公開日 2015/12/16 10:55
【スクープ】デノン新音質担当の山内氏が明かす「ヘッドホンアンプの歴史を変える」新機種とは?
今週末開催のポタフェス 2015に参考出展
■デノン全製品において一貫したサウンドの方向性を定めていく
−− 根本的なお話を伺ってしまいますが、そもそもデノンというブランドにおいて、サウンドマネージャーはどのような役割を担っているのでしょうか。
山内氏 サウンドマネージャーの役割を突き詰めれば、デノンのサウンドのダイレクション(方向性)を決めることと言えます。デノンの様々なモデルが最終的にユーザーの皆様のお手元に届く際の音質について、責任を負うということです。具体的には、各モデルの音質をチェックし、手を加えたり、音作りを行ってゆき、お客様が聴く最終の音質にまで仕上げていきます。
また、デノンはHi-FiからAV、ヘッドホンまで非常に広範なジャンルの製品をラインナップしていますが、各製品にデノンとしてのサウンドの統一感を持たせていくことも重要な役割です。
−− 各製品の開発の段階から音作りに関わっていくのでしょうか。
山内氏 もちろんそうです。さらに各製品に直接関わるところ以外にも、新たな技術や音質部品、音声フォーマットや方式等について、実際に使うことができるのかどのように使っていくことができるのかを確認・検証していくのもサウンドマネージャーの役割です。
−− デノンブランドの全製品の音作りに携わっているのでしょうか。
現時点では100%とは言えないですが、Hi-Fiからミニコンポに至るまで、大部分の製品の音作りに関わっています。また、私がカバーするジャンル領域も徐々に広げていっています。
■山内氏が考える「デノンサウンドの再定義」
−− 山内さんは11シリーズの発表会で「DENONサウンドを再定義する」旨の発言をされていました。山内さんが考えるデノンサウンド、さらには「再定義」によってされる要素とはどのようなものなのでしょうか。
山内氏 まず、こういった音質の話をするには抽象的な要素も含みますが、今日はなるべくわかりやすく説明できればと思います。私はデノンサウンドの根幹には「力強さ」と「繊細さ」があると考えています。一般の方もそういった印象を抱いているかと思いますが、もしかすると「力強さ」のほうにより強いイメージがあるかもしれません。
−− そうですね。どちらかというと、“力強さ”や“エネルギッシュ”といったイメージを持つオーディオファンが多いかもしれません。
山内氏 私は、デノンのサウンドは「力強さ」と「繊細さ」を両立していること、あるいはそれらの両面を持っていることが重要だと考えています。ですから、当然その点は継承していきます。
そしてもうひとつ、デノンに対するイメージとして「安定感のあるサウンド」あるいは「安定した性能」というものがあると思います。これは録音を生業とした会社がデノンのバックボーンにあるということです。
こうした要素を継承しつつ、そこに私が考える新しい要素を追加してブラッシュアップしていく。デノンサウンドの再定義をわかりやすく説明すると、そういうことになります。
−− それでは新しい要素とはどのようなものなのでしょうか。
山内氏 「ビビッド」と「スペーシャス」という2つのキーワードを挙げたいと思います。オーディオ業界特有の用語ばかりを使わなくてもよいと思うので、あえてこういう表現をしています。
−− はい。ではまず「ビビッド」というキーワードですが。
山内氏 音楽に何を求めるのかと考えたとき、私はパッションや感情といったものが重要だと考えます。オーディオにおいてパッションや感情の表現を担う要素が、私のイメージでは「ビビッドな音」になります。もちろんこれは演奏の四六時中目立つものとは限らず、一瞬的なものも含みます。
ビビッドという言葉は、通常は映像やアートにおいて色彩的な意味で使いますが、音楽やオーディオにも当てはまる言葉でもあります。オーディオにおけるビビットな音とは、文字通りの色彩感はもちろん、ダイナミズムに関わるスリルと呼ぶべきものやエモーションを備えています。クリアネスや明瞭さもビビットの範疇にはいる要素です。
色彩感について言えば、ビビッドとは必ずしも原色というイメージではありません。強い色彩だけではなく中間色や豊かなグラデーションも表現できる。これが一言で言うとビビッドです。
−− 「スペーシャス」はいかがでしょうか。
山内氏 スペーシャスとは、空間性や立体的であることを表す言葉です。サウンドステージという言い方もよく耳にします。そしてこのスペーシャスを成すのは音のクリアさであり、より明確なダイナミズムです。この「スペーシャス」の要素がない平面的な表現では、先ほど説明した「ビビッド」についても再現することはできません。
−− 根本的なお話を伺ってしまいますが、そもそもデノンというブランドにおいて、サウンドマネージャーはどのような役割を担っているのでしょうか。
山内氏 サウンドマネージャーの役割を突き詰めれば、デノンのサウンドのダイレクション(方向性)を決めることと言えます。デノンの様々なモデルが最終的にユーザーの皆様のお手元に届く際の音質について、責任を負うということです。具体的には、各モデルの音質をチェックし、手を加えたり、音作りを行ってゆき、お客様が聴く最終の音質にまで仕上げていきます。
また、デノンはHi-FiからAV、ヘッドホンまで非常に広範なジャンルの製品をラインナップしていますが、各製品にデノンとしてのサウンドの統一感を持たせていくことも重要な役割です。
−− 各製品の開発の段階から音作りに関わっていくのでしょうか。
山内氏 もちろんそうです。さらに各製品に直接関わるところ以外にも、新たな技術や音質部品、音声フォーマットや方式等について、実際に使うことができるのかどのように使っていくことができるのかを確認・検証していくのもサウンドマネージャーの役割です。
−− デノンブランドの全製品の音作りに携わっているのでしょうか。
現時点では100%とは言えないですが、Hi-Fiからミニコンポに至るまで、大部分の製品の音作りに関わっています。また、私がカバーするジャンル領域も徐々に広げていっています。
■山内氏が考える「デノンサウンドの再定義」
−− 山内さんは11シリーズの発表会で「DENONサウンドを再定義する」旨の発言をされていました。山内さんが考えるデノンサウンド、さらには「再定義」によってされる要素とはどのようなものなのでしょうか。
山内氏 まず、こういった音質の話をするには抽象的な要素も含みますが、今日はなるべくわかりやすく説明できればと思います。私はデノンサウンドの根幹には「力強さ」と「繊細さ」があると考えています。一般の方もそういった印象を抱いているかと思いますが、もしかすると「力強さ」のほうにより強いイメージがあるかもしれません。
−− そうですね。どちらかというと、“力強さ”や“エネルギッシュ”といったイメージを持つオーディオファンが多いかもしれません。
山内氏 私は、デノンのサウンドは「力強さ」と「繊細さ」を両立していること、あるいはそれらの両面を持っていることが重要だと考えています。ですから、当然その点は継承していきます。
そしてもうひとつ、デノンに対するイメージとして「安定感のあるサウンド」あるいは「安定した性能」というものがあると思います。これは録音を生業とした会社がデノンのバックボーンにあるということです。
こうした要素を継承しつつ、そこに私が考える新しい要素を追加してブラッシュアップしていく。デノンサウンドの再定義をわかりやすく説明すると、そういうことになります。
−− それでは新しい要素とはどのようなものなのでしょうか。
山内氏 「ビビッド」と「スペーシャス」という2つのキーワードを挙げたいと思います。オーディオ業界特有の用語ばかりを使わなくてもよいと思うので、あえてこういう表現をしています。
−− はい。ではまず「ビビッド」というキーワードですが。
山内氏 音楽に何を求めるのかと考えたとき、私はパッションや感情といったものが重要だと考えます。オーディオにおいてパッションや感情の表現を担う要素が、私のイメージでは「ビビッドな音」になります。もちろんこれは演奏の四六時中目立つものとは限らず、一瞬的なものも含みます。
ビビッドという言葉は、通常は映像やアートにおいて色彩的な意味で使いますが、音楽やオーディオにも当てはまる言葉でもあります。オーディオにおけるビビットな音とは、文字通りの色彩感はもちろん、ダイナミズムに関わるスリルと呼ぶべきものやエモーションを備えています。クリアネスや明瞭さもビビットの範疇にはいる要素です。
色彩感について言えば、ビビッドとは必ずしも原色というイメージではありません。強い色彩だけではなく中間色や豊かなグラデーションも表現できる。これが一言で言うとビビッドです。
−− 「スペーシャス」はいかがでしょうか。
山内氏 スペーシャスとは、空間性や立体的であることを表す言葉です。サウンドステージという言い方もよく耳にします。そしてこのスペーシャスを成すのは音のクリアさであり、より明確なダイナミズムです。この「スペーシャス」の要素がない平面的な表現では、先ほど説明した「ビビッド」についても再現することはできません。
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