ソニー、最上位ANCワイヤレスヘッドホン「1000X THE COLLEXION」。約9万円

ソニーは、イヤホン/ヘッドホンの “1000Xシリーズ” より、選び抜かれた上質な素材と快適性にこだわったワイヤレスヘッドホン「1000X THE COLLEXION(WH-1000XX)」を6月5日に発売する。価格はオープンだが、ソニーストアでは89,100円で予約販売を受け付けている(税込)。カラーはプラチナ、ブラックの2色。
1000X THE COLLEXIONは、こだわり選び抜かれた上質な素材と心地よい音楽体験をもたらす快適性に加え、初代「MDR-1000X」以降、同社が培ってきた10年間の音響技術を投入したというワイヤレスヘッドホン。
「WH-1000XM6」の後継機ではなく、デザイン性や所有欲を重視するユーザーに向けた別コンセプトのモデルとして展開する。なお、台数や期間限定モデルではなく、通常モデルとしてラインナップする。
デザインコンセプトは「共鳴」を意味する「Resonate」
デザインコンセプトは目にした時/触れた時/着けた時/聴いた時、その瞬間ごとに心に響くというコンセプト「Resonate(レゾネイト)」を掲げる。
ヘッドバンドの外側はステンレス製の金属素材を全面的に採用し、ブラスト加工によるマットな質感で仕上げた。一方で、イヤーカップを繋ぐ箇所にはポリッシュ加工によるなめらかな鏡面を採用し、同じ金属でも仕上げでニュアンスを付けた。
ヘッドバンドの内側とイヤーカップには、上質で肌触りのいい合皮素材を用いた。全体的に外観から樹脂が見えないようにし、外からは金属と合皮の2種類の素材のみが見えるデザインに仕上げた。
合皮の質感などにもこだわり、開発に2年かかったのだという。素材そのものの質感を活かし、高級感と統一感のある仕上がりになったとアピールする。また、合皮にマイク穴を均等に開けたりすることも、かなり難しかったという。
ハウジング部はバッテリーを2分割して薄型化
ハウジング部分のバッテリーを2個に分割して、WH-1000XM6から約5.2mm薄型化しつつ、装着時には耳がヘッドホン内側に接触しにくいよう空間を確保。ファッションに、より溶け込みやすくなったと説明している。本体の質量は約320gと、スイーベル機構を備えるが折りたたみ機構は持たない。
ヘッドバンドには幅28mm、クッション込みで厚さ26mmと大きめのものを採用。頭部の形状に合わせて柔軟に追従させることで、遮音性と装着性、安定性を高めた。なおスライダーは無段階で調整できる。
またイヤーパッドの内側にL/Rが大きく表記されるようになった。イヤーパッドは、メンテナンスの際、手で簡単に取り外せる。
音質はマスタリングエンジニアと共創。新ドライバー/プロセッサー搭載
音質はWH-1000XM6に続き、世界的に著名な4名のマスタリングエンジニアと協力し、アーティストやクリエイターの意図を届ける音作りを行った。
参加エンジニアは、テイラー・スウィフトや米津玄師などを手掛けるランディ・メリル氏、レディ・ガガの『Born This Way』などを手がけるクリス・ゲーリンジャ―氏、スター・ウォーズのDolby Atomos版のサウンドトラックなどを手掛けるマイケル・ロマノフスキ氏、ホブ・ディランやエルヴィウス・プレスリーなど手掛けるマイク・ピアセンティーニ氏。
音質の傾向はWH-1000XM6と異なり「リラックスして立体的な音場に包み込むような音質」を目指したという。対応BluetoothコーデックはSBC、AAC、LDAC、LC3をサポートする。Auracastにも対応している。
新開発のドライバーユニットと統合プロセッサ−「V3」を搭載
ドライバーユニットには本機のために新開発したものを採用。2種類の素材を組み合わせた専用設計の30mm径のもので、エッジ部分を柔らかくすることで低音域の再現性を担保したという。
ドーム部には剛性の高い、一方向カーボン積層コアコンポジットを用い、ボーカルの分離感や高音域の再現性を高めている。さらに、ボイスコイルを巻くボビンに穴を開け、空気の通りを良くする工夫も施している。
また音質や機能に直結する 統合プロセッサーは、これまでの「V2」に代え、「V3」を初搭載した。メモリ容量が3倍になったほか、AIの処理能力も向上したとする。圧縮音源をアップスケーリングするDSEEはこれまでの1000Xシリーズにも搭載されていたが、本機ではソニーのヘッドホンとして初めて「DSEE Ultimate」に対応した。DSE Ultimateでは、ビット深度の拡張にもAI処理を活用する。なお、このDSEE Ultimate採用も、V3の処理能力によって実現したのだという。
ノイズキャンセリング機能はWH-1000XM6と同様、高音質ノイズキャンセリングプロセッサー「QN3」と12個のマイクを搭載。また、定評のある外部音取り込み機能も搭載。さらに、外部の騒音や装着状況をリアルタイムで分析する「アダプティブNCオプティマイザー」も備える。
ソニーによると、イヤーパッドの材質を代えたりしたことで、1000X THE COLLEXIONは、 WH-1000XM6よりもノイキャン性能はわずかに下がっているという。ただしこれは厳密に比較した場合で、実使用においては、依然として高いノイキャン性能を実現している。
本機では、さらに音質に影響するパーツを徹底的に厳選し、基板の構造やレイアウトを最適化。これにより残響や音場の広がり・余韻がより豊かで立体的なサウンドを実現したとしている。
360 Upmix機能は 「Music」と「Game」を追加、専用ボタンも
立体音響機能「360 Upmix」は、従来の「Cinema」に加えて「Music」と「Game」を追加した。Musicについては、音楽コンテンツを、音楽スタジオでの生演奏や、ゲームの世界に没入するようなサウンドを楽しめるという。GameについてはFPSにフォーカスした音作り。なお、Gameモード時でも遅延が抑えられるわけではない。
これらの機能は、左のハウジングに新設されたリスニングモードボタンにより、トグル式で手軽に切り替えることができる。なおリスニングモードボタンにどのモードを登録するかは、アプリで設定が可能だ。
通話品質もXM6譲り。急速充電に加えあらたに「いたわり充電」にも対応
通話品質についても、6個のマイクを用いたAIビームフォーミングにより、クリアな収音を可能にしている。風ノイズ低減構造になっており、本体のNC/AMBボタンを2回押すことでマイクのオン/オフが可能。これらの機能や性能もWH-1000XM6に準じている。
連続音楽再生時間は、ノイズキャンセリングオン時で最大約24時間、オフ時で最大約32時間。なお、360Upmix使用時には、若干ではあるが再生時間が短くなるとのこと。
5分の充電で最大約1.5時間の再生ができるクイック充電機能も備えており、これもWH-1000XM6と同様だ。ただし、バッテリー劣化を防ぐ「いたわり充電」は本機からの新機能となる。また充電中でも使用できる。
なお本機のUSB-C端子は基本的に充電専用で、USB-C端子からのデジタル音声入力は行えない。ただし3.5mmステレオミニのアナログ入力端子は備えており、アナログ入力をA/D変換して、本機で再生することは可能だ。
そのほか、アプリ「Sound Connect」と連動した本体操作のカスタム。10バンドのイコライザー、セーフリスニング2.0 、BGMエフェクト、マルチポイント、スーパーワイドバンド、ボイスコントロール、Gemini、Fast Pair/Swift Pair、クイックアテンション、ヘッドジェスチャーなど、従来のXM6で搭載されていた機能は、本機も踏襲している。
キャリングケースも新設計。取っ手がついて出し入れも楽に
付属品として、オーディオケーブルや専用キャリングケースを同梱。キャリングケースには持ち運びに最適な取っ手が追加され、WH-1000XM6では折りたたんで入れる仕様だったが、そのまま収納できるようになった。サイズは縦・横ともわずかに大きくなっているが、薄型化を実現している。
左がWH-1000XM6、右が1000X THE COLLEXION。ケースに取っ手がついて、ヘッドホンをそのまま収納できるようになった。縦横は少し大きくなっている
