Woooシリーズでは、サイズやスタイルによって、プラズマ、液晶という表示デバイスを使い分けている。

Woooの画質をチェックする折原氏
2009年に登場したWoooの中で最大サイズとなる50V型を擁するプラズマモデルでは、「ダイナミック・ブラックパネル」の搭載を特長としている。新パネルの搭載によって、コントラスト比は最大4万対1と、優れた暗部の表現力、黒の沈み込みを実現。プラズマならではの動画解像度の優秀さは言うまでもない。また、放送で用いられるHDTV信号の125%広色域を実現する「ピュアカラーフィルター」の搭載により、より緻密で深みある色再現を可能とした点も特長だ。

液晶テレビは最薄部35mmの薄型かつ最大47V型までの大画面を持つUT800シリーズ、一体型の03シリーズの2ラインを展開しており、サイズにより新IPSαパネルなど新開発のパネルも導入している。

こうした個々のパネル技術のほかに、Woooが、今年発売された薄型テレビのトレンドとなったテクノロジーを搭載していることを知っておきたい。薄型テレビを設置した環境に応じて画質を最適化する、“見る人”の視点に立ったアプローチだ。

 

Woooシリーズが搭載する自動画質調整機能は「インテリジェント・オート高画質」と呼ばれている。本機能は、視聴環境と映像情報を掛け合わせて総合的な画質をチューニングする、日立オリジナルの技術だ。

薄型テレビが設置される場所の照明環境は場所によっても、時間によっても様々だ。たとえば暖色系の間接照明で落ち着いた雰囲気のリビング、明るい照明のリビング、日中なら外光が差し込んだ部屋、また照明を完全に落としたシアタールームなどだ。これまでの自動画質調整機能では、環境光に応じた輝度の調整、また色合いや映像の精細感までも含めて全自動で対応するものはなかった。

センサーの位置を確かめる折原氏
Woooの「インテリジェント・オート高画質」のモードのオリジナル要素は、まず環境光の検出に、明るさだけでなく、蛍光灯や白熱灯といった色を検知できるセンサーを取り入れた事にある。

たとえば、蛍光灯下の部屋では明るさを強く出すほかに色温度を高めに取り、力強い傾向を作り出す。白熱灯では人間の視覚上違和感を覚えないレベルで、色温度の低い画質へと調整する。さらにWoooでは、コンテンツのジャンルによる最適化も行っており、映画であれば質感の表現力を高めるために黒側の階調性を巧みに引き出すチューニング、スポーツはハイコントラストでエッジ重視、音楽ではスポットライトを浴びるアーティストの存在感を強める。実際に映像を見てみると、画質調整は環境の変化に時間をかけてゆっくり追従するため気づきにくいかもしれないが、自動画質調整をオフにして見比べてみると、自然な画質調整の巧みさに気付かされる。

 

テレビで「見る」機能の優劣を語る際、視聴できる映像ソースが豊富であるかどうかも見逃せないポイントだ。特に、放送・パッケージに続く第3のソース、「映像配信」への対応は最も重要なテーマだろう。

アクトビラのトップページ。Woooは主要全機種が同サービスにフル対応している

Woooは、高画質の映像配信サービス「アクトビラ ビデオ・フル/ダウンロード」に対応。「TSUTAYA TV」が配信する全5,000タイトル以上の中からダウンロード対応コンテンツを、いつでもWoooの内蔵HDDにダウンロードして視聴できる。2009年に発売されたすべての録画テレビがこのサービスに対応していることからも、Woooが際立った先進性を備えていることがわかる。

 
今回は「スタートレック」をセルスルーで購入してみた   購入したコンテンツは「見る」画面の「ダウンロード」に表示される

今回、映画『スタートレック』を購入して映像配信の画質の検証を行ったところ、BDに準ずるほどの高画質ぶりに改めて驚かされた。自宅に居ながらにして、リモコン操作一つで購入できるものとは思えないほどのクオリティだ。

実際に「TSUTAYA TV」を利用している筆者にとって、配信されている作品の充実ぶりも大きな魅力の一つだ。過去数ヶ月に配信を開始した作品から筆者のお気に入りタイトルをいくつか挙げてみると、『ブレードランナー ファイナルカット』『硫黄島からの手紙』『ショー・シャンクの空へ』『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『プライドと偏見』『アイズ ワイド シャット』『マトリックス』と、新旧ビッグタイトルの数々がズラリと並ぶ。

レンタル店で人気の海外ドラマを見ても『LOST』『デスパレードな妻たち』『ターミネーター サラ・コナーズ クロニクルズ』シリーズなど、海外ドラマの人気作品もHDクオリティで配信されており、映画・海外ドラマファンにとっても見逃せないサービスと言えるだろう。

Woooシリーズで「セルスルー」で購入した番組は、作品によって「iVDR-S」への最大2回のダビングが行える。「iVDR-S」へダビングした後も内蔵HDDにはオリジナルが残るため、ダビングした「iVDR-S」を挿入しなくても、内蔵HDDの容量が許せばいつでも視聴が行える。高画質な映像配信サービスを使い倒したいのなら、Woooを第一候補に選ぶと良い。