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ソニーの音声ARアプリ「Locatone」を使用した“街歩き型イマーシブシアター。記者が体験してきた
ソニーの音声ARアプリ「Locatone(ロケトーン)」を活用した、神楽坂の街なかを歩きながら体験するイマーシブ演劇『-記憶の質屋- ほの灯り堂』が、2026年4月下旬から5月上旬まで上演予定だ。主催はロングランプランニング株式会社。
本稿では、2月4日(水)に実施されたプレ公演を編集部記者が実際に体験した内容を交えつつ、本作の特徴をレポートする。
ロケトーンは、GPSと連動してその場所に応じた音声を再生できる音声ARアプリ。本作では参加者が物語の登場人物となり、ロケトーンと連動したイヤホンから流れる音声に導かれながら、神楽坂の街を実際に歩いて物語体験を行う「街歩き型イマーシブシアター」として設計されている。
本作のストーリーは、記憶を預かる質屋「ほの灯り堂」を訪れるところから始まる。参加者は、ほの灯り堂に預けられた人々の記憶を追体験するという形で、神楽坂で繰り広げられた物語を体験する。昼の部では戦後の歌姫をめぐる物語が、夜の部では明治の文豪にまつわる物語になっており、それぞれ神楽坂にゆかりのある実話がベースとなっている。
本作では、参加者は俳優が演じるキャラクターに出会い、ときに会話を交わしながら物語が進行するが、体験の“導線”を担うのがロケトーンの音声だ。進行の節目では音声によるルート案内が入り、参加者はそれに従って細い路地や坂道を進む。移動中にもナレーションは流れ続け、ストーリーを進行させると同時に、自身が物語の主人公になったかのような没入感を得られる構成となっている。
取材時に体験した回では、一定のポイントに到達すると鈴の音が鳴って注意を促し、「次の角を左に」「その路地をまっすぐ」などといった移動ナビゲーションが流れた。GPSと連携したリアルタイムの音声ガイダンスにより、街歩きの最中でもストーリーの流れが途切れにくい。
また、登場人物が悲しげに語る場面では、イヤホンから物悲しいBGMが流れ、物語の心境により深く寄り添うことができた。
さらに没入感を高める演出として、動きに連動した音声も特徴的だった。体験した回では雪の降る神楽坂の街並みが舞台となり、歩くのに合わせて積もった雪を踏み締める足音がイヤホンから再生される。
足を早めると足音もそれに合わせてペースアップするなど、動きと連動した音声が流れる仕組みだ。これは、ロケトーンがスマホの振動や揺れなどを検知し、音声を切り替えているためだという。
本作は、参加者の行動や選択、発言によってストーリーが分岐、異なる展開を迎える点も大きな特徴だ。分岐により街なかで巡る場所が変わり、それに伴って流れる音声も変化するため、リピート参加でも別の展開を楽しめる。
公演後にはロケトーンアプリ内に「アフタースポット」として新たな音声が追加され、物語のベースとなったゆかりの地を巡る街歩きも楽しめる。
また、一度聴いた音声はアプリ内のアーカイブに保存されるため、リピート参加で音声をコレクションすることも可能。公演期間中は同アプリで何度も音声を楽しめるという。
本作は、SoVeC株式会社とソニーマーケティング株式会社がシステム提供・制作協力として携わっている。
SoVeCの八木泉氏は、「ロケトーンを用いたエンタメ事例自体は複数あったが、リアルな演者とのコミュニケーションを組み合わせるのは新しい試みのため、試行錯誤を繰り返した」と今回のイベントについて語り、「渋谷や銀座など、異なる街でも同様の取り組みができるのでは」と今後の展望も口にした。
『-記憶の質屋- ほの灯り堂』のチケットは税込5,200円で、参加にあたってはロケトーンのアプリをダウンロードしたスマートフォンが必須となる。
音声を聴くためのイヤホンはオープンイヤー型が貸し出され、基本的にはこれを使用する。参加者自身のイヤホンでも体験は可能だが、街歩きや演者のセリフをより楽しむため、持参する場合はオープンイヤー型イヤホンがおすすめだ。
また、参加者は配布される羽織を着用しての参加となるため、羽織を羽織れる服装を選びたい。また坂道などの散策もあることから、動きやすい格好での参加がよいだろう。そのほかイベント詳細やチケット情報は公式サイトで確認できる。






















