公開日 2026/08/25 11:20

ソニー、新ミドルクラススマホ「Xperia 10 VIII」。スピーカー刷新、ディスプレイ50%高輝度化

新機能「Point & Pay メニュー」でよりスムーズな使用感を訴求
編集部:原田郁未
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

ソニーは、スマートフォン「Xperia 10 VIII」を9月中旬以降に順次発売する。 カラーは「フロストグレー」「フローズンホワイト」「ミスティライラック」の3色。日本向けモデルの発売日や価格、販売キャリアなどについては、後日あらためて案内される予定だ。

Xperia 10 VIII

10VIIIが掲げるコンセプトは「『これがしたい』が、すぐできる」。カメラを立ち上げる一瞬、アプリを探す手間、店舗でポイントカードや決済アプリを呼び出すまでの流れなど、スマートフォンを日常的に使うなかで生じる“小さな待ち時間”を減らすことを狙って開発されたという。

同社は製品価値として、「ソニーならではの上質な体験」「日常を止めないストレスフリー体験」「長く安心して使えるスタミナ×長寿命体験」を提示。Xperia 10シリーズの特徴である軽量ボディやバッテリー性能を維持しながら、ディスプレイやスピーカーを強化するとともに、決済時などの操作を短縮する新機能「Point & Pay メニュー」を追加した。

ディスプレイ輝度を50%アップ・ボトム側スピーカーを刷新

ディスプレイは6.1型、アスペクト比19.5:9のFHD+ OLEDを採用。最大120Hzのリフレッシュレートにも対応する。サイズや解像度、120Hz対応は前モデル「Xperia 10 VII」を踏襲しつつも、Xperia 10 VIIIでは表示性能を強化した。

大きな変更点が、10VII比で50%高めたという輝度だ。屋外で地図を見る、カメラで撮影するといった強い外光下での視認性向上を重視している。さらに、周辺環境に応じて表示色を自動調整する機能も新たに搭載。高照度環境では単に画面を明るくするだけでなく、色をより濃く表示することで見やすさを高める。

輝度を高めたという新ディスプレイは、晴天下での視認性を訴求

リフレッシュレートは最大120Hzで、ウェブブラウジングや画面スクロール時の滑らかな表示が可能。一方で60Hz動作も選択でき、バッテリー持続時間を重視する場合はこちらを利用できる。

オーディオ面では、端末の上下から正面方向へ音を届けるフロントステレオスピーカーを引き続き搭載しつつ、その性能を強化した。音量は10VII比で約15%アップ。特に100Hz - 400Hz付近の低域については30 - 100%向上したと説明しており、より深く豊かな低音と、クリアで広がりのあるサウンドを狙った。

ボトム側スピーカーを強化し、「従来のフラグシップにも匹敵する」サウンドを実現したという

発表会での説明によれば、今回は上下2基のスピーカーのうち、主にボトム側の大型ユニットを高性能なものへ変更したという。上側のスピーカーはXperia 10 VIからXperia 10 VIIへのモデルチェンジ時に強化されており、Xperia 10 VIIIではボトム側を進化させた格好だ。

ユニットの交換に加え、上下のステレオバランスを含めてサウンドチューニングも再度実施。低域の再生能力を高めることで、楽器の厚みだけでなく、男性ボーカルなど人の声の存在感も高めているという。

3.5mmオーディオジャックも引き続き搭載しており、有線イヤホン/ヘッドホンを変換アダプターなしで接続可能。Hi-Res、DSEE Ultimate、360 upmixなどのオーディオ機能にも対応する。

3.5mmオーディオジャックも搭載し、有線での音楽再生にも対応する

リアカメラは2眼構成で、16mm/24mm/48mm相当の3画角をカバーする。超広角16mmは約13MP、1/3型センサーを搭載。広角24mmは約50MP、1/1.56型センサーを採用し、光学式手ブレ補正(OIS)にも対応する。

48mmは24mmカメラのセンサー中央部を使用するクロップズームで約12MP。光学2倍相当として、デジタルズームによる画質劣化を抑えながら被写体へ寄ることができる。フロントカメラは約8MP、1/4型となる。

一方、Xperia 1シリーズでも取り入れられている考え方を活用したRAW段階でのマルチフレーム処理、大型イメージセンサー、ナイトモードの組み合わせによって暗所撮影性能を追求。

撮影時に色調や雰囲気を選択できる「ルック」機能も搭載。ビビッドな色味やフィルム調など、撮影前に仕上がりの方向性を選べるほか、動画編集アプリ「Video Creator」も引き続き利用できる。

また、10VIIから採用する物理式の「即撮りボタン」も継承する。ロック状態からでもボタンを長押しすることでカメラを起動し、構えた段階ですぐ撮影できる状態へ移行。再度ボタンを押せばシャッターを切れるため、カメラアプリを探して起動する手間を減らせる。

使用イメージ。素早い起動で撮り逃しを減らす

Bluetoothについては、送信パワーをXperia 10 VI比で最大2倍に向上。混雑する駅やイベント会場など、Bluetooth機器が多数存在する環境での接続安定性を高めているという。SoCにはQualcomm「Snapdragon 6 Gen 3 Mobile Platform」を搭載。通信は5G sub6に対応する。

物理メモリは8GB、内蔵ストレージは128GBで、基本構成はXperia 10 VIIを踏襲する一方、同製品では新たに最大6GBの仮想RAMを利用可能となった。内蔵ストレージの一部をメモリとして使用することで、多数のアプリを起動した際の動作安定性や、アプリ切り替え時の快適さを高める。物理8GB+仮想最大6GBという構成だ。外部ストレージにも対応し、最大2TBのmicroSDXCカードを利用可能。

新搭載の「Point & Pay メニュー」は、店舗で支払いをする際、店舗独自のポイントアプリ、共通ポイント、クーポン、QRコード決済など、複数のアプリを順番に開く必要があり、「必要なアプリがすぐ見つからない」という場面を想定して開発された。

「Point & Pay メニュー」は電源ボタンを素早く2回押すことで登録した複数のアプリに素早くアクセスできる

電源ボタンを2回押すだけで専用メニューを呼び出し、大きなアイコンから登録済みアプリへアクセスできる。最大8アプリまで登録可能とされ、ポイント/決済アプリに限らず、任意のアプリを登録することもできるという。このため、よく使うアプリをまとめたクイックランチャーとしても活用できる。

バッテリー容量は5,000mAhで「10シリーズ」が特徴としてきた「2日持ち」を継承する。長寿命設計も特徴で、1,480回の充電後も充電性能80%を維持すると説明。「4年後も劣化しにくいバッテリー」として訴求する。

OSバージョンアップは最大4回、セキュリティアップデートは6年間を予定。バッテリーの長寿命化とあわせて、端末を長期間使用するユーザーを意識した構成となっている。

本体サイズは約72W×153H×8.3Dmm、質量は約168g。サイズと重量はXperia 10 VIIと同一で、6.1型ディスプレイを搭載しながら軽量性を維持する。防塵性能はIP6X、防水性能はIPX5/IPX8に準拠する。

デザインは新コンセプト「Translucent Layer」へ刷新。「透明感」「レイヤー感」「軽やかさ」をテーマとし、半透明/フロスト調の素材感を取り入れている。背面のカメラ部分についても、背面パネルと重なり合う半透明の層として見せるデザインを採用した。

カメラ部分の立体パーツを透明にすることで独自のレイヤー感を演出した

端末本体と同時に、純正ケース「Style Cover with Stand XQZ-CBGH」も発売予定。背面のスタンドを開くことで縦置き/横置きの両方に対応し、動画視聴やビデオ通話などで利用できる。

純正ケース「Style Cover with Stand XQZ-CBGH」

記者が刷新したオーディオとディスプレイを体感

ここからは、発表会で用意された実機デモをもとに、Xperia 10VIIIの進化を紹介したい。

まず違いがわかりやすかったのがディスプレイだ。会場では強い照明を当てた高照度環境が用意され、10VIIと10VIIIを横並びで比較できた。50%という数字だけを見ると単純な最大輝度の向上に思えるが、実際の比較では明るさだけでなく、Xperia 10 VIIIの方が色そのものをしっかりと視認できた。地図の道路や文字、メッセージアプリのUIといった細かな要素も判別しやすい。

前モデル10VII(左)と10VIII(右)を同じ輝度設定で並べたところ

これは、新たに加わった周辺環境に応じた色調整が効いている部分でもありそうだ。強い日差しの中では地図を読む、メッセージを確認する、撮影画面を確認するといった実用面で恩恵を感じやすい。特に夏場の屋外でスマートフォンを使うことを考えると、スペック表以上に日々の使い勝手へ効いてくる改善と言えそうだ。

オーディオについても、10VIIと10VIIIを比較できる試聴環境が用意されていた。

 左から、10VII、10VIII

比較してみると、前モデルより音量そのものが増しているが、より印象的なのは低域だ。低音が単純に強調されたというより、音の土台がしっかりしたことで、ボーカルや楽器がより粒だち良く聴こえる。ソニーの担当者によれば、10VIIIで目指している音作りの方向性は、フラグシップである“Xperia 1シリーズ”と共通するという。

過度に加工されたような音へ寄せるのではなく、信号処理を施しながらも“処理感”を前面に出さず、自然な広がりや音色を追求するという考え方だ。さらに担当者からは、Xperia 10 VIIIのスピーカー性能について「Xperia 1IVくらい」のレベルまで来ているとの説明もあった。

スマートフォンでは下面にスピーカーを配置する構成も多いが、Xperiaは上下とも正面を向くフロントステレオ構成を継続している。内部スペースが限られるスマートフォンでスピーカー用の容積を確保すること自体が設計上の負担となるが、それでも音質を優先してスペースを割り当てるのがソニーのこだわりだという。

特に動画をイヤホンなしで見ることが多いユーザーにとって、今回のスピーカー強化は購入時に確認しておきたいポイントになるだろう。

カメラ体験では暗い環境が用意され、10VIIIと「Xperia 5V」をそれぞれナイトモードで撮影できた。5Vは大型センサーを採用し、当時のXperiaのカメラにとって大きな転換点となったモデル。今回、ミッドレンジのXperia 10 VIIIと直接比較すること自体が、10シリーズのカメラ性能向上を示すデモとなっていた。

左からXperia 5V、 Xperia 10VIII

比較時には10VIIIも色味や被写体のディテールをしっかりと確保。特に明るい部分では、5V側が白く飛び気味に見えるシーンでも、10VIIIは色や階調を残して見える場面があった。

「スペック」ではなく「体験価値」で伝えるXperia

担当者によると、近年はXperia 5シリーズの新製品が登場していないことから、Xperia 5シリーズから10シリーズへ移行するユーザーが増えているという。特に前モデルの10VII頃から、その傾向が見られるとのことだ。

5シリーズの新製品が登場しなくなって以降、10シリーズでは従来以上に“ソニーらしさ”を担うことを意識しているという。特にスピーカー、ディスプレイ、カメラといったエンターテインメント性能を積極的に強化する一方、10シリーズ本来の中心的な価値である日常の使いやすさやシンプルさ、バッテリー性能についても維持してきたと語る。

今回の10VIIIも、その方向性を踏襲する。スピーカーやディスプレイといったAV性能を高める一方、「Point & Pay メニュー」のような日常の操作性を改善する機能も追加。エンターテインメント好きだけに向けたモデルではなく、一般ユーザーが普段使いで便利に感じられながら、映像や音楽を楽しみたいユーザーにも満足感を提供できるバランスを探っているという。

また、担当者はXperiaについて、スペック表だけで他社製品と横並びにすると「価格が高く見えやすい」と説明する。そのため近年は、個々の数値だけでなく、実際に使ったときに得られる「体験価値」を重視して訴求しているという。

特にスピーカー性能は、スペック上の数値だけでは音質の違いを伝えにくい。そこでソニーストアやキャリアショップなどで実機に触れてもらい、ユーザー自身に違いを体験してもらう取り組みを重視している。また、エンジニアとユーザーが直接話す機会も積極的に設け、「ソニーらしいこだわり」を実際の製品を通じて伝える活動を地道に続けているという。

販売スタッフに対する製品理解の促進にも力を入れている。キャリアショップなどのスタッフを対象に、担当者によれば数万人規模で勉強会を実施。単にスペックを説明するだけではなく、実際に端末を触りながら「今回何が良くなったのか」「何を一言で伝えればよいのか」を体験してもらう内容としている。

そうした体験を店頭での説明にも落とし込み、ユーザーに製品の特徴を伝えてもらう狙いだという。スペックだけでは見えにくいスピーカーやディスプレイの違い、日常操作の改善といった部分を、実際の使用感を通じて理解してもらうことを重視しているという。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 B&W「D5シリーズ」国内正式発表。「801 D5」はペア924万円から、「プロジェクト・ノーチラスの到達点」
2 【ミニレビュー】解像度高く質感も充実。IsoAcousticsのデスクトップスタンド「Aperta」
3 iFi audio、DAC内蔵ヘッドホンアンプ/ストリーマー「iDSD Phantom」8/28発売決定
4 『季刊・オーディオアクセサリー 202号』8/25発売。表紙はB&W「801 D5」&記念特集「オーディオ用電源のはじまり」
5 HIFIMAN、かつての最上位平面磁界ヘッドホンを復刻した「HE6 Remastered」。ドライバーはそのままに軽量化
6 再生機で画質はどう変わるのか? ~画質はディスプレイだけでは決まらない~
7 JBLのAI搭載アンプ&スピーカー「BandBox」がクラファン支援額1億円突破
8 最新オーディオ製品が集結!「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ」、11/21-22に浅草橋にて開催決定。入場無料
9 ヤマハ、7.2ch AVアンプ「RX500A」の発売を10月上旬に延期
10 パラダイム、新世代スピーカー「Premier Series v2」。新開発ドライバーなどで設計を全面刷新
8/25 11:17 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー 202号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.202
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
ケーブル大全2026
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.34 2026 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.34(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • AEX
  • AA AWARD
  • analog Grand Prix