東芝<レグザ>を使いこなす Z3500Series

ユーザーの利便性を第一に追求した結果、辿り着いた「USB HDD対応」

「Z3500」シリーズには他社の薄型テレビにはない、個性的な機能の数々が備わっている。その代表的な機能が外付HDDへの録画・再生機能だ。いままでテレビ番組の録画を楽しむ際には、VHSビデオから最新の次世代レコーダーまで、外部入力に切り替えて機器を操作するのが当たり前だった。AV機器を使い慣れた人ならテレビの入力切り替えを使いこなして、外部に接続した機器を選んで録画・再生という操作を手軽にこなせるが、AV機器の操作を苦手とする方にとっては、この「入力切り替え」の操作ほどわかりづらいものはないだろう。
本体背面にはLAN HDD/USB HDDの接続用端子が搭載されている(写真は拡大します)

“REGZA”シリーズの開発を担当するテレビ事業部の本村氏は「日頃、テレビ番組を録画したくても、操作が難しそうで敬遠してしまうという方々にこそ、“REGZA”シリーズの手軽な録画機能を使ってみて欲しい」と、録画機能における優れた操作性をアピールする。

「Z3500」シリーズではパソコン用として売られているLAN接続、及びUSB接続のHDDを本体につないで、テレビ単体でのハイビジョン番組録画が楽しめる。特に価格のこなれた記録装置であるUSB接続のHDDに対応したことは見逃せない。例えば外付USBタイプの320GB HDDの価格は大手量販店で探せば1万円台半ば、激安店なら1万円をちょっと切るぐらいの価格で手に入る。こちらを購入して「Z3500」シリーズの背面にあるUSB端子に接続すれば、ハイビジョン録画も自在に楽しめる“録画機能付テレビ”が誕生する。その上、専用単体機のレコーダーよりも操作は簡単というから、至れり尽くせりだ。

USB HDD録画可能時間の目安
画質モード(算出用レート)
160GB
250GB
300GB
400GB
500GB
750GB
TS
HDレート:最大20Mbps
約17時間
約27時間
約32時間
約43時間
約53時間
約79時間
SDレート:最大8Mbps
約42時間
約66時間
約79時間
約106時間
約131時間
約190時間

LAN HDD録画可能時間の目安
画質モード(算出用レート)
160GB
250GB
300GB
400GB
500GB
750GB
1TB
TS
HDレート:最大20Mbps
約17時間
約27時間
約32時間
約43時間
約53時間
約79時間
約106時間
SDレート:最大8Mbps
約42時間
約66時間
約79時間
約106時間
約131時間
約190時間
約262時間
USB HDDの動作を事前にチェック!
【STEP1】「Z3500」シリーズでは接続したUSB HDDに録画を行う前に正常な動作が可能かどうかをチェックすることができる。はじめにUSB HDD設定のメニューから「USB HDD動作テスト」を選択(写真は拡大します) 【STEP2】動作テストがはじまる(写真は拡大します) 【STEP3】接続されているUSB HDDに異状がなければ「HD録画」「HD同時録画」の評価に“OK”が表示される (写真は拡大します)

“3タッチ”で完了!お手軽番組録画予約

実際に使ってみると番組予約の操作はすこぶる簡単だ。「Z3500」のインターフェース設計に携わる宮崎氏は「Z3500シリーズは“3タッチ録画”のかんたん操作を実現しています。(1)番組表を開き、(2)録画番組を選び、(3)決定ボタンを押す、という3つのステップで番組予約は完了します。こんなに手軽に番組予約ができるインターフェースは少ないと思います」と自信をみせる。

単発の番組録画だけでなく、連続ドラマなどの繰り返し予約の設定も直感的に操作できる。「毎週月曜日の9時に始まるドラマを録画する」という操作であれば、録画番組を決定する画面で「連ドラ予約」を選べば毎週放送される番組を繰り返し録画できる。それもただ録画するのではなく、スポーツ中継による終了時間の変更や、ドラマなどの最終回拡大放送や特番化による放送開始時間の繰り上がり、または終了時間の変更があっても、テレビの方で自動的に録画時間を変更して録画を行ってくれる。もう番組の頭切れ録画や、尻切れ録画とはサヨナラできそうだ。この番組追跡機能は、レコーダー専用機でも搭載する機種は少ない。もちろんドラマだけでなく、ドキュメンタリー、アニメ、バラエティ、音楽番組など、繰り返し放送されている番組でも活用できる機能だ。コンテンツ・ラバーにとってこれほど頼もしい機能はないだろう。

録画済みの番組の再生もあっけないほど簡単だ。リモコンの「レグザリンク」ボタンを押して「機器を選択する」を選ぶと、接続している機器が表示され、そこからHDDを選ぶことで録画済み番組にアクセスできる。リモコン本体には「再生」「早送り」「一時停止」などの操作ボタンが配置されており、その操作感は専用単体機のレコーダーと変わらない。15秒〜30秒程度の不要なシーンの見飛ばしは、リモコン中央部にある「<<」「>>」ボタンを押すことで手軽にスキップできる。これにより、HDDに録画したたくさんの番組も、再生時には効率よく視聴できる。

録画機器の選択画面。LANやUSBで接続された外付HDDや、i.Link接続のレコーダー、ホームネットワーク上のレコーダーなども一覧に表示される(写真は拡大します) 単発の番組録画だけでなく、連ドラ予約機能や番組追跡機能など、レコーダー専用機に劣らないクレバーな録画機能が搭載されている(写真は拡大します) リモコン本体には録画済みコンテンツを操作するためのキーを配置。リモコンのデザインからも、録画機能付テレビとしての「Z3500」の魅力が積極的に提案されていることが伝わってくる(写真はクリックでリモコン全体を表示します)

「Z3500」シリーズの録画機能は、使うほどにテレビ録画が楽しくなる。大容量のHDDを購入して、家族と共有してしまえばあっという間に容量がいっぱいになってしまうかもしれない。「Z3500」シリーズはUSB接続のHDDなら最大8台まで“登録”し、“交換しながら”録画・再生が楽しめる。家族ならビデオカセットのように専用のHDDを用意して、管理すればとても使いやすそうだ。

前述したが「Z3500」シリーズはLAN HDDの接続にも対応している。これは前モデルの「Z2000」シリーズから継承した機能だが、今回からUSB接続のHDDに対応したことで、HDD間でも録画番組のムーブが可能になった。たとえばLAN HDDをメインの録画媒体として使い、そこから「映画」「ドラマ」などジャンル別の記録用USB HDDにムーブすれば、すっきりとしたライブラリが完成する。同様に家族共用のHDDを用意して、別途お気に入りの内容だけをムーブして自分だけのライブラリを完成させてもいいだろう。

テレビの楽しさを再発見できるカジュアルな録画機能

それにしても驚かされるのは、「Z3500」シリーズは録画機として使ってみても、優れた操作性を実現していると感じることだ。番組追跡が可能な予約機能や、録画済み番組をジャンルに分けて表示するなど、エントリーモデルのレコーダー単体機より、格段に優れた操作性を備えている。

同社薄型テレビシリーズの企画開発に関わってきた本村氏は「東芝は2005年に発売した“ちょっとタイムface”『LH100』シリーズから、テレビにHDDを内蔵し、録画機能を搭載しました。そして“REGZA”シリーズになってからは『H2000』、『H3000』、『H3300』シリーズとして、HDD内蔵テレビをより進化させています。製品を発表するごとに、お客様からたくさんのご要望をいただいています。数多くのご要望やご意見をコツコツと取り入れるうちに『H3000』、『H3300』シリーズから『録画機能が使いやすい!』というご評価をいただくようになりました。これらの経験を活かしながら、『Z3500』の録画機能はとても使いやすいものに仕上がっていると思います」と語る。

一方で東芝には“VARDIA”シリーズというレコーダーのブランドがある。テレビとレコーダー、互いの機能はバッティングしないのだろうか。この問いに対するメーカースタッフの答えは、「見たら消す」というカジュアルな録画・視聴の用途に特化しているのが“REGZA”のHDD録画機能であると説明する。“REGZA”が搭載する録画媒体はHDDだけであり、HDDに記録した映像は著作権保護の観点から、別のテレビで再生することはできなくなる。一方で、“VARDIA”ではハイビジョン番組をそのままの画質で、HD DVDやDVDなど光ディスクにアーカイブして残すことができる。“REGZA”のカジュアルな録画機能に加えて、録画した映像を長く保存しておきたいという方々は、“VARDIA”をはじめレコーダー単体機を合わせて活用すると良いだろう。

外付HDD録画を「もっと楽しむテクニック」
フォルダをつくってみよう
【STEP1】はじめに「クイックメニュー」から「フォルダ作成」を選択(写真は拡大します) 【STEP2】フォルダの名前はユーザーが自由に決めることができる(写真は拡大します) 【STEP3】番組のジャンル分けや、家族で“REGZA”を使う際にもフォルダ管理の機能はとても便利なはずだ(写真は拡大します)

ショートカット作成でもっと便利に
【STEP1】ショートカット作成を行うと、フォルダへのアクセスがもっと手軽になる(写真は拡大します) 【STEP2】「クイックメニュー」の「ショートカット作成」から任意のフォルダを選択するだけ(写真は拡大します) 【STEP3】機器選択のメニューにフォルダへのショートカットがつくられる(写真は拡大します)
「Z3500」シリーズの録画機能はとても敷居が低く、子どもからお年寄りまで、年齢やAV機器に関する知識を問わずに扱えるバリアフリーな操作性を実現している。もし家族の方にビデオ録画の操作を苦手とする方がいるのであれば、ぜひ店頭に行ってその操作性を実感してみると良いだろう。あまりの簡単さに拍子抜けすること請け合いだ。

驚くことは、その操作はただ簡単なだけではなく、1台のテレビに何台ものHDDを接続して番組を楽しめる機能に代表されるように、ヘビーユーザーをも満足させる奥深さを備えていることだ。1台のテレビに複数のLAN HDDやUSB HDDを接続して、容量を気にせずに録画が楽しめるようなテレビは「Z3500」シリーズ以外に見つからないだろう。「Z3500」シリーズが誘うテレビ録画の世界は、間口が広く親しみやすいだけでなく、とても奥深い楽しさに満ちあふれている。

back index next