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今後注目の弩級DAPも国内初上陸!「ポタフェス2025名古屋」徹底レポート
10月4日、e☆イヤホン主催のポータブルオーディオ展示試聴会「ポタフェス2025 名古屋」が開催された。今年の会場は、前回までのナディアパークから、繁華街・栄の地下街に直結した中日ホールに移動。怪しい空模様ながら、11時の開場前には100人以上が並び、開場後も最新製品の試聴に訪れるユーザーが引きも切らない盛況ぶりを見せた。
本稿では、イベントに出展された発売直前/直後の新製品や、いち早くお披露目された開発中の参考出展品を中心にレポート。また後半では、今年で開店10周年を迎えるe☆イヤホン名古屋大須店の近況/展望もお伝えしたい。
FIIO、HiByから今後注目の大型DAPが参考出展
今回のポタフェス名古屋では、10万円を超えるハイクラスのプレーヤーが続々と登場した。
エミライから参考出展されたのは、FIIOの次期フラグシップDAP「M27」。チタニウムボディ/アルミニウムボディの2モデルがラインナップされ、国内では今年冬ごろ発売予定だという。海外での価格は、チタンモデルが2099.99ドル(現在の為替で約31.5万円)、アルミモデルが1699.99ドル(約25.5万円)となっている。
その価格、大きさに違わず、投入された物量はまさしくフラグシップ級。ヘッドホン出力は4.4mmバランス/3.5mmシングルエンド/6.3mmシングルエンドを備え、バランス時の最大出力は5,000mWと大型ヘッドホンの駆動にも困らないレベル。DACにはESS「ES9039PRO」をデュアル構成、プロセッサーにはクアルコム「QCS6490(Snapdragon 778G)」を搭載。Bluetoothチップは同じくクアルコムの「QCC5181」で、ロスレス伝送が可能なaptX Losslessコーデックをサポートしている。


ほか、microSDカードスロット2基、同軸デジタル入出力と光デジタル出力、電源供給用/データ伝送用で分離したUSB Type-Cポート、外部電源が供給されている間に限りアンプのパワーを引き上げるデスクトップモードなどなどインターフェース/機能が豊富。ホームオーディオシステムともシームレスに連携できる、「持ち運べるデスクトップオーディオ」とでもいうべき弩級のプレーヤーに仕上がっている。


ミックスウェーブが取り扱うHiBy Musicからも、次期フラグシップクラスのDAP「RS8 II」がお披露目された。HiByの “RSシリーズ” は、独自開発のR2R DACプラットフォーム「Darwinアーキテクチャー」を用いた音作りが特徴だが、今回はその最新世代「Darwin III」が搭載されており、さらなる音色の洗練が期待できる。サンプリングレートは最大でPCM 1536kHz、DSD1024(45.2MHz)まで対応と、前モデルのハイスペックを踏襲している。
また別の注目ポイントとして、プロセッサーにクアルコムの「Dragonwing QCS8550」を採用している点がユニーク。“Dragonwing” プロセッサーは、主に産業/IoT機器向けに今年立ち上げられた新しいブランドで、スマートフォンやAndroid DAPではもはやお馴染みとなった “Snapdragon” プロセッサーとは兄弟関係にある。今回は参考出展ということで不明な点も多かったが、この最新のプロセッサーを採用した背景や利点については、今後改めて紹介されるはずだ。
MUSINの取り扱う2大ブランド、iBassoとSHANLINGからも、それぞれ10万円超のDAPが展示された。
iBassoの「DX340 GOLD EDITION」(約31万円)は、既に発売中の「DX340」の全身に24K金メッキを施した、全世界119台限定の特別仕様モデル。着脱式アンプの「アンプカード」の外装も金色で統一されている上、付属アンプカード「AMP15MOD」は希少なコンデンサーを使った再チューニングを行っており、音色の面でも通常モデルとひと味違うリッチな体験が味わえる。


SHANLINGの「M7T」(約19万円)は、10月10日に発売予定の真空管アンプを搭載したAndroid DAP。DAC部には、デジタル処理/アナログ処理を分離することで音質に悪影響をおよぼすノイズ干渉を排除する、AKMの「AK4498EX」×2と「AK4191」のセパレートソリューションを採用。またアンプ部には、レイセオンのミニチュア真空管を用いた真空管アンプ回路と半導体アンプ回路の2つを搭載し、好みの音調を選べるデュアルアンプを採用。新しさと懐かしさが同居した設計が特徴となっている。


DAP以外にも参考出展として、ミニチュア真空管のクアッド構成フルバランスアーキテクチャを採用し、最大2,300mW×2の大出力を実現したというiBassoのポータブルアンプ「PB6 MACAW」(予価約8万円前後)、AK4493 DACチップを採用したSHANLINGのシンプルなポータブルCDプレーヤー「EC Zero」(予価約5万円前後)といった取り扱い予定のポータブルオーディオをいち早く試すことができた。
ティアックは、デスクトップオーディオ “Reference 500シリーズ” の試聴システムを展示。この9月に発売されたCDトランスポート「PD-507T」(約22万円)をはじめとするシリーズ一式を、finalのヘッドホンで試すことができた。
PD-507Tは、放送局用CDプレーヤーで採用実績のある業務用メカニズムで高精度にCDを読み取り、外部のDACへピュアな信号を送り出すためのトランスポート。前モデル「PD-505T」と比べて、同軸/光デジタル出力のうち使用していない回路をオフにすることが可能になり、デジタル出力の純度をさらに向上させている。
コペックジャパンのCayinブランドからも、DAP「N7Plus」が参考出展。超小型1bit DAC回路を採用する既存モデル「N7」をベースに、アンプ出力やバッテリー持ち、外装の質感などを強化したグレードアップモデルという位置づけとのこと。
B&W「Px8 S2」など、大手イヤホン/ヘッドホンブランドの最上位モデルがそろい踏み
ディーアンドエムホールディングスからは、9月25日に発売となったBowers & Wilkins(B&W)の新フラグシップBluetoothヘッドホン「Px8 S2」(約13万円)が初展示。デザインも精悍な老舗オーディオブランドの最新製品には、来場者の目が自然と吸い寄せられていた。
スピーカーゆずりのカーボンコーンを搭載した40mmダイナミックドライバーや、音質を損なわず、かつ効き目の強さの両立を図ったアクティブノイズキャンセリング(ANC)などをより洗練。Bluetoothにおいても、ロスレス伝送を実現するaptX Losslessをサポート。音楽に没入させる音質と装着性、所有欲を満たす質感は、“ワイヤレスヘッドホンのリファレンス” というコンセプトにふさわしい水準まで突き詰められている。


大手オーディオブランドもそれぞれの主力製品を展開。オーディオテクニカは、7月11日に登場した最上位完全ワイヤレスイヤホン「ATH-TWX9MK2」(約3.9万円)や、「スター・ウォーズ」とコラボレーションした「ATH-CKS50TW2」を展示。テクニクスは、6月中旬に新カラー “シャンパンゴールド” が加わった最上位完全ワイヤレス「EAH-AZ100」(約4万円)の音質を、有線イヤホンの「EAH-TZ700」(約13万円)とともにプッシュする。
JBLのイチ押しは、同ブランド初のイヤーカフデザインを採用した「JBL Soundgear Clips」(約1.9万円)。イヤーカフ型の完全ワイヤレスイヤホンではまだ珍しいスケルトンデザインが一際目を引く。JVCケンウッドも、この8月に3色のカラーバリエーションを追加したイヤーカフ型モデル「HA-NP1T」(約2.2万円)の気軽な装着性とアクセサリー感をアピールしていた。
ゼンハイザーは、ブランド初のオープンイヤー(インナーイヤー)デザインで着け心地を高めた「ACCENTUM Open」(約1.7万円)から、音質とANCを突き詰めた「MOMENTUM True Wireless 4」(約5万円)まで、完全ワイヤレスイヤホンの幅広いラインナップを訴求。Shokzは、Dolby Audio技術やケースのワイヤレス充電をサポートし、音質/使い勝手の両方をブラッシュアップした8月末発売の “ながら聴き” 完全ワイヤレス「OpenFit 2+」(約2.8万円)を公開していた。
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