公開日 2025/10/07 18:46

テクニクス、上位機の音質設計を受け継ぐミニマル・アナログプレーヤー「SL-50C」

価格は10万円を切る
編集部:太田良司
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パナソニックは、同社Technics(テクニクス)ブランドから、プレミアムクラスのアナログプレーヤー「SL-50C」を10月下旬に発売する。価格はオープンだが、同社直販サイトでの取り扱い価格は税込99,000円。すでに予約受け付けも開始している。

「SL-50C」

国際家電展示会「IFA2025」に合わせて海外発表された製品が、国内での発売を正式に決定した格好となる。

音楽配信サービスやハイレゾ音源が普及する一方、アナログレコードの生産枚数も増加するなど音楽の楽しみ方が多様化していることを背景に、レコードを手軽に楽しみたいユーザーのため高いデザイン性と本格的なサウンドを両立したというアナログプレーヤー。

プラッターの駆動には、ブランド伝統の「ダイレクトドライブ方式」を踏襲。低速で回転するモーターがプラッターを直接駆動するため、電磁振動が少なく音質に優れ、またベルトやギヤによる減速機構が無いことから定期的な部品交換も不要と説明する。

上位モデルゆずりのダイレクトドライブ方式を採用

加えてモーターには、上位モデル「SL-1500C」や「SL-1200MK7」と同じ「コアレス・ダイレクトドライブ・モーター」を採用。プラッターの軸とモーターが直結する構造により、S/Nが高く、回転ムラ(コギング)の少ない高精度な回転が可能だとしており、回転精度や立ち上がり時間も上位モデルと同等の水準を実現している。

コアレス・ダイレクトドライブ・モーター

回転精度をさらに高めるべく、最新の回転制御技術も応用。定速時には、マイコンに搭載されたサイン波形ROMテーブルを用いた正確な正弦波駆動方式を採用するほか、上位モデルの開発で得られた学習制御も投入。ドライブ回路ごとのオフセット電圧を計測し、部品偏差によるズレを学習して自動補正することで、個体のばらつきを排除したとアピールしている。

デジタル制御と学習制御で正確な回転を実現

トーンアームはS字形ユニバーサル方式を継承しつつ、水平回転機構をジンバルサスペンション方式から滑り軸受方式に変更した新設計のモデルを搭載。滑り軸受には高強度/高比重のスーパー・エンジニアリング・プラスティック(PPS)を採用する。

高精度ステンレスセンターシャフトと接する部分は、カメラレンズ駆動装置と同等のサブミクロンオーダーの精度で加工。さらにスラスト軸受には真球度0.05μm以下のベアリング用鋼球を使用。スムーズなトーンアームの回転を実現した。

トーンアームは水平回転機構を刷新したS字形ユニバーサル方式

メインシャーシはMDF材、プラッターはアルミダイカスト製で、トルク伝達ロスをなくすためにプラッター裏面へ補強リブを追加、モーター用のマグネットをターンテーブルに直接マウントする。これにより、軸滑りのない正確な回転制御を追求している。

アルミダイカスト製のターンテーブルにモーター用マグネットを直接マウントする構造 

インシュレーターは、上位モデルで使われているものをベースに、ラバー硬度を本モデルの重量に最適化。共振周波数を可聴帯域外に移し、外乱の排除とハウリング発生の抑制を図った。

インシュレーターは上位モデルのものがベース

電源回路/モーター制御回路/フォノイコライザー回路の3つは、それぞれ独立した基板で構成。干渉を防ぐために交差することなく配線されている。また、トーンアームおよびカートリッジの移動経路から離れたレイアウトとすることで、カートリッジに与える影響を最⼩化しているとのことだ。

音質に配慮した回路レイアウト

MM型フォノイコライザー回路を内蔵するため、PHONO入力を持たないアンプや、アクティブスピーカーのLINE入力に接続してアナログレコード再生が楽しめる。フォノイコライザー回路には上位モデルと同じ高品位パーツを採用。外来ノイズの影響を排除するためトーンアーム直近に配置し、カートリッジからの配線を最短にしている。

MM型フォノイコライザーを搭載

付属カートリッジには、ortofon「2M Red」を採用。専用ヘッドシェルにあらかじめ装着されており、ヘッドシェルへの取り付けなどの手間無くすばやくレコード再生が始められるよう配慮している。

MM型カートリッジが付属。あらかじめヘッドシェルに取り付け済

本体デザインにおいては、同ブランドが長年培ってきたアナログレコード再生技術を凝縮。ターンテーブルプラッターにシリンダー形状を採用し外径を小型化することで、リビング空間への親和性を高めている。

カラーバリエーションも、インテリア空間から着想したというニュートラルカラーのブラック/グレー、ならびに空間のアクセントとなるよう意識したテラコッタブラウンの3色をラインナップ。ワイヤレススピーカーシステム「SC-CX700」ともカラーを揃えた。

左からテラコッタブラウン、ブラック、グレー

出力端子はPHONO×1、PHONOアース×1、LINE出力×1を搭載。外形寸法は430W×128H×353Dmm、質量は約7.1kg。

 

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