“ローレゾ”だって楽しい!クロームも対応、WE ARE REWINDのカセットデッキが熱い!
連載第9回目となる「オーディオを、遊ぼう!“ザ・良音計画”」。風薫る5月。心地よく “音に取り組める時期”の主役として紹介するのは、フランス発のカセットこだわりまくりブランド「WE ARE REWIND」の注目作「GB-001」だ。
アナログ2ndウェーブ「カセットテープ」
2000年代前半にアメリカで興ったとされるレコードの再評価は、20年が経過した現在ますますBURN UP!しかもおもしろいことに、海外の人びとが円安日本でレコードを買いまくるという異常事態を巻き起こしている。
レコードには30cm角というサイズの強みがあり、まず視覚に訴える。なにしろ昨今ではイカしたインテリアの三要素として、観葉植物、間接照明、レコードプレーヤーと言われているくらいだ。
そんなレコードフィーバーに続く「アナログ2ndウェーブ」がカセットテープ。ただしカセットがレコードと決定的に違うのは、その主たる特性が記録メディアである点だろう。むろんかつてはカセットもソフトとして販売されていたが、敢えてカセットを選ぶ人は少なかったはず。なぜなら当時の音の仲間たちは、レコードやCDを頂点に、カセットはよりお手軽なメディアと捉えていたからだ。
また中古カセット市場がほぼ存在しなかったのも幸いした。レコードの場合、安定した2ndマーケットが存在したため、多くの人はCDが登場した時に、あるいは引っ越しやライフステージが変わるごとにレコードを「売却」というカタチで手放すことができた。
対して録音済みカセットなどは売るに売れない。だから「捨てるくらいなら、実家に残しておこう」という人もあり、その意図せぬ結果として「あの頃に録ったラジオ番組」や「バンド演奏の録音」「レンタルからダビングしたアルバム」が手元に大量に残された……。さまざまな意味で、正面からカセットに取り組む機が熟したわけだ。
「WE ARE REWIND」とはどんなメーカー?
さて今回の主役「GB-001」をリリースした「WE ARE REWIND」だが、彼らは、2025年にモバイルカセットプレーヤー「WE-001」をリリースして注目を集めたフランス発のブティックオーディオブランドだ。
「WE-001」は往年の何かをデッドコピーしたような「なんちゃってガジェット」とは一線を画するオリジナルな意匠をまとい、ノーマル、クローム、メタルまで対応といった “メカに対する本気度” をみせていた。そんな「WE ARE REWIND」の新製品だけに「GB-001」には注目せずにいられないのだ。
Bluetoothにも対応する現代のラジカセ
「GB-001」を見たら多くの人が「ラジカセだ」と思うだろう。しかしそれは間違い。「GB-001」は「ラジカセ」ではなく「ステカセ(ステレオカセットプレーヤー&レコーダー)」。というのも本体にはラジオ機能を搭載していないからだ。
主たる機能としてはカセットの録音と再生、それにAUXとMICによる外部入力とBluetooth。カセットはTYPE-I(ノーマル)とTYPE-II(クローム)に対応する。AUXはたとえばテレビとつなげば映像コンテンツをより楽しむことができるだろう。
バッテリー内蔵、電源ワイヤレスで使えるから、MIC入力に楽器やマイクをつないでPAスピーカーとして使うこともできるし、プライベートなイベントや、それこそ社内研修、はたまた代議士の駅前演説(⁉)などに使ってもいい。「ラジカセで駅前に立つ代議士」として選挙区での知名度アップの一助になるかも知れない⁉
結局のところ、カセットテープの録再の他は、Bluetoothさえあれば「なんでもあり!」なのは現代的標準と言えるだろう。
カセットテープサウンドの味わい
ジャケットサイズや操作手順という要素があるにしろ、「なぜレコードが人気か?」と言えば、結局はサウンドに独自性があるからだ。それがCD以降世代にとっては「新しい」ものとして響く。
ではカセットテープは?というと、レコードよりもっと違う。レコードの場合「味なサウンド」という評価もできるが、カセットテープは「サー」というヒスノイズが添付してくることもあって「なんだこれ?」と感じられるかも知れない。でも「そこがいい!」となるのだから、巡る巡るよ時代は巡るのだ。
実際数値で見ても、「GB-001」のカセットの再生周波数は、40Hz〜12.5kHz。ハイレゾは〜100kHzと言っている時代に、である。だからカセットはまごうことなき(?)ローレゾであるが、音源が秘めたもうひとつの表情を伺わせてくれる興味深いメディアともいえる。
録音してこそテープの醍醐味!
カセットテープの場合、再生して聴いているだけでも充分FUNだが、じゃあ本企画特有の「遊び」という面をどう捉えるか? そこで辿り着いたのがやはり録音なのだが……閃いた! かつて楽しんでいたバンド活動のライブ音源をMP3化してスマホに移し、それをBluetooth経由でカセット録音してみよう。
まあ、もともとヘタっぴなアマチュアの演奏にテープ音質を掛け合わせてどうする(笑)という疑問はあるが、企画のために目をつぶろう。録音はライブハウスの(たぶん)エンジニアが行っており、われわれバンド側にはCD-Rで渡された。
録音の手順に特別なところはない。PAUSEボタンを押してからREC+PLAYボタンを押せば録音スタンバイOK。そのまま音楽を再生して正面2基のレベルメーターを見ながらRECレベルを調整。だいたいレッドゾーンに入らないくらいに合わせたら、改めて再生〜録音スタートといった具合だ。
もともとややコモり気味の音ではあったが、より上下が丸く、気持ち中域あたりが膨らんだことで、ギターやシンセなどメロディ楽器が主張するバランスになった。
むろん「GB-001」本体のオーディオクオリティは安心の現代音質。再生周波数としては40Hz〜20kHzをフォローしており、BASS、TREBLE、BALANCEコントロールができるので、聴く場所や音楽ジャンルに応じてぐいぐい調整すると楽しいだろう。
カセットやろうぜ!
我が家ではケンウッドのカセットデッキ「KX-5010」が現役だ。バンドブームの頃ダビングしまくったテープもごっそり残っているので、いまだにほぼ毎日カセットサウンドを聴いている。昨今さらにテープ病が重くなり、ついにオープンリールデッキを手に入れた。
PHILE WEB読者の皆さんであれば、カセットサウンドを「懐かしい!」と思い起こすことができるはず。中には「実家に残っているはず」という方も。
ぜひもう一度、テープサウンドに出会ってみてはどうだろう。ハイレゾを極める、頂点を極めるのとは違う音の探究心が刺激されるはずだ。
いきなり「GB-001」を手に入れるもよし。先に触れた「WE-001」やAUREX「AX-W10C」、FIIO「CP13」などのモバイルタイプをゲットするのも、また善し。

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2023/08/03
さあ音の仲間たちよ、時はきた。いまこそ「テープやろうぜ!」


