公開日 2009/05/27 20:00

DLNA 1.5対応のBRAVIAでWindows7のメディア機能を試す

一条真人の体当たり実験室
一条真人
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BRAVIAのDLNAプレーヤー機能を使ってWMPサーバーにアクセスした場合と、コントローラ機能を使ってBRAVIAをレンダラーとしてビデオをリモート再生した場合では、同じビデオコンテンツを再生しているのに、明らかに映像クオリティが異なるのだ。

どう違うかというと、コントローラ機能を使った場合のほうが明らかに画質が低いのだ。HDV動画を再生した場合、BRAVIAからプレーヤー機能でアクセスして再生した場合はハイビジョンクオリティを保った映像が再生できるが、コントローラを使った場合はSD画質よりも映像が荒れているようにさえ見える。

コントローラからの再生ではレンダラー再生のメッセージが表示される。プレイヤー再生よりも画像が荒いのがわかるだろうか?

BRAVIAをDLNAクライアントとしてサーバーにアクセスして再生した場合

サーバーとなっているPCでタスクマネージャのネットワークトラフィックを見ると、実に使用している帯域が約4倍程度異なることが確認できた。当然、高画質なDLNAプレーヤーアクセス時のほうがビットレートが高い。CPU負荷も見てみたが、どちらも特に100%に張り付いているという状況でもない。

コントローラ再生時のネットワーク帯域

BRAVIAからDLNAクライアントとしてアクセスして再生した場合。


BRAVIAをDLNAクライアントとしてアクセスした場合のCPU負荷。上下に振れているが、最大でも80%程度

コントローラ再生時のCPU負荷。上下に大きく振れている


AVCHD映像でも試してみたが、KDL-26J5はそもそもAVCのDLNA再生に対応していないため、BRAVIAからDLNAプレーヤー機能でアクセスした場合、映像がカクカクする場面があった。そして、コントローラ再生の場合はHDVよりもさらに映像が荒れてしまった。

これは前述のようにAVCHDをMPEG2に変換しているからで、BRAVIAからのDLNAプレーヤーアクセス時で、CPU負荷は100%に張り付いた。同様にコントローラ再生時も100%近くを上下している。使用するネットワーク帯域(=コンテンツのビットレート)はやはり約4倍程度異なっていた。

BRAVIAからDLNAプレーヤー機能でアクセスしAVCHDを再生した場合のCPU負荷。再生中はほぼ100%に張り付く

コントローラアクセス時のCPU負荷

結果、DLNA1.0的なサーバー<>プレーヤーアクセスの場合と、DLNA1.5のコントローラ利用では同じ動画でも使用される帯域(つまりはトランスコードされる画質)、CPU負荷が大きく異なるという結果となった。

HDV/AVCHDの両方の場合で、コントローラー機能を使った場合が極端に低い帯域で再生されることとなったわけだが、AVCHDの場合はカクカクしないでスムーズに再生するためにビットレートを落としたというエクスキューズが成り立つかも知れないが、HDVの場合は理由が見あたらない。サーバー<>プレーヤー接続の場合と同じ変換形式で問題が出るわけではないからだ。

ただし、もちろんRC版は文字通り「製品候補版」。まだまだ調整やバグ取りを行っている最中だ。このようなコントローラ機能を使った場合のトランスコード判断のおかしさは、RC版ゆえの問題かも知れない。

■製品版の登場が待ち遠しい

DLNA1.5対応のネットワーク共有により、リモートメディアシェアリングやリモート再生など、興味深い機能をいくつも備えたWindows 7。そのネットワーク共有機能はWindows7同士で使う限りは、使いやすく有効なものだと感じた。しかし、今回、他のDLNA1.5対応機器との組みあわせでは、ビデオ再生や音楽再生などに関して、やや荒い動作が見られたのも事実だ。

繰り返しになるが、今回テストしたのはRC版であるため、製品版では当然、より完成度を上げ、異なるチューニングで登場することになるだろう。その実力の真の評価はその登場時にゆずることにしたい。

(一条真人)

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