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公開日 2011/04/27 17:39

シャープ、2010年度決算を発表 − 売上/利益が大きく伸長も事前予想には届かず

売上げは2007年度以来の3兆円超え
ファイル・ウェブ編集部
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シャープ(株)代表取締役 兼 副社長執行役員の安達俊雄氏
シャープ(株)は、2010年度の連結業績を発表した。会見には代表取締役 兼 副社長執行役員の安達俊雄氏らが出席した。

売上高は3兆219億円で、前年比9.7%増だった。売上高が3兆円を超えるのは2007年度以来。ただし昨年10月に通期予想として発表していた3兆1,000億円は下回った。これは主に東日本大震災に伴う需要減が理由という。

また営業利益は前年度の519億円から788億円に伸長し、52%増となった。経常利益については591億円と、前年度比90.8%増を記録。純利益は194億円で、前年度の43億円から4倍以上の実績を残した。

なお、特別損失には126億円を計上。これは主に、亀山第2工場の一部ラインを中小型液晶製造用ラインに転換する費用として発生したものという。

部門別の売上高と営業利益を見ると、AV・通信機器の売上高は、薄型テレビやBDレコーダーの伸長を背景に1兆4,267億円となり、前年比107.1%を達成。営業利益は407億円で、前年比261.8%と大幅な増益を記録した。

なお健康・環境機器や情報機器をあわせたエレクトロニクス機器全体の売上高は1兆9,705億円で、前年比106.9%。営業利益は792億円で前年比149.3%だった。

一方、液晶パネルや太陽電池、その他電子デバイスなどの部品事業は、売上高は1兆5,540億円で前年比113%だったものの、営業利益は307億円となり、2009年度の350億円に比べ約12.4%減となった。液晶パネル、太陽電池ともに需要は旺盛だったものの、価格下落の影響が大きかったという。

商品別の細かな販売動向を見てみると、液晶テレビの2010年度の売上高は、前年比120.5%の8,035億円となった。国内で3月の急激な落ち込みがあったことから、販売台数は1,482万台となり、当初計画の1,500万台には達しなかった。

なお液晶テレビの国内販売は、エコポイント制度による後押しやクアトロンの好評があり、6割増を記録。また中国市場についても、売上高、販売台数ともに2桁成長を達成したという。

液晶テレビ事業の、2011年度の見通しにも言及。国内市場について安達氏は「エコポイント特需の反動が予想されるし、地アナ停波後の年後半は一層厳しくなる」とする一方、「海外は引き続き堅調な成長が続いていく。これに応じて中型サイズのラインナップを強化する。また成熟していると考えられている北米でも、60インチ超のモデルを投入し、新しい需要創造を行う」と喚起した。

安達氏は液晶パネル事業の2010年度の売上高についても説明。大型液晶パネルは「昨年前半は需給バランスがタイトで好調だったが、その後欧米市場の伸び悩みが顕著になったり、中国ではローカルブランドの販売が不振になるなど、パネルの需給環境が悪化した」とした。

その結果、価格下落と市場在庫の増加が続いたことから、適宜1〜2割の生産調整を実施していた。また、3月の東日本大震災による需要減などもあり、4月初旬から大型パネル供給を一時停止していた。

今後の大型液晶パネル生産の見通しについては、「5月の連休明けには稼働を再開したい」と説明。「今後は亀山第2工場の一部ラインを中小型へ転換していることもあり、高稼働率を維持できるのではないか。また、従来から取り組んできた『地産地消』と言う考え方も進めていきたい。さらにモジュールや設計の共通化、最適生産機種への絞り込みなどを行い、大型液晶パネルの収益構造見直しを図っていきたい」と述べた。

安達氏は中小型液晶パネル事業についても言及。「第2四半期以降、需要が旺盛になった。特に我々が得意とする高精細パネルへの引き合いが強く、フル稼働の状態となっている」と説明。「亀山第1工場でのスマートフォン向けパネル生産に向けては、すでに動いているし、亀山第2についても一部を中小型へシフトする」と、大型パネルから中小型パネルへの転換を積極的に進める考えを強調した。

なお携帯電話事業については、「年末に投入したスマートフォンに注目が集まり、高い評価を得た」としながらも、「スマートフォンの投入が第3四半期、年後半となったことで、売上高は4,132億円と、前年度比90.9%となった」と、スマートフォン投入の遅れが売上げ減につながったことを示唆した。「今後は海外メーカーに対抗しうるグローバルスマートフォンを開発し、業績向上につなげたい」と述べた。

2011年度通期の業績予想については、東日本大震災などによる影響を精査するため、本日は発表されなかった。予想が確定し次第、速やかに公表するとしている。

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