公開日 2019/01/10 13:07

ソニー、バランス入力に対応したリニアPCMレコーダー「PCM-D10」。XLR/TRS入力端子搭載

プロやセミプロから趣味用途まで
編集部:平山洸太
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ソニーは、2系統のXLR/TRS入力端子を備え、バランス入力に対応したリニアPCMレコーダー「PCM-D10」を1月26日に発売する。価格はオープンだが、50,000円前後での実売が予想される。

「PCM-D10」

リニアPCM 192kHz/24bitのハイレゾ録音/再生に対応し、マイクには可動式の高感度ステレオマイクロホンを内蔵。「伸びのある低域やバイオリンの倍音を含む広域の音源も豊かに録音可能」とし、「プロやセミプロから趣味用途まで、高品位な音楽・音声レコーディングを実現する」とアピールしている。

マイクは外/正面/内の3段階で可動する

2系統のXLR/TRSコンボジャックを搭載することで、外部からのバランス入力に対応した。48Vのファンタム電源供給にも対応するほか、プッシュロック構造によりケーブル抜けを防止、また高剛性とノイズブロックのために金属シールド板が採用されている。

2系統のXLR/TRS入力端子を備える

ADコンバーターには、AKM製「AK4558」を採用。デュアル搭載することで高いSN比を実現したとする。本体側面にはアナログ式の録音レベルダイヤルを搭載。デジタルボリュームとは異なり小音量時でもビット落ちせず、MIC入力の広いダイナミックレンジに対応できることに加え、無段階調節が可能なためレベル切替時のノイズを抑制できるという。また、レベルダイヤルは引っ張る/押し込む操作により、レベル調整をLR同時に行うか、それぞれ個別に行うかを選択することが可能。

LR独立/同時のボリューム調整が可能

3,300μFの大容量電源コンデンサーを2基搭載。これにより動作時の電源変動を抑え、供給電源を安定化させることで、レコーディングの精度向上を図った。基板レイアウトはアナログ回路とデジタル回路のエリアを分ける最適化を行い、ノイズの影響を受けにくい高音質回路を実現したとする。

3,300μFの大容量電源コンデンサーを2基搭載

メイン基板

ヘッドホン出力の音質にも配慮しており、ヘッドホンアンプには高品位アナログヘッドホンアンプ「MAX9723」を採用。ボタン式のデジタルボリューム調整に対応しつつ、内部にアナログボリュームコントローラーを内蔵するため高いヘッドホン出力を実現したという。さらにヘッドホン出力チャンネルの切替に対応し、ステレオ出力、Lのみ出力、Rのみ出力といった選択が可能。

左側端子部

特徴的な録音機能として「デジタルリミッター」と「高S/Nモード」を搭載する。「デジタルリミッター」は過大入力による音の歪みを防ぐ機能。録音時、通常の音声とともに12dB低い信号を常に確保しておき、拍手などの突発的な音の入力があった場合にその時点まで戻って録音データを差し替え、録音データのレベルを最適に保つという仕組み。

「高S/Nモード」は微小な音もクリアに録音するための機能。デジタルリミッターで使われているADコンバーターの仕組みを応用し、AD変換時の機器内部のノイズを低減。通常ではノイズに埋もれて聞きづらくなってしまうような小さな音を録音した際、その部分をノイズ低減したデータと差し替える。なお、デジタルリミッターと高S/Nモードの同時使用はできない。

その他、プリレコーディング機能、クロスメモリー録音機能など、上級機である「PCM-D100」譲りの機能を多く搭載する。1チャンネルの音声レコーディング向けに、モノラルレコーディングにも対応した。

デザインでは、左右のチャンネルのピークレベルを示すLEDを3つ搭載(PCM-D100は2つ)。モニターでは左右それぞれのピークレベルが表示される。また、インターフェースは物理キーや物理ボタンを本体前面に配置することで、メニュー画面から設定項目を探す手間を減らし、直感的な操作ができるとする。

3つのLEDでピークレベルを表示

USB端子に Type-Cを採用しており、PCとのデータ通信や別売のACアダプター/モバイルバッテリーによる外部電源供給にも対応する。また、Bluetoothを搭載することで、スマートフォンアプリ「REC Remote」によるワイヤレス操作、録音状態の確認といったことも行え、NFCでのワンタッチ接続にも対応。またワイヤレススピーカー/ヘッドホンなどと接続し、録音したファイルや音楽コンテンツのワイヤレス再生も可能。

アプリから操作をすることができる

外形寸法は80.2W×197.6H×37.4Dmmで、質量は約480g(電池を含む)。内蔵メモリは16GBで、SDカードスロットも搭載。電池は単3型×4を使用し、持続時間は約30時間(録音モニターON、44.1kHz/16bit ステレオ録音時)、約6時間(録音モニターあり・XLRマイク・ファンタム電源オン時)となっている。またUSB Type-Cケーブル、キャリングポーチ、ウインドスクリーン、単3型アルカリ乾電池が付属する。

ウインドスクリーンを装着した様子

背面。電池は単3×4で動作する

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