公開日 2019/08/05 14:53

「完全な点音源」で原音再生を可能に − KEFの技術トップがUni-Qドライバーや最新スピーカーを語る

KEF Music Laboratoryの音響監修も担当
編集部:小澤貴信
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“完全な点音源”を実現するUni-Qドライバー

ーー KEFの象徴的な技術であるUni-Qドライバーについてお聞かせください。いわゆる同軸ドライバーは他のオーディオメーカーも手がけているかと思いますが、Uni-Qドライバーがそれらとは異なる点、優れている点はどのようなところでしょうか。

ブラウン氏 確かに、いわゆる同軸ドライバーという発想自体は1930年代からあるもので、新しい技術ではありませんし、これまで他のメーカーも同軸ドライバーを手がけていますね。その中でKEFのUni-Qドライバーが特別な存在なのは、完全な点音源を実現しているということです。

Uni-Qドライバーの最大のポイントは「完全な点音源の実現」だとブラウン氏

他の同軸ドライバーでは、トゥイーターがミッドレンジと同軸に配置されてはいても、前後の位置関係はそろっていないというケースが見られます。対してUni-Qは、トゥイーターを、ミッドレンジのボイスコイル内の完全な中央に配置することで、縦横方向はもちろん、前後方向においてもトゥイーターとミッドレンジの音響芯が一致するのです。これにより完全な点音源が実現できるため、正確な位相や広範囲にわたる高域の拡散が可能になります。

ーー 正確な位相再現は、KEFスピーカーの卓越した定位感の良さを支えていると思いますが、高域の拡散性に優れていることは、聴感上どのようなメリットを生みますか。

ブラウン氏 まず、トゥイーターとミッドレンジの位相が揃うことで、スピーカーユニットの軸上から外れても、中高域がなだらかに減衰するという効能も得られます。これにより、特定の帯域にピークやディップのでない正確な音を広範囲なリスニングエリアにわたって聴けるのです。ホームオーディオは直接音だけでなく、間接音も多分に聴くことになるので、これはとても重要です。


12世代・30年にわたって進化を重ねたUni-Q

ーー 最新のRシリーズでは、最新の第12世代Uni-Qドライバーが初めて採用されました。従来のUni-Qからどのような点が進化したのか、改めて教えてください。

ブラウン氏 そのためには、まずUni-Qドライバーについて、もう少し詳しく説明しましょう。最初のUni-Qドライバーが登場したのは1988年です。完全な点音源であるUni-Qが可能になったのは、小型でも強力なネオジウムマグネットが(1984年に)発明されたからですね。最初のUni-Qドライバーは今とはだいぶかたちが異なりますが、KEFはこれを12世代にわたって進化させてきました。

MUONのUni-Qドライバー

そして、先ほどお話した完全な点音源ということ以外にも、Uni-Qにおいては様々な技術が積み上げられてきました。11世代までの進化をみると、トゥイーターの前面に配置された「タンジェリン・ウェーブガイド」(スクリュー状のひだ)は、高域の音響拡散性をさらに高めることに加え、コンプレッションドライバーと同様の効果をもたらしてトゥイーターの能率を向上させます。また、トゥイーターは2層構造として、より正確なピストンモーションを実現できるようにしています。

Z-FlexはUni-Qの外周を囲む凹凸のついたリングで、これはLS50などで採用されていますが、これはトゥイーターの発する音波が乱れることを防ぎます。また、ボイスコイルのギャップをラバーでダンプして、特定のピークをなくすという対策も行っています。こうした様々な技術は、いずれもコンピューターシミュレーションによる高度な解析が可能にしています。

次ページ第12世代ではエアフローを改善。さらなる高音質化を実現した

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