公開日 2006/05/25 18:02

未来の放送技術が集結 − 「NHK技研公開2006」会場レポート(1)

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NHK放送技術研究所の公開展示が、本日25日(木)から28日(日)まで開催されている。今年もデジタル放送の再送信技術やスーパーハイビジョンシステムの公開など、話題を集める技術展示が行われている。今回も会場展示内容のレポートをお届けしよう。

■実用化が進むスーパーハイビジョンシステムの技術

水平7,680×水平4,320画素の解像度を持つ「スーパーハイビジョン」の超高精細映像・音響システムについては、今年はいよいよ各家庭への配信を視野に入れたシステムの展示が行われた。

NHKは2005年11月2日に、世界で初めての非圧縮スーパーハイビジョンの生中継伝送実験を試み、成功をおさめている。研究所では現在も有線方式による非圧縮伝送の研究が進められているが、今回はスーパーハイビジョンの24Gbpsの信号を非圧縮のまま16波の高密度波長多重方式で、1本の光ファイバーにより伝送するための装置が展示されている。

一方で、将来的にスーパーハイビジョンを各家庭に送るため、映像を効率的に信号を圧縮して伝送する衛星システムの研究内容も紹介された。今回公開されたのは、スーパーハイビジョン映像信号を180〜600MbpsのMPEG-2映像に圧縮する符号化装置だ。広帯域ネットワークでの長距離番組伝送や、番組の長時間記録への活用が期待されている。本機と合わせて、圧縮信号を21GHz帯擬似衛星中継器で伝送する将来の衛星放送のイメージも紹介されている。


光ファイバーによるスーパーハイビジョン伝送システムの展示

21GHz帯擬似衛星中継器
スーパーハイビジョンカメラについては、昨年のイベントで公開されたものから幾つかの改良が施された最新機が展示されている。今回の機種では撮像素子がCCDからCMOSへ変更されたほか、ズーム撮影が可能な専用レンズが搭載された。光学系も2.5インチから1.25インチに小型化され、全体の重量が80kgから約半分の40kgにコンパクト化されている点も大きな特徴だ。今回のイベントでは、会場入口に設置したスーパーハイビジョンカメラの映像を、リアルタイム伝送する実験も各所で行われていた。


スーパーハイビジョンカメラも高機能化・コンパクト化を実現

カメラの処理部を別筐体とした点もコンパクト化に貢献している

会場入口でスーパーハイビジョンのリアルタイム映像を撮影
今年もスーパーハイビジョン映像の特設公開展示が行われている。今回は先にアメリカで開催された「NAB2006」で使われた2種類の非圧縮のデモ映像と、会場入口で撮影中のリアルタイム映像を、4K2Kのプロジェクター2台を使って大型スクリーンに投写している。音響環境は48個のスピーカーで構成される22.2chの3D音響システムだ。


スーパーハイビジョンの体験展示。会場入口で撮影中のリアルタイム映像も公開する

音声は22.2chサラウンド
■迅速にハイクオリティな番組をつくるためのシステム

良質な番組づくりのための環境もますます整備が進んでいる。実写とCGの映像合成による、番組出演者の支援システムでは、カメラの電子シャッターに同期した間欠表示を利用し、出演者だけに見え、カメラに写らない台詞や残り時間などをCGで表示する技術が公開された。またカメラには映らない赤外線LEDをスタジオセットに埋め込んで、赤外線センサーを一体化したコンパクトなカメラで自然なCGと実写映像の合成を実現するシステムの解説も行われている。


カメラの電子シャッターの仕組みを応用したインビジブルパネルのデモ

実写とCGを別々に映すことができるカメラも開発中だ
貴重な映像アーカイブを効率的に活用していくことも、将来の番組制作にとって大きな課題だ。今回は主に局内向けのシステムとして、大量に蓄積された映像から必要な映像を検索するための2種類の技術が紹介された。映像の大まかな構図を指定し、類似した映像を検索する技術や、番組に付随する字幕情報を利用した映像検索のアプリケーションが、教育系の映像素材をベースに紹介されている。


映像アーカイブをざっくりとしたイメージの構図で検索できるシステム

こちらは字幕情報による検索システムのデモ
【イベント概要】
●イベント名:NHK技研公開2005
●日時:5月25日(木)〜28日(日)
    午前10:00〜午後5:00
    (入場は午後4:30まで)
●会場:NHK 放送技術研究所
    東京都世田谷区砧1-10-11
NHK技研のホームページ
    

(Phile-web編集部)

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