公開日 2011/04/28 18:16

いよいよ発売された「iPad 2」の完成度をチェック − iPad 2はホントに“買い”か?

画質・音質もチェック
編集部:風間雄介
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■ゲームや重いアプリでiPad2の処理速度向上を実感

動作スピードについてはどうだろうか。iPad 2は新開発の1GHz デュアルコアSoC「A5」を搭載し、動作の高速化を実現している。グラフィックス性能は最大9倍になったという。また公式には発表されていないものの、メインメモリーの容量も拡大していると言われている。

だがブラウザやメーラーなど、通常のアプリを少し動かした程度では、劇的な速度向上を実感することはできない。実際に、ブラウザでいくつかのサイトを読み込み、表示するまでのスピードを比べても、よほど重いサイトでない限り、それほど顕著な差は出ない。

スピードを実感できるのは、処理負荷の大きいゲームだ。すでにiPad 2への最適化を行ったことをアナウンスしている「Infinity Blade」では、起動速度がかなり短縮していることが実感できる。それだけではなくグラフィックの質感も驚くほど進化しており、テクスチャーが非常にきめ細かくなっている。アップルが謳っているグラフィック性能の進化はダテではない。

iPad 2に最適化された「Infinity Blade」をプレイ。こちらは初代iPadの画面。

こちらはiPad 2の画面

また楽曲の録音・編集ソフト「GarageBand」においても、その処理能力の高さを体感できた。楽器の変更など、初代機では動作がもたついていた部分でも、iPad 2ではストレス無く動くのだ。こういった重いアプリでは、iPad 2のスピードが本領を発揮する。

今後、iPad 2に最適化したアプリが増えることで、処理能力を活かせる機会が増すことだろう。逆に言えば、現段階では初代iPadでも、日常的な処理程度なら十分快適に行うことが可能ということだ。

■カメラの画質は低いが活用用途は様々


iPad2の前面カメラ

iPad2の背面カメラ
機能面での大きな変更は、前面と背面の内蔵カメラの新設だ。ともに解像度は公開されていないが、撮影した静止画のデータを調べてみたところ、背面カメラは720×960ピクセル、前面カメラは480×640ピクセルだった。


iPad2のカメラ撮影画面。静止画/動画の撮影が可能。右上のボタンで前面/背面カメラを切り替える
率直に言うと、iPad 2のカメラは解像度も低いし、感度も悪い。節電のために照明を落としている編集部でテスト撮影したところ、ノイズだらけの画像になってしまった。iPhone 4の背面カメラは500万画素で裏面照射センサーを備えているので、暗所でのノイズもかなり抑えられる。こういった最新スマートフォンのカメラと比べてしまうと、ガッカリすることは間違いない。


iPad2の前面カメラで撮影した写真

iPad2の背面カメラで撮影した写真
機能面では、タップしたところにフォーカスを合わせたり、デジタルズームが利用できたりと、iOS 4で既に実現していた機能は本機でも利用できる。だが、Androidなどでは当たり前になりつつある、様々なマニュアル設定機能などは用意されていないため、機能的に物足りない印象は否めない。

iPad 2では動画も撮影できる。これについても試してみたが、印象は静止画とさほど変わらない。メモを取るといった用途には良いだろうが、画質を仔細に検証するレベルには達していない。

iPad 2のカメラは、画質をどうこういうものではなく、基本的に「遊び」のためのものであることは間違いない。実際、カメラで遊ぶためのアプリもあらかじめ用意されている。Mac OS X向けでもおなじみの「Photo Booth」だ。

本アプリを起動すると、カメラから入ってきた映像に対して、リアルタイムに8種類の処理を施し、表示する。処理を選んで撮影ボタンを押すと、カウントダウン後にユニークな写真を撮影することができる。リア充の方々ならば、パーティーや合コンなどで活躍するかもしれない。


カメラを使って遊べる「Photo Booth」。リアルタイムに8種類の処理を施して表示

処理を選んで撮影ボタンを押すと、カウントダウン後にユニークな写真を撮影できる
またアップル独自のビデオ通話機能「FaceTime」にも対応しており、本アプリもあらかじめインストールされている。

FaceTimeは、iPhone 4やiPod touch、Macなどの対応機器と、お互いの顔を見ながら通話することができる。画面上のボタンを押すことで前面/背面のカメラを切り替えることもできるので、遠方の両親に家族や家の中の様子を見せる、といった使い方にもうってつけだ。ただし、利用には今のところWi-Fiネットワークへの接続が必須となる。

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