包する

そして今回、エラック初のプリメインアンプである本機の開発のベースとなっているのは、主力商品であるスピーカー分野のサブウーファーにあるという。エラックのサブウーファーにおけるアンプ部には、高効率なデジタルアンプと音色の良いアナログアンプ、双方の特色を併せ持つ独自のハイブリッド回路設計技術「BASHテクノロジー」が採用されてきた。

筐体上部はラバー素材で覆っている。デザインも先進的だ

EA101EQ-GにもそのBASHテクノロジーに取り組んできたエンジニアが設計に従事しているそうで、コンパクトな筺体に80W×2(4Ω)ものパワーを繰り出す出力段を内包している。そのサイズ感を見て想像できるところであるが、本機は従来の本格的なフルサイズコンポを設置するのが難しいリスナーに向け、より手軽に高音質を楽しんでもらうべく開発されたという背景を持つ。

192kHz/24bit対応のUSB入力やaptX対応のBluetoothを内蔵

EA101EQ-Gは、エラックのラインナップの中では260ラインをはじめ、Debut、そして昨年秋に登場した「Uni-Fi SLIM」といった、入門〜中級クラスのスピーカーと組み合わせることを想定した設計になっている。表側にネジを見せない洗練されたデザイン性も見事で、サイドを折り込んだラウンドシェイプが印象的なフロント&リアパネルのまとめ方も、インテリアに溶け込みやすい。

タッチパネルの採用でボタンを排した、シンプルでスタイリッシュなフロントパネルを採用

特にフロントパネルのシンプルながら他にないレイアウトも特徴で、タッチセンサーで切り替わるインプットや、電源スイッチのレスポンス良い反応も完成度の高さに繋がっている。

次ページEA101EQ-Gの仕様を詳しく解説

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